服部真澄 骨董市で家を買う


ちょっと珍しい本を読みました。

*服部真澄 骨董市で家を買う 中央公論社 1998.10.25  ハットリ邸古民家新築プロジェクト

この人の名前は知らなかった。たまたま手に取った「ディール・メイカー」 (祥伝社)が面白そうなので、これを読むことにしたのだけど、ついでに同じ作 者のこの本が並んでいて、家の写真が並んでいたから、これも借りてきた。読み 始めたら結構面白いし、そんなに厚くないから一気に読み終えました。

東京育ちの著者が福井の民家を移転・改築するというだけの話しなので すが、いろいろと苦労する所が面白い。これハットリ夫妻の夫の立場から、小 説家の妻がいかに古い民家にこだわっているかについて、いろいろ書かれている のですが、なるほどこうした書き方もあるのだな。自分の行動を他人の目を通し て書く、と言うのも珍しい。まあ書斎とか、いろんな写真が載っているので、そ うしたことに興味がある人は良いかもしれません。

しかし廃屋同然の民家を、解体・移転して東京で建築すれば、新築するより 高くなるのに、ご苦労様なことです。田舎の人が価値が無いと思っているものの 中に、その意義を見つけてわざわざ苦労する様子が面白い。都会で田舎の生活 をするとい贅沢をしたかったのかな。

雪国は材木でもかなり頑丈なのを使っていると書いているけど、著者が求め たような廃屋同然の民家なら、こちらにもごろごろしているような気がする。

この作者の小説は、ビジネス世界を描いて、面白そうですが、宇宙人につい ての本と、蒲田慧の本を読んだあとに、読むことになりそうです。

2000-9-9



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