経済小説からファンタジーへ


この1カ月間、結構本を読んだ。多分春先に読んだ本と合わせたら合計で100冊くらいの本を今年は読んだことになるのではないかと思う。もちろんその間にも何冊かの本を読んだけれども、詳しいタイトルは忘れてしまった。

いずれも日本語の本であるし、英語の本と違って気軽に読めるし、読書感想文を書く習慣は私には無いから、主にタイトルだけを書いておく。

読了日も正確な日付ではない。前後しているものもあるし、さしあたりはほとんどが図書館に返却するときに著者名とタイトルだけを簡単にメモしたにすぎない。

99-12-10
*上坂冬子 腹立ち日記 小学館  女性セブンに連載されたエッセイらしい。私は彼女の作品は処女作「職場の群像」以来、何冊かを読んでいる。少し頭が固くなってきたかなと感じるところもあるけど、まあ 大体はその意見にはうなずける。しかし世間一般からいうと十分変わっている意見ということになるらしいから、これは私の感性も少しはずれているということになるらしい。

*栗本薫 真・天狼星 全6巻 講談社

栗本薫の作品を久しぶりに堪能した。1500ページから1600ページはあるこの作品を一気に、多分4日間で読了した。このためe-mailも、少し夢中になりかけていたPC電話も全然気にならなかった。

多重人格やら、サイバースペースやら、猟奇殺人やら、彼女独特の世界を堪能できた。 伊集院大介シリーズである。少しくどいし、内容的にはかなり短くできると思うのだが、話し言葉で書けば、こんなものかもしれない。昔物語風にその雰囲気を味わいながら楽しむというのは好みが分かれるところかもしれない。

しかしサイバー空間を通じて新しい人間が生まれつつあるのではないか、という彼女の感想には私もそう思う。犯罪を含め、これからはこのサイバー空間を媒介に今までは考えられもしなかった社会現象が生じるだろう。サイバー空間を2階だての家に例え、1階の現実世界だけしか知らない人には想像もつかないことが起きているというのはその通りだと思う。ヴァーチャル空間と言っても、これは既にもう一つの現実なのだ。その現実の存在を無視しては、現代という時代はもう把握できないところまできている。

*ダニエル・スティール 5日間のパリ アカデミー出版

私が初めて読んだいわゆる超訳シリーズの1冊。私はSidney Sheldanの作品はほとんど読んでいたが、全部英語で読んだから、名前だけは良く知っていたが、そのシリーズもこの著者も初めて読んだ。まあストリーの設定は少しいい加減だと思うが、ロマンスものというのはこんなものかもしれない。

99-12-1
*ビル・トッテン アメリカは日本を世界の孤児にする ごま書房
*保田圭司 グローバルマネー 徳間書店
*日下公人・谷沢永一 けじめをつけろ! PHP
*尾木直樹・宮台眞司 学校を救済せよ 学陽書房
*岩瀬達哉 新聞が面白くない理由 講談社

このところ小説でないこうした本を良く読む。経済関係のは最新のものを読みたいのだが、あまり地元の図書館には無いようだ。しかし失われた時を埋めるかのように、数年前の本も含めて読んでいるのだが、結構脳細胞を刺激してくれる。著者たちの立場は様々だし、お互いに矛盾するような本を平気で読んだりする。最後の本は新聞界の現状についていろんなことを知った。実状がここまで私のイメージと違うとは思わなかった。

99-11-23
*竹村健一 日本の盲点 太陽企画出版
*ビル・トッテン 日本人はアメリカにだまされている ごま書房
*藤岡信勝・井沢元彦 NOといえる教科書-真実の日韓関係史 祥伝社

最後の本は最近新しい歴史観を提出している著者たちが日本と韓国の中学・高校教科書を参考にして、いろんな話題を話し合っている。現代の部分で私の常識とずれるのか、少し違和感も感じたが、基本的には教えられることも多かった。最も私の歴史の知識がかなりどこかに飛んでしまっているから、ただ一方的に教わることが多かったという方が適当かもしれない。そんなに騒がれているほど、偏見に満ちたものとも思わなかった。

99-11-16
*高杉良経済小説全集 1  生命燃ゆ・虚構の城
*高杉良経済小説全集 4  人事権!・管理職降格
*高杉良経済小説全集 6  炎の経営者・あざやかな退任

高杉良の経済小説を集中的に7冊読んだ。最初は良かったが、やはり数冊読むと飽いてきた。特に実在のモデルがいる場合には、精彩を欠くように感じられた。ときどきこうした小説を読みたくなるときがあるのだが、基本的には私の好みには合わない。どうも私が現実世界と妥協するときに、その隙間をぬってこうした好奇心が出てくるらしい。来年あたりは集中的に経済関係の本を読みたいと思っている。ただし、経済小説を読むとは限らないだろう。

*鎌田慧 日本断層地帯 筑摩書房
*村上春樹 アンダーグラウンド 講談社

この2冊はいずれも精読したわけではない。拾い読み程度である。

99-11-7
*馬場信浩 留学ウォーズ 講談社

日本人の語学留学生の実体が分かって面白かった。

*高杉良短編小説全集 エリートの反乱 社会思想社
*野口悠紀由 パソコン超仕事法 講談社

少し古いので、あまり新しい情報は無かった。PCの知識は急速に陳腐化していくようだ。

99-12-10



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