Sunday Times 8/3


05684/05684 YHJ00031 YUKI Sunday Times 8/3 その1 ( 2) 97/08/04 11:28

みなさん、こんにちは。

The Sunday TimesのAugust 3のWORLDの記事からです。今週は比較的少なく、 13個の記事が読めます。

1. Miraculous escape of man buried alive
Two days after landslide rescue workers in Australia's Snowy Mountains hear sounds of 27-year-old
2日前オーストリアのスキーリゾート地を襲った雪崩で、全員が絶望とみなさ れていたようですが、奇跡的に27才のスキーインストラクターが救出されたよ うです。彼の妻も含め残り12人はほぼ絶望的(死者・行方不明者は19人のよう です)。10メートルも雪がつもっていたところもあったようです。2人の paramedics落下傘部隊軍医は、雪崩の危険があるにも関わらず、雪の下から聞 こえてくる声に向かって励まし続けたようですし、100人の救助隊も人手を頼 りに発掘を進めたようです。危なくて機械は使えなかったのでしょう。なかな か劇的なドラマが展開されたようです。救助された人はa volunteer fireman としても働いていたので、彼自身が創作救援活動には慣れていたようです。

2. Ski instructor saved by super-fitness
Australian miraculously pulled from landslide rubble probably owes his life to survival training
1で救助された青年は、日頃からいろんな句な連をしていたので助かったとい うことのようです。

3.Israel poised to launch snatch raids
Commandos undergoing intensive training for possible raid deep into Palestinian territory
イスラエルはMahane Yehuda marketで15人の死者と156人の負傷者を出した先 週のdouble suicide bombingに対して報復のsnatch raidを考えているよう で、そのための訓練中。和平のための交渉は完全に中断しそうです。どうやら 既にイスラエルの工作員はパレスチナ領土深く潜入した模様で、反対意見があ るにもかかわらず、ハマスのリーダーの誘拐・暗殺、あるいはパレスチナ警察 長官のGhazi Jabaliの逮捕があるかもしれない。アラファトは何もできない。 犯行声明を出したハマスはもちろん反省の色なし。ハマスのリーダーの言 葉。"Give me one good reason why they should not. We have hundreds, thousands, of people who are ready to become martyrs when the time will come. We are never short of people who are willing to sacrifice themselves."

2人の犯人に関しては、DNA鑑定の結果最初言われたハマス活動家ではない可能 性もでてきた。ハマスの一部が指導部とは関係なく暴走した可能性もあるよう です。いずれにしてもイスラエルの軍事行動次第では、戦争の可能性も否定で きない。

4.Britain bolsters drive for peace
Intense period of diplomatic activity to try to restart stalled Middle East peace
一方中東和平を中断させない動きも水面下で続けられている。今まで訪問を控 えていたオブライト長官も自ら行くかもしれない。しかしあるアメリカ高官の 言葉。"With all the hate out there right now, Jesus himself couldn't get them talking peace." たしかにイエスだけじゃ解決できないかもしれな い。モーゼとマホメッドが乗り出さなくては。 (^o^;

5.India's lost leaders turn eyes on a new Gandhi
Congress Party hoping Priyanka Gandhi will lead the country into the next centuryガンジー王朝復活なるか。独立50周年を祝ったインドの、政界の 中心であった国民会議は現在572の国会議席の内140を占めるだけ。どうもそう した不振の救世主として期待されているのが、故ラジブ首相の26才になる娘。 当のPriyankaも乗り気なようで、国会議員の議席をめざしているようです。" It was always Priyanka Gandhi that people remembered. Tall, palely lovely, the nimbus of Nehruvian power already beginning to settle around her."彼女は結婚していますが、ガンジーの名前は捨てなかった。1才 上の兄もいるみたいだし、現在は夫を手助けして、宝石業・レストラン事業な どの計画があるようですが、パイロットから政治家に転身した父の例もあるこ とですし、どうなるかわかりません。

6.Flooding adds to Kohl's tide of woe
Facing a slump in support, Helmut Kohl must now deal with Germany's worst floods this century.
27年間1カ月間の避暑休暇を取っていたコール首相も今年はどうやら満足な休 暇はとれないらしい。支持率低下、ヨーロッパ連合の単一通貨をめぐる、党内 の不満、そしてなかんずくドイツを襲っている大洪水。大洪水は今世紀最大の もので、テレビからは breathless nightly reports が続いているようです。 しかし関心は既に、これのもたらす結果に移ってきているようです。統一通貨 に参加するための条件はかなり厳しいのは、よく報道されていますが、この洪水 がドイツ政府の財政改革の最後のチャンスをつぶし、その結果通貨統合の将来 に影響を与えるのでは、というわけです。既に社会民主党の反対で税制改革の きっかけをなくした。それに何よりも来年秋の総選挙に向けての準備が遅れて いるし、15年目の政権交代の可能性もでてきた。旧東ドイツで発生した今回の 洪水に関しては、政府の失策を批判する声は少ないが、社民党・環境政党はす でにこのチャンスを見逃すまいとしているようです。

