A Case of Need by Michael Crichton (C. Nakagawa)


A Case of Need by Michael Crichton
writing as Jeffery Hudson
Publisher: arrow
Page: 408pages
Price: FL.24.95

Content:
ボストン記念病院の病理医のJohn Berryは妻から親友の産科医のArthur Leeが逮捕さ れたとの連絡を受け、Leeに会いに行きます。1週間前に無月経4ヶ月のためにLeeの診察を受け に来たKaren Randallが朝はやく緊急治療室に運ばれて出血多量で死亡した、Leeは付き添ってき た義理の母の証言で逮捕されたが、Karen には中絶手術をしなかったので殺人の罪に問われるこ とはない、と言う話を聞きました。Leeが巻き込まれた事態を究明しようとJohnは動き始めます。 Karenは心臓外科医J.D.Randallの娘で、Randall家はボストンで何百年も続く医者の家系で金、 権力、名声を兼ね備えていた。Karenの大学の寮で話を聞くと授業にはほとんど出ないで男友達と 遊んでいた、中絶をこれまでに2回した、等の話からKarenは2年前に母親を亡くして以来、父 親とも義母ともうまく行かず精神が安定していなかった様子がわかってきます。検死解剖の結果は 下垂体機能不全が明白で、それが引き起こす肥満、無月経、視野狭窄等の症状が見られたがKaren は妊娠していなかった。死因は子宮穿孔による膣出血だった。Leeが安全な方法だからやるといっ ている中絶手術をだれがやって、Karenの死を招いたのか? KarenはなぜLeeがやったと言っ たのか?彼女の親族と交友関係から事実をつきとめていきます。

Impression:
この本は作者が1968年医学生だった時授業料の支払いのためにペンネームで書かれ ましたが1995年に再出版されたものです。当時のボストンの医学界に小さな波紋(作者曰く)を よび、an Edgar by the Mystery Writers of Americaを受賞しています。

著者の前書きによれば、1960年代の医療は今日と非常に違っていて、医学は天職と考えられ医者 はあがめられていて、さまざまな問題や悪習は公にされず、倫理上の問題も大きく扱われることは ありませんでした。中絶問題もそのひとつで、著者は自分の考えをあらわすためにテーマとして選 んだそうです。

誤逮捕、誤診、隠蔽工作、ドラッグ、暴力、殺人、権力者の横暴、親と子の確執などのテーマは四 半世紀たっても新しく感じました。

C. Nakagawa



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