Sunday Times 9/21


みなさん、こんにちは。

少し遅くなりましたが、今週号のThe Sunday TimesのWorldの記事を読んでみ ました。FOCUSと併せて、15の記事が読めます。途中で、10KBを越えましたの で、2回に分けてUPします。

数字は、目次の順序の通りです。

1. Jiang's revolution begins
Beijing sets out for privatisation

江沢民に率いられた中国はどこに向かうのか。イランやパキスタンに核兵器関 連の輸出をしないことを決めたようですし、江沢民の10月末のワシントン訪問 を控えて、平和的な側面を見せているようです。しかし軍部の一部には、唯一 の超大国アメリカに対して恐るにたらずという空気もあるようです。イランへ は相変わらず、物資と技術が流れているとも言われていますし、このへんは情 報がいろいろあって混乱します。

しかし国営企業の株式公開とともに、富めるものはますます富み、貧しいもの がますます貧しくなっているのも事実。さらに1億とも言われる潜在的失業者 をどうするのか。資本主義という言葉は使わないで、急激な経済改革を乗り切 ろうとしているようですが、はたして出来るのか。汚職も広がっているようで す。政治的自由を求める声は高くなっているし、1987年から村レベルで実施さ れている選挙制度が郡レベルまで適用される。これと経済不満が重なったと き、江沢民は乗り切れるのか。

2. Old man's sad wave tells the nation of change
Qiao's fall from grace interpreted by western political analysts as a setback for efforts to bring about legal reform in China

Qiao Shiの引退について。いろんな噂が飛び交っているようです。

3. Defiant family bury driver with honour
Family hold public funeral ceremony so as to advertise their loyalty to their son,Henri Paul

Dianaの車を運転していたHenry Paulの葬儀が、南ブリタニーのLorientの町で 営まれました。Paulの家族は、混乱を恐れて警察の警護を要請したようです が、それでも愛するPaulの名誉のために、public ceremonyを実施したようで す。彼の悪評が全世界に広まっても、彼が愛するPaulであることは、両親や親 族などの彼の身近な人にとっては変わらない。しかし謎はやはり残る。テレビ などで報道されているのとは少しニュアンスが違う。あの夜責任感の強く、職 務熱心なそしてスピード運転が嫌いな彼に何が起こったのか。彼が運転する直 前に話をした人たちは、彼からアルコールの臭いはしなかったという。しかし 警察発表は明らかに違う。

4. Winnie to be quizzed over eight deaths
Outcome of questioning could determine whether she achieves her ambition of ascending to the country's deputy presidency

南アフリカのマンデラ大統領の前夫人Winnie Mandelaが、8件の殺人事件に関 して取り調べを受けるようです。以前は2件だけと思いますから、新たな疑惑 が出てきたのかな。しかしこの人はANC主流部から嫌われているにも関わら ず、人気があるのですね。ANCの副議長(?deputy president)に就任するキャン ペーンをやっているようですし、最終的には南アの副大統領の地位を狙ってい るようです。ただ誰もが、多かれ少なかれWinnieが殺人事件に関係していると は思っているようですし、かりに彼女がANCの副議長選挙に勝ったからといっ て、そのまま副大統領というわけには行かない。

5. Boy beats 2000 computer bug
Nicholas Johnson, 14, has invented a program to defuse the "millennium timebomb"

computer bugの2000年問題に、関して14才の少年がそれの解決策となるプログ ラムを開発したということです。2000年に数百万台のコンピューターをシステ ムダウンさせる問題は、この会議室でもいろいろ話題になっていましたが、14 才のNicholas Johnsonの開発したものによれば、そうしたmillenium timebomb を無効にするものだとか。Beyond 1999というこのプログラムは、コンピュー ターが1999年12月31日から2000年1月1日にうまく切り替わるかどうかをチェッ クし、もしそれが出来なければその部分を正しく調整するものだとか。これは 最初ビジネス雑誌に載り、CNNで世界に広まったようです。一部では、疑問視 するむきもあるようですが、既にDigitalなどが、彼に接近を計っているよう です。もしこれが正しければ、朗報ですね。

6. Britain gets Clinton's 'pain broker'
アメリカの新しい駐英大使Philip Lader の記事。

7. Pentagon sees its worst nightmare on film
America's top security officials watch Hollywood dramatising the threat of nuclear terrorism

