ニューヨーカーを去ってから(7/20)


Newsweek 7/20の記事からです。タイトルもあまり適切とはいえません。「テ ィナ・ブラウンの今後」くらいがいいのでしょうが、あいにく私はこのTina Brownもその他大勢の人々の名前も全く知らない。ただただThe New Yorkerと いう雑誌に少しだけ興味を持っていたがために読んだ記事ですが、アメリカの マスメディアの世界を全然知らないから、人物関係やら会社の名前がぴんとこ ない。記事ではそれらを全部説明しているわけではありませんから、一度出て きた人物華道かチェックしながら読んでみても、なかなか分かりません。まる でパズルを解いているみたいでしたが、少しは背景が見えてきたので、大まか なところと言うか、感じたところを書いてみます。

*After The New Yorker (p.42-44)
Talk of the town: Tina Brown quits for 7something magical' with Miramax

The New Yorkerの編集者Tina Brownが6年間のThe New Yorker編集者の職を辞 して、Miramax Filmsと共同で新しい雑誌を発行する、というのがこの記事の 内容です。44才になるBrownは、業績としては黒字にはなっていないものの、 不振のThe New Yorkerを立て直した立役者ということになるのだろうと思いま す。p.43の3つのグラフから判断する限り、91年から93年にかけてのどん底か ら広告収入・発行部数・収支血算いずれも向上していますから。ただ相変わら ず赤字発行は続いているようですが、発行元がThe New Yorkerを発行し続けて いることでいいイメージを与えている面もあるでしょうから、これはある程度 覚悟しているところもあるのでしょう。

ところでこのThe New Yorkerの発行元はどこか。多分あまりにも当たり前のこ となので、どこにも書いていないようです。私は1985年に買収した云々とある し、記事の内容から、どうやらSi Newhouseだろうと考えました。そしてこれ を統括するのが、Conde Nastというメディア帝国らしい。私はどちらの名前も 初めて聞きました。そしてどうやらThe New Yorkerは来年新しくできた(出来 る?)48階建てのTimes Squareの本社ビルに移ることになっているらしい。どう もこれはあまり好ましくないようです。本社から離れたところに社屋を構え、 Bride'sとかGlamourという女性向けの雑誌も発行していたのが、本社というか 親会社のビルの中に吸収されてしまう。彼女はAt least I won't have to move to that hellish building.と言っています。雑誌は赤字を続けている し、1985年以来1億7500万ドルの赤字と言うことですから、Conde Nastaとして もよりThe New Yorkerの資金管理を厳しくしなくてはいけないのでしょうが、 これはBrownわ含むThe New Yorkerのスタッフにとっては特権を奪われたと感 じるようです。それにどうもSteven FlorioなどのConde Nastのやり方が気に 入らないらしい。

The New YorkerはBrownが編集者になってから、読者を増やすためにいろいろ と紙面の改革を行ったらしい。一部質の低下を批判する人もいるようですが、 National Magazine Awardsを受賞しているところを見るとそうもいえない。そ れにTina-watchingという言葉があるほど、彼女はNew Yorkでは有名人らしい から、彼女がいなくなったらThe New Yorkerがどうなるのか心配する人もいる ようです。

今までにも彼女の獲得に乗り出してきた企業はかなりあるようです。USA NetworkとかABCもその中にある。しかし最終的に彼女と合意をとりつけたの が、Disneyの子会社、Miramaxだというわけです。どうやらMiramaxは関連の新 会社を作り、そこで新しい雑誌を発行し、映画やテレビ番組の制作に乗り出 し、さらには本の出版も予定しているらしい。そしてその経営がBrownに任せ られ、さらに経営が軌道にのり、利益を生み出すようになれば、利益に応じた 株式配当があるようです。とにかく外野席からはいろいろ言われていますが彼 女とNewhouseの間では、円満退社という形のようです。

彼女の新しいパートナーとなる Weinstein(BobとHarveyの兄弟。特にHarvey) と彼女はうまく行くのか。ある人に言わせれば2人はDiとDodiみたいに不釣り 合いなカップルだとか。このパートナーもかなり話題が多い人物のようで、別 枠の記事ではThe Buzz Brothersと書かれています。新雑誌の具体的な内容も まだ決まっていないようですが、ダイアナみたいに悲劇的なことにならなけれ ばいいのですが。

しかし新編集長が今週中にも決まるらしいThe New Yorkerは今後どうなるのだ ろうか。もしかしたら世紀末のこの変動の中で沈没してしまうのだろうか。そ れにしてもThe New Yorkerの表紙はどれをみてもなかなか面白い。今夜にで も、WEB上のサイトを訪問してみようと思います。



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