P.D.ジェイムズ 人類の子どもたち


*安 明哲 図説北朝鮮強制収容所 双葉社

Unbelievable!

*林 望  リンボウ先生のへそまがりなる生活 PHP

*灰谷健次郎 はるかニライ・カナイ 理論社

*ミヒャエル・エンデ 自由の牢獄 岩波書店

エンデの短編集。幻想的な作品が面白かった。小さな車の中にいくつかの部屋を含む家があって、車庫まで有る。駐車所を見つけることが出来ないときには、車の中の家の車庫にその車を駐車させるという。「ミスライムのカタコンベ」も不思議な地下世界を描く。絶対的な自由が必要であるかを論じた表題作も面白かった。

*P.D.ジェイムズ 人類の子どもたち 早川書房

1995年を境に人類には、子供が生まれなくなった。時は2021年。だから地球上には25才未満の人間は存在しない。そうした世界でイギリス国守とそれに反抗するわずか5人の人々と、それに荷担する国守の唯一の従兄弟である主人公。「1984年」などと比べると、あまりひどい社会でもなさそうだ。それに、何と言っても1995年はもう過ぎ去ってしまっているわけだから、現実感がないこと甚だしい。この作品も初めはなかなかその世界に入っていけなかった。書き出しは、面白いと思ったが、古くさくなった占いの本を読んだような気がしたからかもしれない。

作者のP.D.ジェイムズはイギリスでは、有名なミステリー作家らしい。栗本薫が解説を書いている。私は初めて名前を知った。ミステリ作家のSFというのも面白い。最初の読書ペースでは、かなりかかるかなと思ったが、1/3を過ぎたあたりから一気に読めた。

1999-5-29 



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