気軽に読めた本


 

必ずしも中身が軽いと言うわけではないのだが、比較的薄いし、気軽に読めた本4冊。

*野坂昭如 絶望的楽観主義ニッポン PHP 1999年5月

つい先日読んだばかりの林秀彦の日本人論とは、また違った観点から、いろんな出来事を論じている。必ずしも同意するところばかりではなかったが、北朝鮮が戦前の日本に似ており、その脅威は普通言われているものほどではないというようなようなは、なるほどと思った。しかし日本がいまだにアメリカからは独立していないと言う視点など、現在の日本に対して特に軍事関係には厳しい考え方をするところなどは人生経験の相違があるのだと思う。ただし日本人が戦略・戦術的知識を必要とするというのには賛成である。肩肘張ってないから素直に読めるぶん、こちらの方が前述の林氏の本よりも、普通の人の感覚に近いのではないかと思う。

*北村年子 「ホームレス」襲撃事件 太郎次朗社  1997年12月

1995年10月大阪の道頓堀川で起きたいわゆる「ホームレス」殺人事件について、なぜそうした犯罪を犯すにいたったのかを詳しく追っている。この事件より大分前に起きた横浜の事件のことは覚えているが、この事件についてはあまり詳しくは知らなかった。

*取違孝昭 騙す人ダマされる人 新潮社 1995年

この本一時はやった似たような題名の本と同じかと思って読んだら、結構まじめな本であった。だから人をだます方法とか、ダマされない方法とかの処方箋みたいなものが書いているわけではないから、この本を読んだからと言ってそうした知識がつくとは限らないだろう。

歴史を遡って、いろいろな騙しの事例に触れている。M資金・贋金のような大掛りな犯罪から電話や手紙で人をだまして、金銭を盗み取る極めてこそ泥的な事件まで、いろいろと書いている。個人的には贋作やこれから盛んになるであろうコンピュータ犯罪の所が面白かった。暇なときに読むのには良いかもしれない。

*瀧井宏臣 テクノ文明の未来 明石書店 1999年2月

これから次々に実用化されるであろう技術がいろいろ紹介されている。各項目だけで内容がわかる。ヒューマノイド、AI,人工臓器、クローン、ヒトゲノム、トランスジェニック・フーズ、ヒーティング・ガイア、ソーラー、リサイクル、デジビ、Eマネー、スペース。作者が序章で書いているようにSFの世界が急速に現実化しつつある。

2000-1-14



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