インドの悪漢、自分の罪業に涙す(10/26)


The Sunday Times 10/26のWorldからの記事です。

*India's bandit king weeps and repents by Stephen Grey

インドからの記事ですが、これも不思議と言えば不思議な記事です。インド で、119人を殺して、重要指名犯として懸賞金もかけられている盗賊が、今ま での生活を悔い改めて、自首するとか。彼は当然獄中生活を送るでしょうが、 死刑判決は予想していないらしい。2年くらいで自由になると期待しているら しい。インドは、死刑制度を廃止しているのでしょうか。前にフランス人連続 殺人事件の犯人がタイから逃れて捕まり、優雅な刑務所生活を送ったのもたし かインドだった。釈放されたときの記事を読んだわけですが、彼が釈放後、書 く本は既に高額の契約金が予定されていましたが、まだ本は完成しないのか な。

先週の木曜日Koose Maniswamy Veerappanは、政府の科学者を含む6人の捕虜を 釈放したときに、投降して刑務所に入る用意があると言った。彼は山賊王 bandit kingと呼ばれ、過去20年にわたって数百万ポンドがその捜索に費やさ れ、1000人以上の警官が南インドのKarataku州とTamil Nadu州にまたがって、 ジャングルを追跡していたとか。10万ポンドの懸賞金も、その首にはかけられ ているが、あまり効き目はなかった。

彼の残虐ぶりは伝説的なもの。娘が生まれたとき、所在地を知られるのをおそ れて、生まれたばかりの娘を殺したとか、32人の警官・10人の森林監視員・77 人の村人を殺したが、その殺し方は残虐で多くは手足や首が切断されていたと か。

その彼が捕虜を通じて自己の間違いを認め、神の裁きを受けると宣言したわけ です。しかし警察側は疑っている。前にも投降をほのめかしたが、その条件は 彼の映画を作るという風変わりなものだった。今回の条件は野外の刑務所に収 容されること、2年間以上は刑務所に収容しないと言う保証だそうです。しかし Karataku州とTamil Nadu州の首相は、既に話し合うことに決めたようです。今 回は来週木曜日までに投降しなかったら、血の海になると両州政府が警告した ことも原因かもしれませんが、それにしてもこうした取引が可能だということ が、やはり日本の常識では考えられない。

残虐な事件を起こしているにも関わらず、低カーストのインド人にとっては、 彼はロビン・フッドのように見えるそうです。白檀の密輸で稼いだお金を、貧 しい村に寺を作る資金としてわかち与えている。彼はこうしたイメージを持っ て逮捕され、2年くらいで保釈されたら、と願っているようです。

私たちから見ればあり得ない世界ですが、なにしろインドは山賊の女王 Phoolan Deviの国。彼女も同様な経歴で、今や国会議員。日本でもその自伝が 出版されましたし、映画も完成したようです。Veerapanが、彼女同様政治の世 界でcareerを求めてもなんら不思議ではないのかもしれません。Karataku州の 首相の言葉も、必ずしもその可能性を否定してはいないようです。



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