山田正紀 エイダ


昨日は、少し本を読みました。

*山田正紀 エイダ 早川書房 1994年8月31日発行

これは大分前に、SFマガジンに連載されたものですが、当時からなにやら難しそうで、敬遠していました。以前にも1度だけ図書館から借りてきたのですが、やはり書き出しから雰囲気になじめなくてそのまま返却してしまった。今回は案外すらすらと読了できたのですが、やはり感想を書くとなると、これは一番書きにくい部類の本だな。

ストリーも複雑ですし、早くも忘れかけているところもありますが、理屈っぽい人にはお勧めの本かもしれない。

一応設定は近未来。量子コンピューターなるものが出来て、そのおかげで並行世界がお互いに干渉し始める。量子力学もよく分からないけど、この世界があり売るべき世界の1つに過ぎないこと、いままではそれがわからなかったけれども、どうも量子コンピューターの発明をもって、人間活動が、なかんずく人間の作り出した物語が、現実の世界に実際の影響を与えると言う世界。

フランケンシュタインが、作者のメアリー・シェリーに出会うのを始めとして、いろんな所に出現する。物語の時間軸も混乱しているし、まあなにがなにやらよくは分からないのですが、最終的には、とにかく一応の説明はついているみたいだな。

ただ現実の世界がますます希薄になリ、フィクションの世界の存在が大きくなるということは実際に進行しているのかもしれない。こうした理屈っぽい小説は苦手だけど、山田正紀は以前にも効したものを書いていたような気がするから、代表作かもしれない。

ホームズも、コナンドイルに会うのだけど、そういえば最近ホームズシリーズの作品が倒錯だとか、コナンドイルはそのために殺人を犯し、ロンドン警視庁もその捜索に乗り出したとか聞いたけど、本当かな。ネット上で少し探したけど、見つからなかった。

この作品の紹介・感想としては不十分なので、興味ある人は実物を手にとって下さい。

2000-9-15



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