パブ万歳(2/23)


*God Save the Pub 
A British establishment gets a face-lift

パブのイメージが昔とだいぶ違っているようです。大型チェーンのパブも増え ているし、食事がおいしくなったし、なによりも女性が入るのに抵抗感が無く なっている。階級社会を反映した、男たちがくつろぐ場所というのは、もう時 代遅れかもしれません。

例えば昔風のパブの例として冒頭にValiant Soldierの例が紹介されていま す。その名前の通り、Devonにあるこのパブは戦時中はGIがたむろしていた。 外の光もあまり差し込まないような薄暗い部屋では、タバコの煙が充満してい る中で木のベンチに座った男たちが酒を飲んでいた。GIに人気があるという特 殊な例では有ったにせよ、多分これが伝統的なパブなのでしょうか。その Valiant Soldierはもう30年前になくなり、今では博物館になってい る。

それに対して現代のパブは写真にもあるように空気はきれいだし、食べ物はお いしいし、電気が明るいし、外の光がさんさんと入ってくる。こうした変化が 1990年代初期の不況の頃から明らかになってきているようです。

まずBassとかWhitbreadのような大手の酒造メーカーが、パブからの注文減少 で需要が減って打撃を受けた。それで彼等は付加価値の高いパブを直営する方 向に乗り出したようです。かつて銀行だったところや、車のショールームや劇 場を買い取って大がかりなsuperpubを始めたというわけです。広いから500人 以上入れるようなものも有るようです。

さらに多くのパブも好みが多様化する風潮の中でそれぞれの特色を生かしてい かなければならないのでしょう、様々な趣向を凝らしている。ケルトの雰囲気 に浸りたいなら、Scruffy Murphyへ、オーストラリアの夜の雰囲気が好きなら Walkabout Innへ、より洗練された味わいを欲すればthe Slug and Lettuceに というわけで、私には何が何やらさっぱりですが、要するにそれぞれが個性を 打ち出さなければお客を獲得できない。パブは前と同じように人が集まり酒を 飲む場所であることに違いはないが、もはやただの飲み屋boozerではないとい うわけです。

そうした新しいパブでは飲み物と並んで食べ物が重要な役割を果たしてくる。 さらに女性客の獲得に熱心で、もうすぐお客の50%を占める。店内は清潔で明 るく、コーヒーやお茶も飲めるし、新聞も読める。なによりも道路に面したと ころは床から天井まで窓になっていて中の雰囲気が分かるから、最初のお客で も入りやすい。さらに奥の部屋は高齢者のためのデイケア・センターとして使 用したり、あるいは郵便局や雑貨店を兼業していたり、有るはパブではBible classを開いてさえいる。時代の流れで閉鎖されたパブも多い中で、残された ところは懸命に生き残りをはかっているようですね。

さらに世界にはばたこうというパブもあるようです。しかし当然old-style boozerにノスタルジアを持つ人もいるわけです。Bassはさっそくそうした人向 けのパブも開いたようです。Valiant Soldierに通っていた人でも満足するよ うな雰囲気のようですが、昔と違っているのは食べ物がおいしいことだとか。

だんだん国境の差が無くなりますね。嬉しいような、さびしいような・・・



感想はこちらに・・・YHJ00031@niftyserve.or.jp
Internetの場合は・・・ohto@pluto.dti.ne.jp



ホームページに戻る 

Newsweekのホームページに戻る