フロイトとヒットラー(11/16)


* Revealed: how Freud could have saved us from Hitler

幼いヒットラーの精神障害を、もしかしたらフロイトが治療していたかもしれ ないと言う記事です。こうした「もしも・・・」ということはあまり意味がな いのかもしれませんが、結構面白いです。 (^o^)

オーストリアのユダヤ人医師が、当時6才のヒットラーの母親に、精神的欠陥 があると警告したそうです。だから、もしかしたらその結びつきから言って、 当時ウィーンで開業していたフロイトが治療の可能性に当たったかもしれな い、もしかして父親があまりにも権威主義的な人物でなかったら、ということ ですね。そうだとすると、ホロコーストも起きなかった?

TV番組制作の過程で、分かったことのようです。ヒットラー家のホームドクタ ーであった、Ernst Blockは1895年に精神障害と頻繁な悪夢に悩まされていた ヒットラーをウィーンの小児精神科病院に送るような処方箋を書いているよう です。フロイトの名前はここではでてこないのですが、当時の状況からして、 もしそれが実現していれば、フロイトがヒットラーを治療する可能性はかなり あったということでしょう。

母親のKlaraは、ヒットラーを甘やかしていたのに対し、父親のAloisは妻と息 子に対して関心が薄かった。彼が「我が闘争」の中で書いているところによれ ば、ヒットラーは貧乏と虐待の中で育ったということのようですが、1952年に Alan Bullockによって書かれた伝記では、父親の虐待はそこまでひどくはな い。当時の社会背景を考えれば、普通ということだったようです。

彼の精神的危機は、1907年と1908年、18才の時にウィーンの美術学校Academy of Artsに入学を認められなかったことが大きい。さらに母親の死が追い打ち をかけた。1909年の秋までに、彼は浮浪者になって公園のベンチで夜を過ごす ホームレスとなった。

今回明らかになった調査では事実が違ってくる。彼の精神的危機は実はもっと 早い段階に生じていたということのようです。Aloisの息子に対する暴力も証 拠が集められてはっきりしてきた。Adolfが学校を3日休んだときなどは、かば hippopotamusの鞭で打ち続け、首を掴んで呼吸を出来なくしたこともあったら しい。他にもいろんな暴力をしているようですから、多分息子を病院に送れ ば、虐待の事実が明らかになるだろうから、絶対にそうはさせなかっただろう ということです。

52年の著者Bullockによれば、Hitlerは精神的障害があったが、何故それにも 関わらず彼は権力を握ったのか、というのが大問題だったようです。どこの精 神病院に行っても、自分のことを世界を征服するという特別な使命を帯びてい ると考えている人を見つけることが出来るそうです。だからヒットラーはどう してそれを実行したのかが、大切だということです。(^^;

Bloch医師はヒットラーの障害を治療してやることは出来なかった。しかし恩 義は感じていたのでしょうか。1938年にドイツ軍がオーストリアに侵攻したと き、ヒットラーの指示に従ってBlochはスイスに脱出を認められた。多分それ がヒットラーがユダヤ人を救った唯一の例だろうということです。



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