THE CHATHAM SCHOOL AFFAIR by THOMAS H. COOK
Published by BANTAN BOOKS, 303pages
New England,1926年の夏、父が校長を務める全寮制の男子校The Chatham SchoolにAfricaでアートを学んだ若くて美しいMiss Channingが赴任してくる。父の世話でBlack Pon dのそばのMilford Cottageに住むようになった彼女は、 やがて2ヶ月後に都会生活に疲 れて妻子と共にBostonから赴任してきたMr.Reedと親しくなる。私、HenryはMiss Channin gの授業と、いつもスケッチブックを離さないようにというアドバイスを受け、絵を描く ことに興味を持ち始める。我が家のアイルランドから来た身寄りのない使用人のSarahの 読み書きを習いたいという願いを聞いてくれたMiss Channingの家を、Sarahといっしょに日曜毎に訪ねるようになって、またMr.Reedのボート作りを手伝うようになって、2人の影響から父が敷いたレール以外の自分の行く道があることに気づき始める。
Miss Channingの父親が書いた"A VIEW FROM THE WINDOW"という本を読んで、自分はどん な生涯をおくりたいのかを考え始め、父とは別の道を行きたい、自由になりたいという高 揚した気分にさせられた。
Miss ChanningとMr.Reedのうわさが広がりMiss Channingは教師を辞めることになってSarahと私はBlack Pondのそばで別れを告げている時、Mr.Reedの車が突然暴走してきてSarahをひいてそのまま池に突っ込んだ。運転していたのは妻のAbigailで、溺死した。1927年5月29日のことだった。まもなくMr.Reedは書置きをボートに残していなくなっていた。 Miss ChanningはAbigailの殺人共謀と不貞の罪に問われた。共謀については無実だったが 不貞については3年の禁固刑が課せられた。裁判で話さなかった真実を父はMiss Channing から聞いていた。
今も同じ町に住む弁護士になった50歳代後半のHenryはMilford Cottageの所有権についての仕事の依頼を受け、40年前の出来事を回想する。禁じられた恋に悩む大人の2人が、時に悩みを子供のHenryにもらすところが大変印象に残った。