Angela's Ashes:A Memoir(C. Nakagawa)


Title :Angela's Ashes:A Memoir
Author :Frank McCourt(winner of the pulitzer prize)
Publisher :A Touchstone Book
Page :460
Price :$6.99

Content :
1930年僕(Frank)は、敬虔なカトリック教徒でありIreland から移民の父と母の最初の子供としてNewYorkに生まれました。 4才の時一家は生活苦からIrelandに帰国しますが、その時は双子の1 人の弟と妹を亡くして母は悲嘆にくれていました。たどり着いたLimerick は、じめじめした陰気な気候で親戚は皆貧しく、ようやく見つけた長屋の 一角は共同便所と馬小屋の隣でひどい臭いで死んでしまうのではないか と思われるほどでした。家に食べ物がなくてもLabour Exchange(公共職 業安定所)から週1回支給されるdole money(失業手当)をもらいに行っ て帰りにパブで全部飲んでしまうような父に、母はいつも不平を言って いましたが、僕は朝早く起きてお茶をわかしてくれて、新聞を読んで世 界のニュースを聞かせてくれる父が好きでした。教会の施しのおかげで どうにか生きていましたが、弟が2人生まれ、今日の食事を終えると明 日のめどが立たないような生活で、父は新しい仕事が見つかっても2週 間と長続きせず生活はだんだん苦しくなります。つぎはぎだらけの服、 穴が空いて脱げそうな靴、ずり落ちそうなストッキングで、ツイードの 上着を着たぴかぴかの靴の上流階級の子供たちを横目に学校に通います。 時々は叔父の新聞配達や隣人の石炭配達を手伝って収入を得た時はお菓 子を買って映画を見に行きます。14才になって卒業後郵便局の仕事に 就き、借金取り立ての手紙の代筆などで貯金をして、あと1ヶ月で19 才になる時、Irelandに残って家族の面倒を見るべきか迷いますが、叔父 の強い薦めもあり、あこがれのアメリカへ旅立ちます。

Impression:
これはPulitzer賞を受賞した本です。すごく面白く感動しました。 作者は子供の頃の想像を超える貧しさの中でも、時にはパンや石炭を盗 んだり、友達のお姉さんの裸を見に行ったり、Irelandでは発売禁止のイ ギリスの新聞の性を扱った記事に興味を持ったりと、悪さをしつつも元 気でユーモアを忘れず成長します。エピソードのひとつ、ひとつが面白 く読み進むうち、Frankが何ともかわいくて、抱きしめたくなったくらい でした。作者の記憶力は驚異的で、是非アメリカに渡ってからの本がで ていたら読んでみたいと思いました。
題名のAngelaは母親の名前ですがAshesのは何を意味するのかよくわかり ません。辞書によりますと聖書上の意味は「後悔・悲痛の念などを象徴 するもの」で、他に「顔色の蒼白さ」、「名残」という意味もありました。

        

chiyoko nakagawa



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