ローゼンベルグ事件の真相(8-24)


みなさん、こんにちは。

The Sunday Times August 24のBritain欄の記事からです。

* KGB let Rosenbergs be executed to save Philby

冷戦下のアメリカで、ソ連に核情報を流したスパイとして処刑されたローゼン バーグ夫妻のスパイ事件の真相が明らかになってきているようです。世界に は、この事件で夫妻は無実だと信じる人たち多かったようです。私は、あとか ら本を読んだだけですが、この記事を読む限り、やはりえん罪の可能性が高 い。

夫妻がKGBの周辺にいたことは事実としても、少なくとも、死刑に当たるよう な機密情報は知り得なかったし、当然流していない。しかしより大物のスパ イたちを救おうとする、ソ連側の犠牲になったというのが真相のようです。

Phillip Knightleyの新しく出た本、A Hack's Progressの中で、事実が語られ ているようです。

それによるとワシントン駐在の秘密情報部(SIS)の連絡将校Kim Philbyを救う ために、夫妻は犠牲になった。PhilbyはKGBとイギリスの二重スパイdouble agentだった。彼はモスクワとNYのソ連領事館の無線通信のアメリカ側解読装 置Veronaに近づける立場にあった。そして仲間のソ連スパイたちにFBIの捜査 が近づいてくることを知った。

しかしKGBの彼の上役は、仲間のソ連スパイ全員には知らせるなと命令。情報 が漏れたことをFBIに悟られないために、あえて一部のものを犠牲にした。そ の結果ローゼンバーグ夫妻には、知らされなかった。夫妻は、ほんのminor couriersで、大した情報も持っていなかったし、原子爆弾に関する秘密情報収 集に当たっていたソ連側の組織とも、接触がなかったからということのようで す。アメリカ側はVenoraの存在が知られるのを恐れて、夫妻から他の組織メン バーの情報を得ようとしたが失敗。夫妻は電気いすによって処刑される。これ はPhilbyにとっても、KGBにとっても誤算だったようです。

この結果名前が漏れなくて助かったソ連側大物スパイにはイギリス人外交家 で、ケンブリッジスパイリングのメンバーdonald Macleanがいます。彼は1951 年にモスクワに逃げた。

他にPercyとだけしか知られていない、アメリカ人の有名な原子科学者がい る。彼はまだ生きているが、西側は彼を捕まえていない。

他に救われたものに、Morris and Lona Cohenがいる。Portland海軍基地での スパイ活動に従事した、彼のことは私は読んだことがあります。名前までは覚 えていないが、たしかに彼らのはずです。古本屋にばけて、ロンドン郊外に居 を構えていた上品そうな2人。いくつかのスパイ事件を一緒にした、Reader's Digest社の分厚い本で読んだことがあります。大分前のことですが、どうにか 読み終えて、面白かったことを覚えています。

Cohen夫妻は1969年にソ連に逮捕されたイギリス人講師と交換するという形 で、釈放される。ソ連政府はPercyの存在が漏れるのを防ごうと必死になっ て、Cohen夫妻の釈放には努力したようです。その結果、イギリス政府はこと の重大性を認識しないまま、交換に応じてしまった。Knightleyによれば、冷 戦下のもっとも重大な間違いの1つだったそうです。

それにしてもイギリスの上流階級には、ソ連のスパイが多い。さすがに007の 国だけあります。

しかしローゼンバーグ夫妻は犠牲になった。私は夫妻が処刑される前に、息子 たちにあてて、自分たちの無実をせつせつと訴えて書いた遺書のようなものを 読んだことがあります。内容はかすかに覚えているが、さすがに文面までは思 い出せない。かなり感動的な文章でした。

YUKI



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