7.Weighty problems for the little emperors of China
China's one-child policy is creating dangerously overweight children. 中国の一人っ子政策の結果、甘やかされたlittle emperorの異名を持つ子供た ちがどうなっているか。親たちは大躍進時代の飢餓を経験しているため、甘や かされ必要以上に食料を与えられ、太りすぎて彼らの健康問題が生じている。 最近のNEWSWEEKでも取り上げられていましたね。経済成長もあって都市部の肥 満児の数は毎年10%増えているようです。

8.Inside New York - Tony Allen-Mills
Queer goings-on deter Powell from academe
地盤沈下の激しいNew York市立大学が、新しい総長を決めるに当たって、湾岸 戦争の英雄であり、卒業生でもあるColin Powellに白羽の矢を立てたのは当然 でしょう。Powell自身も著書の中で、貧乏学生だった彼に授業料免除してくれ たCUNYには感謝しますから。ところがPowellは先週この申し出を断ったようで す。表向きの理由は理由はクリントンの押し進める教育改革 America's Promiseの活動に忙しいから、ということのようです。But some New Yorkers wondered if his decision might have been influenced by masturbation and Jane Austen. 何が何やら分からない文ですが、あとにその理由が書いて ありました。Quite apart from recent political controversies over flawed teacher-training programmes, dismal pass rates and inflated grades, CUNY has earned a reputation as America's leading academic hotbed of lesbian and gay research. どうやらThe Village Voiceがその中 心のようですが、ここにAustenの小説を独特の理論で解釈しているらしい名物 教授、Eve Kosofsky Sedgwickが来るようです。この人TIMEでnutty professor と言われた人とありますから、Highway 50の記事でGreenyさんが前に言ってい た人かもしれない。North Carolinaの教授とありますからちょっと気にはなり ますが。将来の政界入りをねらうPowellはあまりこうした問題には深入りした くないらしい。

9.Put to flight by sake louts
Alarming upsurge in number of Japanese passengers getting drunk and attacking airline staff
日本人の飛行機内の酔っぱらい乗客が増加しているというあまり面白くない 話。酔っぱらっているだけならいいのですが、暴力を引き起こす人も多いよう です。 China Airlinesで台湾のスチュワーデスに暴行を働いた20代後半の女 性やら、Northwest Airlinesの女性flight attendantの背中をけった男性の話 が紹介されています。こんな例は珍しいことではなく、JAL内での暴行事件の ほとんどが日本人乗客の起こしたもの。これは他の血airlineでも同様だそう です。sake samuraiと表されていますが、その原因もいろいろ書かれていま す。個人旅行者が増えたからだとか、旅の恥はかきすての意識とか、日本社会 のストレスがたまっているとか。

10.Khmers try to bury their evil with Pol Pot
Architect of terror in Cambodia sentenced to life imprisonment Pol Pot裁判の様子と今後。クメールルージェは、ポルポトを国際法廷に引き 渡すつもりはない。外国製府にもそれを求める動きはない。だから、Pol Pot はかつての部下に捕らわれたまま死を迎える。大虐殺の真相も明らかにならな い。しかしこれで彼と彼の集団が犯した非道な犯罪が消えたわけではない。ま してや彼を裁いたクメールルージェの犯罪が許されたわけではない。Pol Pot 一人に罪をかぶせることは出来ないし、徹底した真相声明と責任追及がなされ なければならない。

11.Russian fat cats buy a touch of British class
Moscow's "new Russians" aspiring to join British aristocracy in attempt to bury their humble roots
物質的富を手に入れたロシアのマフィアたちが次にねらうものはイギリス貴族 並の名誉。そのためにイギリス貴族の邸宅を買いあさっているとか。ロシアの 貴族の称号は国内で地に落ちているから、最初から眼中にはないようです。い くつかのアイルランドやスコットランド貴族のtitle(多分土地財産所有権のこ とです)も既に彼らの手に渡った。他にもcoat of arms紋章付き陣中着などの 財産なども買われているみたいです。どうやらこれらのロシア人貴族は 1,60 0-strong Manorial Society of Great Britainになる資格は手にはいるらし い。彼らの過去を消すためには安い買い物かもしれません。彼らの一人が言っ ています。 "We are not all mafia-connected thugs. Some of us have a good higher education and have spotless business reputations. That to me is more important than money and that is why I want a title rather than a flashy car to show off. It's a question of prestige."

