失われゆく英国人気質(11/16)


The Sunday Times 11/16 Britainの記事からです。

*Japanese mourn a lost Britain of tea, butler and stiff upper lips

イギリスが、そのよき伝統を失っていると、日本人は嘆いているという記事で す。私は別に嘆いていませんが、(^^; Anglophileの人々にとって、昔のイギ リスのよき風習が失われていくのは寂しく感じているのでしょうか。しかし本 音は日本にこと寄せて、イギリス人の本音を書いているのかもしれませんね。

日本でベストセラー作家のToru Kuroiwaさんの話から始めています。元毎日新 聞ロンドン支局長を務めて、イギリスに関する著書、The English Way of Life(イギリスの生活様式?)という本を書いているようです。有名な人のよう ですが、私は知りませんでした。

Kuroiwa氏によれば、イギリス人は昔風のstiff upper lipとreserveと toleranceを失ったということです。負けじ魂と、謹み深さと寛容と言うこと でしょうか。タイトルには、さらにお茶の習慣と執事がのっています。さらに 紳士のゴルフも本文にはあげられています。執事の職務に忠実な生き方は、イ ギリス文化の伝統文化そのものかもしれません。長崎生まれの日系イギリス人 イシグロ氏は、確か執事についての作品を書いていました。Booker prizeを受 賞した作品だと思いますが、この中で彼が日本の武士道と執事の仕事はほとん ど変わらない、と言っていたのを昔読んだことがあります。

とにかくKuroiwa氏によれば、Dianaの死と子守事件のLouisa Woodwardに対す る判決についてのイギリス人の反応を見ていたら、昔のイギリスからは考えら れないと言うことです。ダイアナの死と金日成の死に類似点を見るのは少し酷 かなという気はしますが、そこに見られたヒステリー症状からはかつての忍耐 心に満ちた国民性は感じられない。

地下鉄を止めてでも、お茶の時間を守ろうとしたイギリスの鉄道労働者の姿は もう昔の物語。その結果、時間はゆったりと流れなくなり、消費者社会となっ て、寛容な心もなくしてしまった。このへんは日本も同じですね。

Dianaとの関係を本で暴露したJames Hewittは、一昔前のイギリスでは考えら れない。たしかにこりは相手がprincessでなくとも、あまり感心しない。イギ リスでも批判はでたのでしょうが、このへんは日本の感覚では理解出来ないと ころもありました。紳士という種族が、消えつつある。スポーツマンも消えつ つある。特にgolferの間でのfair playの精神の衰退は甚だしく、ゴルフ場に よっては虚偽のホールインワンを申告させないために、ビデオカメラを取り付 けているとか。 (^^;  そういえば、本文では書かれていませんが、サッ カーのhooliganはイギリスが本拠地でした。当局の取り締まりで少しはおとな しいですが、最近もイタリアで暴れていたようです。(^o^)

Blairは、フランス人に歴史遺産の地より、新しいイギリスとしてロンドンの Canary Wharfをせがんだとあります。多分、首脳会談をこうした新しい場所で 開くことか何かを提案したのではないかと思うのですが、こんなことではフラ ンス人から軽蔑されるだけだそうです。そんなことはアメリカや日本に任せて おけ、とあります。 (^^;

もちろん変化は大切だ、それこそがCommonwealthのリーダーたるもののつとめ だ、という人も多いのですが、この辺は難しいですね。伝統と現代、そこに生 きるものにとっては、自分にないものに憧れるものらしい。イギリスに限ら ず、国民性がそんなに急に変わるとも思えないのですが、昔懐かしいイギリス を知るものにとって、今の若いイギリスはあまり住み難いのかもしれません。



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