Snow In August by Pete Hamill (C. Nakagawa)


Snow In August by Pete Hamill
Published by Warner Books;348 pages

1946年の暮の土曜日の朝、両親がアイルランドからやってきたBrooklynに住む11歳の少年Michaelは、ブリザードの中、8ブロック先にある教会のミサの待者を務めていたので出かけていった。2昼夜続きの大雪のために町は雪に埋もれ麻痺していた。

ユダヤ教会堂の前を通りかかると必死に呼びかける声がしたので、中に入るとラビが今日は安息日なので何も出来ないので電気のスイッチを入れてくれと言った。ミサを終わって帰ってから、友達のSonnyとJimmyと3人で雪かきをしてもらった1ドルを持ってキャンディを買いにMisterGの店に行った。その店でならず者のFrankieに絡まれるが、かかわらないようにと言うMisterGに向かってFrankieは「ユダヤ人はこうしてやっつけるものだ!」と少年達の前で、店をめちゃくちゃの壊しお金を盗んで逃げた。

Michaelは何も出来なかったことを恥ずかしく思った。 ユダヤ人はみんなが言うように本当に悪い人達なのか疑問に思ったMichaelは百科事典を調べてみるが書いてなかった。戦争中にベルギーで父をドイツ人に殺されたMichaelは、ナチとかかわりのあるユダヤ人のラビに話を聞きたいと思った。

年が明けてミサの帰りにラビを訪ねると喜んで居室に案内してくれた。そこにはヘブライ語やイデッシュ語で書かれた本がたくさんあった。プラハからやってきて英語を1人で勉強しているラビHirshにMichaelは英語を教えることになった。代わりにイデッシュ語を習うことになった。

MisterGは重態になり、店は閉じられ家族は引っ越した。Michaelは警官に目撃したのではないかと尋問されるが、見たことは忘れろとFrankieに脅かされていたこともあって見ていないと答えた。母は密告者にならなかった息子を本当のアイルランド人だといって喜んだ。

Michaelはラビの部屋の分厚い本の中からプラハに伝わる古い話をしてもらった。泥から作ったゴーレムが現実には起こりえないこと、夏に雪を降らしたり、夜に太陽を出したり、馬を兵士にしたりして、ユダヤ人を救う話だった。

6月のある夜MichaelはFrankieの手下に襲われて骨折、入院した。退院したがギブスがとれていない松葉杖のMichaelは母が働く映画館から一緒に帰る途中、Frankieの仲間に襲われ、母は暴行を受けた。Michaelはラビに伝えようと教会堂に行ったが、排水溝の中で血だらけになって倒れているラビを発見する。

8月になってSonnyとJimmyからFrankieと仲間が金曜日の夜Frankieの出所パーティを開いて密告した人達や彼らが教会堂やMichaelの家に書いた鍵十字を消した人達に仕返しをする計画を聞いて、Michaelは今こそことをなす時だと決心する。

Michaelは教会堂の今まで入ったことのない秘密の部屋に泥を大量に運び込んで、箱の中にあった銀のスプーンを使ってトルソを作り上げ、ラビが教えてくれた神の秘密の名をイデッシュ語で唱えると、ついにゴーレムが現われた。 ゴーレムは雪を降らせてFrankie達を退治し、ラビを回復させてくれた。

8月の雪という題名に引かれて読んでみましたが、現実には起こらないようなことを次々に起こして悪者をやっつける大男ゴーレムの活躍のくだりは大変面白かったです。ラビのMichaelに罪について知っていて黙っていることは、罪を犯したと同じくらい悪いことと諭すところが特に印象に残りました。   



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