海野十三 火星兵団 (全集第8巻ン)


まだ未読メールがかなり貯まっているのですが、今日は少しは本を読めました。

まずは、先週の日曜日から読みかけていた、海野十三の「火星兵団」を、1週間ぶりに読み継いでどうにか読み終えることが出来ました。うつも言うことですが、結構面白かった。こうした少年小説と言うのは、物語の構成が荒っぽく、非現実的だからそこに入れない人はつまらないでしょうね。おまけにこれは火星人とか、モロー彗星と地球の衝突による地球滅亡の危機とかが描かれていますから、まあ大概の人にはばかばかしくなるかもしれません。しかし私はこうした非現実的作品は、結構楽しめます。

ただこの作品、昭和14年から15年末まで当時の小学生新聞に400回以上に渡って連載されたもので、単行本になったのは昭和16年4月と5月に前後2巻として、刊行された様です。半年後に第二次大戦が始まることを考えれば、やはりこうした作品の発行が許されたのは不思議です。ここには反英米のかけらも無い。人類の危機ということを通して、科学知識の大切さは書かれていると思うものの、むしろ各国間の平和・友好が強調されているような気がする。

北杜夫や、藤子不二男などにも大きな影響を与えたらしい。実際、私は今読んでもこの物語は、そのスケールの大きさと言い、現代科学への理解といい少しも古くなっていないと思います。この時期に原子爆弾の脅威もちゃんと知っている。

これで、海野全集は6・7・8と、真中の3冊を読んだことになります。残りは時間を置いたほうが良いかもしれない。

2000-6-18



感想はこちらに・・・・・・ohto@pluto.dti.ne.jp


ホームページに戻る 

読書室のページに戻る