英国国教会のセクハラ(11/16)


The Sunday Times 11/16の記事からです。今週号は、まだまだ面白い記事が あるのですが、他の感想をかけないからそろそろ終わりにします。しかしもし かしたら子守事件について、各誌比較する形で書くかもしれません。

* Women priests brand male clerics 'sexist bullies'
by Christopher Morgan Religious Affairs Correspondent

The Sunday Timesなどの記事で最近よく気づくのが、ここにあるReligious Affairs Correspondentのような肩書きです。やはり宗教関係の記事は、かな り関心が高そうです。

この記事は、イギリス国教会で女性牧師が 、男性の同僚から差別されている という記事です。英国国教会で女性が聖職者になれると言うのは、いつのこと でしたか、比較的最近のことだったような気がするのですが。しかし男性の聖 職者達の反発は世俗社会以上の感じです。つい最近も、この問題をめぐって今 年中にも分裂の危機があるような報道のされかたをしていました。相当深刻な ようです。

女性聖職者の呼び名がはっきりしないのですが、一応女性牧師にしておきま す。400人の女性牧師の調査の結果 が出たようです。それによって数々の虐 待と差別a catalogue of abuse and discriminationが、明らかになった。そ れによると同性愛者の嘘の噂を流されたり、hate mailをもらったり、教区か ら追い出されたり、この記事を読むと保守的な聖職者達が、何故に英国国教会 から分離独立しようとするのかの背景みたいなものが分かります。普通は、革 新派が分離独立の動きをするのであって、保守派はしませんから。 (^^;

差別の実態がいろいろ書かれているのですが、気づいた点をat randomに選ん で書いておきます。

*女性聖職者の約30%が、性差別とセクハラを受けているとのこと。任命委員会 である女性牧師は男性聖職者から「あなたの夫は祭壇のリンネルを洗う準備が 出来ているか」と、尋ねられたということです。これははっきりしないところ もありますが、こうしたことはふつう牧師の妻の役目だということが、背景に あるのだと思います。

*ある女性牧師は、集まった信者からも侮辱されたとか。「会衆congregation は、専門的な聖職者を必要としている。なぜなら、会衆自身が専門家だから」 要するに、女性牧師の場合専門家ではないと言うことですよね。これは自分た ちを専門家と言うくらいだから、都市の住民だと思うのですが・・・

*牧師の妻達も、女性牧師を自分たちの地位への脅威とみなしているようで、 いっしょになっていじめているみたいですね。 (^^;

*病院の礼拝堂所属の牧師になった女性は、そこをより男女均等のチャンスが あると思って選んだようですが、ここでも強い憎しみanimosityに会った。「 女性は神学的思考が出来ない」というのが理由のようです。さらに男性牧師が 教区民に彼女と話してはいけない、という指導も行っているようです。

リベラルな男性牧師達も、女性牧師に対する差別ではあまり変わらないとか。 しかし女性牧師の方も少し神経質になっているのかもしれません。聖職者の会 議で自分が無視されていると考えたり、あるいは会合の最後でしばしば言われ る"thank you gentleman"の挨拶に、自分がのけ者にされていると感じたり、 実状はよく分からないところもあります。

しかしやはり一人の女性牧師が言っている言葉が、ことの本質をついているの かもしれません。「彼ら(男性)聖職者で問題なのは、神に仕えているという意 識がないこと。彼らは自分たち自身を神だと思っている」

特権を失うものの敵意と嫉妬はすさまじいのは男女とも変わりませんね。建て 前はとにかく、私には神学上の教義解釈の違いではなく、あまりにも人間的な 感情の発露という気がしました。(^o^)



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