Steven Spielberg制作、The Peace Keeperの試写会が軍関係者を招待して行わ れた。この映画は、西側諸国に向けて使用するために核弾頭をロシアから盗む テロリストの話。実際に起きたら、アメリカのみならず世界にとっても悪夢と なるでしょう。しかし実現の可能性がないわけではない。ロシア軍内の緩やか な核管理、志気の低下、混乱ぶりを考えたら、ストりーの展開は説得力があ る。この映画のモデルでもある、核拡散の専門家Jessica Sternの言葉によれ ば、 "Some nuclear equipment in Russia is stored in gym-typelockers, secured with the equivalent of bicycle padlocks," ということだそうで す。その道の専門家ならば、不可能じゃないということでしょう。映画はもち ろん、最後の最後で核弾頭を役にたたなくして、New Yorkは核の冬の恐怖から 救われます。現実に起きたら、大パニックで解決策が見つかるのかな。

YUKI


みなさん、こんにちは。

Sunday Times 9/21の続きです。

8. Kohl awaits hammer blow from Hamburg

21日に行われたHamburgの選挙結果がKohlに与える影響は?

9. Congo curses name of Kabila, the liberator
Congo may unravel unless Kabila gets western aid to meet his pledges

Mobutuに代わって新生コンゴの支配者となったKabila。しかし既に国民の間に は、彼に対する失望・抵抗が広がり始め、治安も悪くなっているようです。も ちろんこれは30年にもわたるMobuts独裁政権のつけも大きく、彼だけの責任で はないのですが。豊かな天然資源に恵まれながら、国民総生産の2倍に当たる 140億ドルの国際負債を抱えているコンゴの経済再建は、西側先進国の援助が なければたちゆかない。しかしルワンダのツチ族が、多数派のフツ族を追って 多量の虐殺事件を起こしているのを始め、Mobutu政権当時の軍人たちも多数収 容所に入れられて、そのあまりの酷さのために死者が毎日出ている始末。西洋 諸国は、事件解明をしないまま援助を続けるか、それとも原則に従うかのジレ ンマにたっている。モブツ政権には与えた援助を無視し続ければ、反乱などが 起きて混乱するでしょう。コンゴ内部の250の部族が、お互いに争っていると ありますが、これが小国ルワンダのツチ族がカビラ政権内で、何故大きな役目 をになっているのかの鍵になりそうです。これが今までよく分からないことで した。

10. Men on the march worry US women
Army of fundamentalist zealots call Promise Keepers to restore men to their traditional role at the head of the family

アメリカの男性中心主義を唱える原理主義者の集団Promise Keepersをめぐる 話題です。この宗教的右翼ともいえる集団が、きたる10月4日にワシントンで 大集会を開くようです。1995年のLouis Farrakhanの開いた黒人集会の再現を めざしているようです。

この組織は、神の前の男性の優位を主張しているようで、「妻たちは神に従う がごとく夫に従わなければならない」という使徒パウロの言葉を信条としてい るようです。大声を出したり、木を抱いたり、輪になって手をつないだりとい ろいろ奇妙な儀式も持っているようです。こうしただけなら別にかまわないの でしょうが、racismとhomosexualに対する暴力など激しい活動も提唱している ようですし、なによりも民間の武装軍事組織とつながりを持っているし、ある いは軍隊内部にも影響力を広げつつある。資金力も豊富ですし、少し気になり ます。armed military groupsの起こす事件はTIME/Newsweekでもよく見かけま すから。

US Newsにも関連記事が載っています。

11. First daughters dodge cameras
When Jacques Chirac visits Moscow this week all eyes will be on the presidents' daughters

シラク大統領が今週、ロシアを訪問するようですが、両国大統領の陰で実力を 蓄えてきているのが、First Ladyならぬ娘たち。エリツィンの娘、Tatyanaの ことは、いろいろ話題に上りますがシラクの娘Claudeの方は初めて読みまし た。しかしこの2人のFirst Daughtersは、以前から親交があるようで、タチヤ ナが公職に就くことを渋っていたとき、励ましたのもClaudeだとか。The pupils has overtaken the master.と書かれていますから、彼女たち急速に実 力をつけてきているようです。特にタチヤナの権力はフランスでは考えられな いほど大きいようで、本文でもThere are many doors to Chirac, but to Yeltsin there is only one, and that is Tatyana's.と、皮肉られていま す。

12. Jailed Byrd blocks path of Bush Jr
Unsettling case casts sinister shadow over the rapid rise to presidential reckoning of George Bush Jr

12年前に発生した強姦事件が、2000年の大統領選をめざすテキサス州知事 George Bush Jr.の野望をくじくかもしれない。黒人男性Kevin Byrdは1985 年、25才の女性の強姦事件で逮捕された。人種問題がからんでいると書いてい ますから、女性は白人なのでしょうか。被害者の女性がByrdを犯人と証言し、 全員白人の陪審の票決の結果、彼は今なお獄中にあるわけです。ところがDNA 鑑定の結果、彼はどうやら無実らしい。弁護側はもちろん、検察も認めてい る。ただ被害者の女性が依然として、彼を犯人と信じているようです。ちなみ にこの女性は、最初犯人を白人と言っていたのが、後に法廷で自分の証言をひ っくり返した。さらに4カ月後、grocery storeで見かけたByrdを犯人と証言し たようです。とにかく多くの人にとっては、彼が犯人でない。しかし州知事の BushはByrdの釈放を認めなかった。

