COLD MOUNTAIN by Charles Frazier (C. Nakagawa)


Title :COLD MOUNTAIN
Author :Charles Frazier
Publisher :Vintage Books
Page :356pages
Price :1450yen

Content :
南部同盟の兵士としてVirginiaのPetersburgで参戦していたInmanは 4年経っ た夏の終わりに戦場で首の後ろの付け根を負傷した。病院のベッドで毎晩のよ うに戦場の悲惨な光景の幻覚に悩まされていたInmanは、これ以上戦うことに 幻滅を感じてWest VirginiaのBlue Ridge Mountainsにある我が家と愛するAda の元へ歩いて向かう決心をする。

Adaは牧師の父を肺病で失い教会と300エーカーの農場を残されたが、なすすべを知 らず途方に暮れていた。そんな時父の雇い人だったSallyに言われてやってき た、読み書きは出来ないが農場の仕事は出来るRubyと2人で冬越しの準備を始 める。

Inmanは逃亡の1日目、時折雷が鳴る悪天候の中、ぬかるんだ道をbushをかき 分けて進み夜は野犬におそわれないように松の木の上で寝た。食料品を買った 町のはずれで強盗に襲われたり、少女の漕ぐボートで川を渡るとき発砲され川 に飛び込んで難を逃れたりジプシーに食事をさせてもらったりしながら、国防 義勇兵(the Home Gard)の追跡を恐れて、なるべく人に会わないように町を避 け、火を焚かないように食事をして木に隠れて眠り西に向かった。持っていた ビスケットやコーンミールやドライビーフが底をつくとナマズを焼いて食べ た。女に捨てられてTexasへ向かうというVeaseyと一緒に旅することになる が、ある男Juniorの策略で2人ともthe Home Gardに捕まってしまう。引き連 れていた15人の男と共に深い森の中で全員銃殺される。運良く1人生き残っ たInmanはノコギリ草で傷の手当をした。道に迷っているとき1人の奴隷に助 けられ納屋で傷が治るまでかくまわれ食料と手書きの地図をもらって再び西を 目指す。秋が深まった森の中で、山羊を飼いチーズを作り植物から薬、軟膏や 染料を作って近くの町で売って26年間もそこで暮らしている老婆に出会う。 山羊を殺して様々に調理して食べさせてくれた。

ある日Rudyの父親Stobrodが盗みを働いて手首を怪我して現れる。AdaとRudyは 夕食の後Stobrodのひくバイオリンの調べに感動する。

ある朝、まだ薄暗い明け方すぐそばを子供の熊が徘徊している足音で目が覚め る。岩に囲まれ逃げ場がないInmanは熊が崖から落ちて助かり、熊の肉を食べ た。目に焼き付いている山の背や谷のかたちから、ここはCold Mountainに違 いないと気づいて喜びにあふれた。雪が降りはじめ季節は冬になっていた。

冬を越すための食料に余裕がないとRudyに同居を断られたStobrodは2人の男 とRudyが以前蓄えておいた食料を探しに山に出かけ、the Home Gardに見つか り1人は殺されStobrodは重傷を負う。残った男の知らせでAdaとRudyは山に来 てCherokeeの廃屋でStobrodの傷の手当をする。そこでInmanはAdaに再会する が、再び軍隊に戻り戦争が終わるのを待つか、このまま山賊のように隠れて暮 らすか悩む。

Stobrodは馬に乗れるまで回復したのでAdaとRudy、InmanとStobrodと二手に分 かれて家に向かう途中、the Home Gardに見つかり.....

Impression:
病院を抜け出して危険な目やひどい目にあったり、親切な人たちに出会ったり しながら故郷へ向かうInmanと、農場を生き返らせようと慣れない仕事を一生 懸命するAdaの生活が同時進行で話が展開します。作者の祖父の経験に基づい て書かれたstoryは3ヶ月ほどの旅の間にこんなにもいろんなこと(いいこと もわるいことも含めて)に出会うものかと感動しました。南北戦争の裏側でひ んぱんに行われたにthe Home Gardの残忍な殺人行為にあらためて、戦争の引 き起こす悲劇を考えさせられました。

馬具や農具などなじみのない単語や植物の固有名詞がたくさん出てきました。 夏の終わりから紅葉の秋へ、初冬への季節の移り変わり、山や川などの風景描 写などがたくさん出てきましたが、わからないところもありました。Virginia 州のPetersburgからWestVirginiaのCharlestonの近くのBlue Ridge Mountains の間にはAppalachian Mts.があり大変険しい山道が想像できます。南北戦争を 舞台にした本は初めて読みましたがとても面白かったです。

C.NAKAGAWA



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