a true story of men against the sea
THE PERFECT STORM by Sebastian Junger, 299 pages
1991年9月20日1ヶ月の予定でマサチューセッツ州北東部の港町Gloucesterから メカジキ漁船のAndrea Gail号は乗組員6人を乗せて北大西洋沖へ出航した。10月 25日の昼頃最後の漁を終えて帰路に着いたAndrea Gail号は燃料不足と製氷機の故障 という問題を抱えていたので、北西の強風が吹いていたがGloucesterに向かった。当時 付近には少なくとも6艘の漁船がいたが、それぞれ嵐を避けて進路を北に変えるか、待 機をしていた。28日の朝Andrea Gail号はSable Islandの南にいたが嵐はますます激 しくなってthe Beaufort Scale12を記録した。最大波の高さは45feet,73milesの 風速を記録して100年に1回起こるperfect stormとなった。ここでAndrea Gail号 は北の冷水域へ進路を変えたが、その夜最大級の波がやってきたて,消息を絶った。ブイ の記録によるとこの嵐の最大の波の高さは100feetでコンピューターの予測より 50%も大きい数字であった。
空前の大きな嵐に遭遇して必死に乗り超えようとする漁船の乗組員の努力、救助の要請
を受けて出動した沿岸警備隊の荒れ狂う海でのヘリコプターによる救助活動、給油機の
活躍、燃料不足のために不時着をしなければならなかったヘリコプターの乗員が真っ暗
な海から生還する様子、手に汗握る話の連続です。
また北米大西洋の漁業の移り変わり、漁獲の技術の進歩、資源保護のための流網の使用
禁止、漁獲量の制限などについても書かれていて興味深かったです。
発達したハリケーン1個の力は地球上で最大で、アメリカとソビエトが保有していた核兵器のエネルギーをも超えるものであるという記述に特に驚きました。
海や船や漁業に関するわからない単語がたくさん出てきて数えきれないくらい辞書を引きました。
この本は関係者に著者がインタビューして書かれたもので、圧倒的な強い印象を与えてくれたノンフィクションでした。