大田龍 ユダヤ=バチカンの世界戦略支配


これも図書館の不要本をもらってきたもの。

*大田龍 ユダヤ=バチカンの世界支配戦略 日本文芸社 平成5年5月発行

世界がユダヤに支配されているという一種の謀略本。どこまで本当なのか分から ないが、キリスト教やユダヤ教の関係など、なかなか面白いところはある。特 にユダヤ教徒はパリサイ派だけが、生き残ってきたとか、カトリックの影の支配 者は、ローマ法王ではなくイエズス会だとか、カトリックは今では完全にユダヤ 教徒にのっとられているとか、普通は信じられないけど話としてはなかなか 面白い。

この作者、アジテーターとしてはなかなか優れているのかもしれない。学 生時代のころ、法政大学の大学祭か何かで、今にも日本が革命前夜だという話を 聞いたことがある。まあ時代の雰囲気を考えれば、そんなにも不思議ではなかっ たけど、どうもその当時は彼にとっては180度の思想転換を行っている最中だっ たらしい。あの時も話は矛盾だらけだったけど、話術はうまかった。

しかしこうしてすべての知識をひとつの体系に関連付けて自分の理論を展開する というのは、気持ちが良いかもしれない。世界が自分の頭の中で展開していると いう、そうした壮大な気分を味わえるのも本人には気持ちがいいだろうなとは思う 。複雑な現代社会では、同じ現実でも、いくつもの壮大な思想ができて、 おたがいを牽制しあうのかもしれない が、どうも最近ではそうした傾向もはやらないし、中身が薄まった感じで刺激が 少ないということはあるけど。

フリーメーソンとか、ユダヤの陰謀とか、なんだかそうしたおどろおどろしい世 界も面白いけど、このごろはさわやかな本も読んでみたい感じがする。

2001-7-8



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