肝っ玉女町長とマフィア(11-16)


The Sunday Times 11-16のWORLDの記事からです。

*Mayor leads women's revolt against mafia by John Phillips

Mafiaの本拠地、シチリアで女性市長が圧力に屈せず頑張っているという記事 です。

San Giuseppe Jatoの女性町長、Maria Maniscalcoは、車を焼かれ、殺人の脅 迫を何度も受けている。警察によれば、シチリア・マフィアのボス(the head) が、彼女に的を絞って脅しをかけている。彼女はマフィアに対するシチリア女 性の戦いの象徴なのだ。

彼女の町は、いわばマフィアの凶悪な犯罪そのものと深く結びついている。マ フィアが支配する町だ。1995年には、密告者(supergrass)の息子で、11才の Giuseppe Di Matteoが、誘拐され、殺されたあと、酸の入った中に投げ込まれ た。この事件をきっかけに、人口10000人の町は、今までの意識が変化してき ているようです。Maria Maniscalcoは、11月30日の選挙で再選をめざすようで すが、その公約の一つが少年が酸で溶かされた家の跡地を、彼を記念する公園 にするというもの。しかしマフィアのやり方はここまで残酷なんですね。

だが町の貧しい人々にとって、マフィアは時には保護者でもある。彼らの半分 はマフィアが建てた不法建築に住んでいるから、反対することもなかなか難し い。しかしマフィアが今のまま実験を握っていれば、暴力と死がはびこるだけ ということに、人々も気づいてきた。こうした中で奮闘しているのが、この女 性町長なわけですね。マフィアも、彼女の再選を防ぐべく、いろいろ脅しをか けている。彼女は当初はつけていた警察の護衛も断ったようです。なるように しかならない、というかあまり効き目はないと思っているようです。

こうした中で、人々の意識が変わり始めている。例えば、かつてはマフィアの 犯罪を告発する密告者となった構成員mafiosiは、妻や母たちからも見捨てら れた。それだけ、周囲の圧力というか脅威が強く、そうしなければ地域社会で 生き残ることは難しかったのでしょう。しかし例えば、Rosalio Scarantinoの ような女性も現れてきた。彼女の夫は、裁判官殺しで3人のボス達が刑務所送 りになるきっかけを作った人物。彼女はかつて夫と関係を絶っていたが、最近 はTVなどで、夫に犯罪から足を洗うように呼びかけた。

しかしもちろんマフィアとの戦争が容易なものでないことは、女町長もよく分 かっている。マフィアと行政機関の一部との結びつきもまだある。こうした中 で時代の風が少しずつ吹き始めた。



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