東野圭吾 変身


*東野圭吾 変身 講談社 1991.1.12発行

心臓移植を初めとした臓器移植の話は、最近良く話題になる。この小説は、人間の中枢たる脳移植の問題を取り扱う。

主人公の成瀬純一は、不意の事件で拳銃で撃たれ脳を破壊される。しかし10万分の1の確率でしか存在しないといわれる同じ特性を持つドナーが現れて、世界注視のなかで、世界初の脳移植の手術を受ける。手術は大成功に終わるのだが・・・・

人は、他の器官を人工物で置き換えても、その人の個性は失われないだろうが、もしも脳が一部損傷して、それを他人の脳移植で補ったとしたら、どうなるのか?10%だけの時は?50%なら?あるいは100%になったとき、その人を支配しているのは、誰なのか?ホラー小説といってもいいような、こうした世界がそのうち実現するのだろうか?クローン人間も、同じような問題を抱えているかもしれない。

東野圭吾の作品は初めて読んだ。これは私が図書館に行くと云ったら、姪から返してくれるように頼まれて、少しだけ読んだら案外面白くて結局は最後まで読んだ本である。

2000-3-16



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