労働者の騒動が続く中国(10/19)


The Sunday Times 10/19 WORLDからです。

*China hit by wave of worker unrest by Michael Sheridan

中国政府がもっとも恐れる労働者の反抗暴動が起きているようです。政府はひ たすら隠そうとしていますし、なかなか外部には漏れてきませんが、これはそ のレポートです。

中国のストライキ・暴動をwatchしている労働組合活動家で亡命者のHan Dongfangによれば、「中国の労働状況はいつ爆発するかもしれない時限爆弾だ そうです。The labour situation in China is a timebomb waiting to explode.

故とう小平の故郷、四川省のZigongで、1000人の労働者たちが参加したのは10 日前。主要道路を封鎖し、未払い賃金の支払いと賃上げを要求したようです。 Zigongの工場労働者の1月の賃金は、3.80から7.60ボンド。1ポンド200円だと すると、約800円から1600円くらいです。これには住宅手当と、食料手当は含 まれていないようですが、安い。TIMEで読んだばかりのインドのDalitの2400 円には、その労働内容からいっても絶句しましたが、さらに安い。もちろん物 価事情が違うといえ、やはり相当に低い。しかもこれが数カ月の未払いですか ら、労働者が怒るのも無理はない。

失業・工場の破産・合併、さらに閉鎖と新しい株式保有制度の導入。多くの中 国人にとって、経済改革は一部腐敗した官僚を利するだけだと写っているよう です。先月の第15回党大会で、経済改革の旗を掲げ、今月末からのクリントン との会談に望む沢択民ですが、なによりもこの労働不安を一番恐れている。12 億の潜在市場の魅力にまけてか、中国の真相はHanのような活動家の手を通し てしか漏れてこない。彼は、香港沖のLammaという小さな小島に半分亡命した 形で住んでいるらしい。このへんはよく分かりませんが、中国側も1国2制度の 建前上、手を出せない?  それともこれはあとの記述と併せると、中国領土 外? 毎週彼がホスト役を務めるRadio Free Asiaの番組に、危険を犯して中国 国内から中国内部の生の声が届く。

中国共産党の幹部とその一族が、莫大な財産を築いていく中で、労者たちは 何の保証もなく路上に投げ出される。だからかつてだったら信じられないよう な出来事も起きている。同じ四川省のMianyangでは、14万人の失業者がいる が、絹工場のボスの汚職に怒って、緊張が高まっている。彼は住宅修理基金を 着服し、それを複数の貿易会社に投資したようですが、それらの会社は破産し てしまったようです。1万から10万の人が2日間にわたって抗議運動を続け、数 十人規模の逮捕者と負傷者がそれぞれ出たようです。

さらに省都のChengduでは抗議運動に対し、警察がデモに介入せず、多くの役 人は同情的だったとか。香港隣接地域の景気のいい台湾企業でもこうしたこと は起きている。

中国政府によれば、都市部の失業者数は563万人で、労働人口の約3%。しかし 政府発行(? official magazine)の雑誌、Outlookによれば、それぞれ1555万 人と7.5%。Hanや他の研究者によれば、都市部で3000万人の失業者がいる。さ らに経済改革で、2000万人以上が職を失うと予測されているし、農村部からの 1億3000万人の出稼ぎ的な移動労働者がこれに加わる。ある中国の経済学者 も、全国規模では1億5000万から1億6千万の失業者を予測し、どうやったら社 会の安定が保てるのかを、最近書いているようです。

国営企業の民有化に当たって、政府はこれらの会社の株式購入を奨励している ようですが、それらの多くはsunset industries。将来の可能性はあまりな い。

そして今年初め、北京で起きた2件のバス爆弾事件は、ウィグル独立主義者の 仕業とされていましたが、どうやら失業労働者たちが起こしたもののようで す。中国公安部も大体認めている。Hanのいう時限爆弾が既に秒読みに入った のかもしれない、と記事は結んでいますが、もし本当ならこれは大変ですね。 ここで書かれているのが、四川省などの一部だけなのか、それとも全土的なも のなのか、気にかかります。



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