グローバルマネー


*保田圭司 グローバルマネー 徳間書店 1998年8月31日発行

この本は世界の金融情勢・金融機関をグローバルな視点から書いた本である。著者自身、実用書・入門書と言っているが、私にとっては、網羅的でなかなか新鮮な本だった。

日本の立場からとか、あるいは日米の立場からみた金融問題についての本は今までも、何冊か読んだけど、ここれはそうしたものとは違って、客観的な立場でさまざまな金融機関を描こうとしている。発行は2年前だが、ここ数年間の各金融機関の国際的合従連衡の激しさ、生き残りをかけてのすさまじさの一端がよくわかる。

例えば、「ウィンブルトン現象」と言う用語がある。イギリスがビッグバンの結果、市の金融機関の大半が外国の金融機関に吸収されたことをさすらしい。しかしこの結果、イギリスの金融界は生き残った。日本の場合も、国内的視点から見たらいろいろな金融危機が叫ばれているが、また一面「世界一優雅な不況国」であることも事実。「資産大国・運用後進国」の隙をつかれて、今外資関係にいろいろ儲けられているように見えるけれども、そのうい流れが変わるかもしれない。

もっとも、この外資と言う存在自体があいまいである。実態は日本の金融機関の外国法人だったり、そのしてんだったりするから。日本では有名ではないが、それぞれの国においては、確固たる地位を占めている金融機関の名前もかなり覚えた。もっとも、とてもじゃないが全部覚えることなどとても出来ないが…

日経新聞を見て入ると、毎日各金融機関の一面広告が目に付く。オンライントレード・ネットバンキングは、否応無しに、それぞれの金融機関を生き残りをかけた戦いに借り出しているのだろう。どうやら時代は、西の島からのんびりと眺めている以上に、切迫しているらしい。

それにしても、日本人には、予想外に金持ちが多い。貧富の差は開いているのだろうが、日本の金融革命もまた新たな日本の可能性を切開くかもしれない。

2000-7-22



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