Gnome解放戦線、庭先で全面戦争へ(11/2)


*Garden guerrillas go to war on the gnome front

誘拐者たちは警告なしに襲ってくる。フランス郊外はおびえている。犠牲者 は、家から遠く離れた深い森の中か、川を下る筏の上で発見されている。

しかしついに先週憎むべきノームgnome解放戦線(GLF)の4人のメンバーが、法 廷に引きずり出された。彼らは庭のノーム、つまり庭に飾られた地の精の像 や、ミニチュアのティーセットや風車、プラスチックのきのこを誘拐した罪で 裁かれなければならない。

弁護士は被告たちを情熱を込めて、しかしわずかに笑みをこらえて弁護し た。「みなさんには、庭のノームたちが寒さにふるえ、時には通りすがりの犬 から街灯柱のように扱われている(つまりあまりありがたくないものをかけら れる)という屈辱に、怒りをこめて叫んでいるのが聞こえないのか」さらに彼 は、gnomeは差別用語であり、politically incorrectだから、vertically challenged figureという言葉を使うべきだと提案した。

しかし検察官は真剣に反論した。これは政治の問題ではなく、窃盗と庭への不 法侵入の問題だと。そして被告たちに80時間の地域活動の刑を求めた。先週裁 判が始まって審理は2週間続いた、とあるのですが、多分まだ判決は下されて いないと思います。

弁護士と同様、裁判官もどうも厳粛な雰囲気を保つことは、難しかったようで すが、被害者の中には怒り狂っている人もいるようです。その一人は、「今度 誰かが私のノームを盗もうとしたら、警察には届けない。いつでもショットガ ンの準備は出来ている」と、穏やかではありません。彼は10個のノームの弁償 代金として、500ポンド要求しています。10万円くらいですから、高い。理由 は、それらは豪華で、ベルギー製でグラスファイバーで出来ていたからという ことです。

このGLFの活動は、以前にも多分Sunday Timesで、読んだと思います。彼らは ノームを盗んだあと、「あなたのノームは、森で平和に暮らせるように、解放 された」というメッセージを残していくのですね。彼らはバラクラバ(フード) をかぶって、記者会見したこともあり、その際は「所有者には危害は加えな い。庭のフェンスの後ろに幽閉されている小さいものを本来の自然環境に戻し てやるのが、我々の使命だ」と言っています。しかしGLF以外にも、活動をま ねしたグループも存在しているらしい。

GLFの創設者の考えでは、gnomeを庭に置いておくことが、悪趣味と通俗さの現 れであり、美的感覚を害するものだと言うことのようです。持ち主たちは、戦 々恐々して夜になると、家の中にしまい込んだり、番犬を飼っているとか。ま た一部自警団みたいな組織も作り始めたようです。

さらにいろんな解釈が行われているようです。反ノームの感情は、ナチス以来 の歴史を持っているとか、階級対立の象徴をここに見る人もいるようです。

しかしこうした事件のおかげで、フランスのノーム売り上げは10倍にも増えた とか。GFLにとっては、このニュースはあまりうれしくないようで、人々は彼 らの主張を間違って受けとめていると、苦り切っています。

日本にもノームはいるのでしょうか。田の神、地の神がいることは確かなので すが。(^o^)



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