何故か。これは父George Bushが大統領選に当たって、同様な事件で、民主党 のMichael Dukakisを攻撃したことが頭にある。Busfき犯罪の取り締まり強化 を公約し、Dukakisを犯罪に甘いとと攻撃したのですね。Bush陣営は、レイプ 犯人の写真を繰り返しテレビ広告で流しては、Dukakis陣営に打撃を与えたわ けです。だから、ここでByrdを釈放することは、同じような批判を今度は自分 が受けることになる、というわけでしょうか。この辺の人権感覚も日本人には 分かりませんが、どちらにせよ、可哀想なのはByrd。彼は、ただ次のようにい っています。"I hope he does the right thing." 政治と人種の波に翻弄さ れているようです。

13. Israel opens 'Rambo academy' to train troops for guerrilla war
Israeli army has established a secret academy to school its troops in the art of guerrilla warfare

イスラエル軍が、ゲリラ戦に備えて本格的なacademy訓練所を作るようで す。「ランボー学園」というわけです。ネタニヤフは相変わらず、危険な綱渡 りをしていますし、特にイスラエル国内に衝撃を与えたのが、今月はじめのエ リート部隊12人の死亡時件。南レバノンに侵攻した彼らは待ち受けていたヒズ ボラによって、殺戮されたわけですが、特に国民に衝撃を与えたのが切断され た兵士の頭が、(ヒズボラの)パレードでさらけ出されたとき。イスラエルの緊 張は相変わらず高いようです。Ras al-Amoudの住宅地を買い取って、原理主義 者を住まわせたMoskowitzの話は、ここでも載っています。Ras al-Amoudが、 パレスチナ人にとっては将来の首都と位置づけられる地にあるだけに、ここで イスラエル政府が立ち退きをうまく実現させなければ、暴発の可能性もある。 イスラエル国民の70%は、現在の平和交渉の行き詰まりに不満なようですし、 ネタニヤフ辞任を求める就任以来最大規模の5万人の集会が、テルアビブで開 かれた。

14. Village puts on a show to rival Paris
Kirrwiller, a sleepy Alsace village, is staging Lido-style topless cabarets

フランスのアルザスの人口わずか450人の寒村に、パリの豪華ショーにも匹敵 する Lido-style topless cabaretが出来た。1000席のコンサートホールもあ るようですし、値段がパリの3分の1と安い。フランス・ベルギーはもちろん、 国境を越えたドイツからも大勢の観光客が来ている。ショーはsmuttyではな く、上品だとか。この地は厳格なプロテスタントが住んでいるところのようで すが、これは雇用・観光をてこに経済再生をねらう地元に歓迎されているの か、あまり批判はないようです。

15. Inside Moscow - Mark Franchetti
Yeltsin's wife comes out of the kitchen; Mayor promotes Kiev's attractions; Mir milks ad potential

モスクワ情報。Sunday Timesは外国の情報をこうして毎週載せています。今ま でにもパリとモスクワは見たことがあります。その中からいくつか。

*エリツィンの妻、Nainaが新しい国営チャンネルのCuluture Televisionのco- chairma役を引き受けるようです。Nainaは今まで、あまり表には出なくて、家 庭内にあった大統領を支えてきたようですが、なかなか人気がある。この点は 目立ちたがりやだったRaisa gorbachevとは対照的。Raisaの前例もあることで すし、批判する声もあるようですが、salt-of-the-earth的イメージの彼女 は、西側のsoap operaからロシア文化を守るには、最適だとか。エリツィン夫 妻は、highbrowな趣味はないので、Raisaみたいにロシア文化論をとくとくと 話すようなことはないかもしれませんね。

*Kievのホテルは魅力に乏しいらしく、最近開かれたミス・ヨーロッパのコン テストでは、Miss. WalesとMiss Englandとmiss Irelandが(すぐに)自国に返 してくれと言ったとか。それに対して市長のことば。「キエフには世界のどこ でも見られない夏着姿の美しい少女や女性がいる」

*Mirの前の司令官がイスラエルの牛乳会社の広告に出たようです。ロシア側は 45万ドルを要求したようですが、これは修理の費用もままならないMirのため に使われるようです。もしも、Mirが地上に落下しなければの話だが、という ことです。

今週のThe Sunday Timesの感想は大分長くなりました。もう少し選ぶ必要があ りますね。

YUKI



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