*The Reader by Bernhard Schlink
Translated by Carol Brown Janeway
Published by Phoenix; 216pages
15歳のMichael Bergは10月のある日、学校の帰りに路上で具合が悪くなって吐いた時、女の人が介抱してくれ汚した場所を洗って家まで送ってくれた。肝炎と診断されて家で療養していたが、2月に花を買って女の人のアパートへお礼を言うために出かけた。キッチンに通されて女の人がアイロンかけの続きをはじめた姿を美しいと思って眺めていた。彼女は帰るとき自分も一緒に出かけると言ってストッキングをはき始めた。そのしぐさから目が離せなくなっているMichaelは、彼女に見られて慌てて外へ出た。1週間後再び訪ねると路面電車の制服を着て帰った来た彼女は、石炭を階下から運ぶように頼んだ。石炭の山が崩れて真っ黒になったMichaelを風呂場で洗ってくれた。彼女もシャワーを浴びて、そのとき以来2人はほとんど毎日のようにベットを共にした。Michaelは彼女に恋をした自分が男らしく誇らしく思えた。
いつかHannaと呼ぶようになっていたが、今36歳でルーマニアで育ち16歳のときにルリンに行き21歳のとき入隊したということ以外は話したがらなかった。やがて学校の教材の本を読んでほしいと頼まれた。トルストイの戦争と平和など次々に読んで聞かせるようになった。その頃からMichaelはHannaとの関係は罪深いものとの気持ちから裏切りの気持ちを持つようになっていた。そして突然Hannaは姿を消してしまった。
次にHannaを見たのは大学の授業のために傍聴に出かけた法廷でだった。ナチ党の精鋭部隊に所属していたHannaはユダヤ人の虐殺にかかわった罪で裁判にかけられていた。熱心に傍聴していくうちにMichaelはHannaが文盲であることに気がつくが、Hannaはそれを隠して罪を認めて終身刑になる。
刑に服してから8年たった頃MichaelはHannaにいろいろの本の朗読を録音したテープを送り始めた。それから4年目にHannaから簡単なお礼の手紙が届き、字が書けたことにMichaelは歓喜したが、自分からは手紙を書かなかった。入獄して18年経って恩赦を受けて出所することになったHannaは…..
15歳の少年の21歳年上の女の人に対する愛情は、年月を経ても色あせることなく生きつづけたことに感動しました。Hannaは文盲であることが暴露されるのを恐れて、できることのないはずのレポートを書いたことを認めて終身刑になったが、それほどの価値があったのかどうか疑問に思いました。Michaelは知っていながらなぜ裁判官に言わなかったのか英文からは理解できませんでした。
ドイツで出版されよく売れたこの本は英訳されアメリカで爆発的に売れました。日本語訳もベストセラーに入っています。映画化はアメリカでされるそうです。