A Touch of Frost by R.D.Wingfield (C. Nakagawa)


A Touch of Frost by R.D.Wingfield
Published by BANTAM BOOKS; 359pages

イギリスの静かな町デントンの警部補ジャック・フロストが火曜日の夜勤から金曜日の夜勤にかけて、部下のマーチン・ウェブスターとともに次々に起きる事件を解決していく話です。

火曜日の11時過ぎ麻薬密売人のベン・コーニッシュが公衆トイレで、水浸しの床に仰向けに倒れ死んでいるのがパトロール中の警官に発見され、電気会社を経営する金持ちのマックス・ドーソンの娘カレンが昼から行方不明との連絡が入ります。またデントンの森で暴行された少女が病院に運ばれます。その頃ハリー・バスキンが経営するレジャーランドに強盗が入り売上金の5000ポンド以上が盗まれます。老人が引き逃げされた事件が起きた後、町の有力者チャールス・ミラーの息子ロジャーの赤いジャガーが盗まれ、高利貸しのリル・ガリーが強盗に79ソブリン(金貨)が盗まれる事件が発生します。

水曜日の日中サミー・グリックマンの質屋に武装強盗が入り貴金属を盗み、盗難車で逃走します。その夜デントンの森でまた少女のレイプ事件が起きます。水曜日の夜、5時間も連絡なしで行方不明だった巡査のデビット・シェルビーが死体で発見されます。

これらの事件が金曜日の夜までに全部解決されます。

複雑に絡み合った一連の事件をフロストの推理と行動力で、内部の圧力をものともせず、糸をほぐすように解決していく過程は大変面白かったです。犯人それぞれに意外な背景が隠されていて、人物描写が興味深かったです。

作者はこの他にフロストが主人公のミステリーを3冊書いていますが、今のところ邦訳は出ていません。

C. Nakagawa



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