やっと浮上したぞ日本経済


*長谷川慶太郎・船井幸雄 やっと浮上したぞ日本経済 ビジネス社 2000年1月20日発行

気軽に読めて、楽しくさせてくれる本。ただし、事実かどうかはわかりません。 (^^;

副題が「日本の技術力が世界を救う」。3部構成で、1部が長谷川、3部を船井が担当。2部は二人の対談です。少し薄日が差したかに見える日本経済ですが、まだまだ楽観は許さない。しかしこの2人に依れば、1999年にアメリカと日本の経済の景気循環は交差したのだとか。つまり、アメリカは今後10年間は、バブルの後始末に苦しみ、日本経済は2020年までは大丈夫なのだということです。

どうやら日本の技術力は世界一で、いまや技術の収支バランスがすべての国に対して、黒字であるのは日本ただひとつであるのだとか。そういえば、同じようなこと、つまり日本発の技術が人類を救うというような発想は、前にも船井幸雄の本で読んだ。長谷川に依れば、たしかに産業の再編成はあるものの、日本の場合生産財で圧倒的強みを発揮しており、経営者も危機意識を持って臨んでいるから、大丈夫だとのことです。

船井幸雄もまあ納得できることも言っている。2010年までには、現在の資本主義システムは破綻し、日本式経営が復活するのだとか。まあこのへんはなかなか参考になることも多く、楽しく読んだのでが、最後になって例によってネットワークビジネスと彼の言う所の「本物の技術」が出てきたのには、少し戸惑った。どうも特殊例を持って一般化するようなことを、この人は得意とするようだ。

ここ最近読んでいる経済関係の論調悲観的なものばかりだったから、こんな本を読むと楽しくはなるのですが、やはりいつも「この人たちはどうしてこんな楽観的ことが言えるのだろう?」と不思議に思ってしまいます。

2000-7-1



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