12.Rudy vs Ruth, last New York liberal
Best-known woman politician in Manhattan set to become New York's first female mayor
今回はNYからのレポート。最初の女性市長の座をねらうRuth Messingerと現職 のRudolph Giulianiがタイトルになっています。

13.Peruvian president may be forced out for being 'Japanese import'
Peruvians want to know one thing. Where exactly was their president born?
5人の閣僚が辞職し、街頭の抗議デモは激しくなり、支持率低下に悩むフジモ リ大統領。彼はどこで生まれたのか。もし日本で出生したのなら自動的に大統 領資格を失う。スキャンダル続きの政権ですが、はたして乗り切れるかどう か。

今回はイギリス国内版に面白い記事が多かったようです。日本でも関心をもて そうな記事が結構ありました。次にはそのいくつかを読んでみます。

YUKI


みなさん、こんにちは。
August 3のThe Sunday TimesのBritainからの記事を読んでみます。今週はな んと37個もの記事が読めます。これは単行本1冊の分量ですね。その中で面白 そうな記事を読んでいきます。なおタイトルの最初に書いてある番号は、目次 で書かれている順番に私がつけたもの。

1.Patten faces prosecution in MI6 probe
Former Hong Kong governor alleged to have leaked classified documents 香港総督だったChris Pattenのスキャンダルが持ち上がったようです。香港の 将来を決める中国政府との秘密取り決めの文書をもらしたというもの。既に 007で有名なMI6の調査を受けたようです。

自分の香港統治時代の5年間を描いたThe Last Governorの著者、Jonathan Dimblebyに国家秘密をもらしたというのが疑われているようです。彼はこの本 を書くために、Pattenからunprecedented accessの権利を与えられたようで、 その中には1980年代半ばの秘密文書もあるようです。これはわざわざPattenが イギリス外務省から、中身をもらさないことを誓わされ、読み終わったら破棄 処分にすることを誓ったもの。文書からの直接引用はないものの、その文書を 読んでいなければ知り得ない事実が次から次に書かれているようです。

本の中ではPattenは前外相のLord Howe、Pattenの前任者Lord Wilson ofTillyorn, そしてサッチャー政権の中国問題顧問 Sir Percy Cradockの3人 を中国と共謀した責任者として批判しているようですが、どうやらこれらの人 物から告発されたようですから皮肉なものです。Patten側からは、外務省の Hong Kong mafiaの陰謀だとの説も流れているようですが、どうでしょうか。 しかしどうやらこの騒動の口火を切ったのはThe Sunday Timesが、July 6で Dimblebyの著書の独占公開(? exclusive extract)をしたことだったようで す。香港返還をめぐってはかなり根深い対立があるようです。

8.Young career women choose sterilisation
Record numbers of women want freedom to pursue careers, independent lifestyles and sex without risk

20代のキャリア女性で不妊手術を受ける人が増加しているという話題です。そ の理由としては、キャリア指向、独立した(個人的?)ライフスタイル、それに 妊娠の心配のないSEX。手術は不自然で将来後悔するぞと言う、医師や家族の 忠告にも耳を貸さないようです。去年1年間だけでもNational Health Servic e(公共の病院でしょうか)の範囲内で400人が、その手術を受けたとか。より小 規模の個人クリニックでの手術数は把握できないが、これより大きいことは確 か。彼女たちの多くは10代で、手術を受ける決心をして、手術後は開放感から からほっとするようです。この手術を希望する女性の数は増え続けているよう ですが、NHSでは手術を断られる人も多いため、密かに受ける人も多いとか。 大体が子供嫌いの女性のようです。様々な女性の例が紹介されています。

18.Widow to have her husband's child 3 years after his death
A widow who conceived using her dead husband's sperm is due to give birth within days, almost three years after he died from cancer.

こちらは夫がガンで死んでから3年たってから、彼の精子によって妊娠した女 性の話です。数日内に子供が生まれるみたいですね。この35才の女性はNHS の 病院で出産するようです。前にも似たようなことがあったようですが、そのと きのDianne Bloodは生前に夫の許可を得ていなかったために、認められなかっ たようです。

23.Max, Kirsty, you're very bad children
Teachers often judge whether pupils are well behaved or disruptive according to their names

先生は子供たちの名前でいい子か悪い子か判断することがあるという信じられ ない話です。Mark, Neil, Max, Rebecca, Kirsty, Hannahが乱暴な子供の名前 だとか。Edward, James, Fiona, Annabelが良い子の名前だそうです。ランダ ムに選ばれた中学校の先生の3分の2が、生徒の名前で人格を判断し、しかも結 局それは正しいのだそうです。

さらにDarrens, Deans and Damiansという名前の子は、成績が悪いそうで す。Sunday Timesの調査では、多くの先生が試験をするよりも名前を見ただけ で成績がいいかどうか分かると答えているようです。どうもこうしたステレオ タイプの思考はかなり根付いているようです。イギリス人は常識があると言わ れますが、とんでもないニュースが時々流れてきます。シェークスピアやアダ ムスミスでイギリス人を判断していたらとんでもないことになりそうです。

それにしてもThe Sunday Timesの記事はまだまだ面白いのがあります。時間が あれば紹介します。

YUKI



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