Newsweek 10/6 その2


みなさん、こんにちは。

少し遅くなりましたが、Newsweek 10/6で、読んだ記事の感想を続けます。

1. A Kublai Con Job? (p.43)
The dubious of a proto-Marco Polo

13世紀後半、マルコポーロに先立つこと、4年前、Jacob d'Anconaというユダ ヤ系イタリア人が当時の宋に旅をし、政争に巻き込まれ、1272年に命からがら 帰国した。宋は1279年に滅びます。マルコポーロが官職に就いたのは元王朝で したから、元に支配されるのでしょう。ちなみに日本への元寇は1274年と1281 年です。

彼は、その旅行記を著していたが、彼の子孫たちはその内容が反キリスト教的 であり、当時ヨーロッパを荒れ狂っていた、異端審問を恐れ秘密のまま保管し 続けた。そして7世紀あまりが経過したが、ようやくこの11月にその本が出版 される。The City of Lightと題された本が、中世イタリア語から英語に翻訳 されて、手に取ることが出来るようになるわけです。出版史上画期的であり、 歴史的な重要性を持っている。

しかし、どうもこのよくできた話はどこか怪しい。翻訳者のdavid Selbourne は、前イギリスのRuskin Collegeの政治哲学の教授ですが、彼はこの本を出版 するに当たって厳しい条件をつけられた。まず、原稿所有者の名前をあかさな いこと、そしてその原稿を誰にもみせないこと、というわけです。

この原稿はヨーロッパ人最初の旅行記として、マルコポーロの旅行記を補うと ころが多い。13世紀のZaitunの事情を、歴史家が知らないことまで生き生きと 描いている。男が女のような服装をしていたり、性的な風俗などは、当時のど の記録にもないことのようです。しかし宋の皇帝を死後につけられる名前で読 んでいたり、Zaitunese自身が別称のManciと読んでいたりとおかしなところが ある。Maciはモンゴル人、すなわち元王朝の人たちが、南の野蛮人に対して使 った言葉だとか。

訳者のSelbourneは、中国の歴史に関しては専門知識はないと言っているよう ですし、学者の中にもこの文書が本物だと信じているものもいるようです。し かし刑罰思想とか、儒教の解釈が現代の西洋的解釈と似ていることから、一般 の受け方はには偽物という感じが強いですね。はたして本物かどうか、私も少 しおかしいと思いますが・・・

2. Here's to You, Mrs.R.

国連の人権担当の高等弁務官に就任した前アイルランド大統領、MaryRobinson についての記事です。この人この夏まで大統領だったのですが、国民には非常 に人気があったようで、そのためか10月30日に次期大統領を決める選挙の候補 者はすべて女性だとか。元々が人権問題専門の弁護士ですし、その点でははま り役でしょう。アイルランドは1848年の大飢饉に象徴される貧困、そしてイギ リスによる植民地支配を経験していますから、今人権問題が起きている発展途 上国とも共通の話題を持っている。彼女の前任者、Jose Ayala Lassoはエクア ドル出身で彼自身軍事政権のメンバーだったこともあって、人権問題を解決す るどころか、それを供給していると、皮肉られていたようですから、その点か らいえば活躍しそうです。しかしどうも予算が少ないし、またヨーロッパ人と いうことはこの場合かえって不利だとか。

3. Vingar by the Bucket (p.16)

過去国民の圧倒的支持を背景に、順風満帆だったマハチール。しかし最近の東 南アジアの株式・通貨の下落とともに、彼の人気にかげりが出ている。少なく とも、ビジネス関係者の支持が、だんだん離れていっている。投機筋を国際的 犯罪者と批判しているが、どうもその論調は国内でも冷静に受け取られている ようです。実務的なanwarが、うまくフォローしているようですが、与党内部 でもイスラム主義者の反発を買うような発言をしたりして、バランス感覚が崩 れてきている。a drop of honey catches more flies than a bucket of vinegarとは強烈です。今のままだと、外国資本は寄りつかなくなるというこ とでしょうか。

4. Pyongyang's Hostages (p.17)

はたして日本人妻は帰宅できるのか。北朝鮮にわたった、日本人妻達の惨状が 述べられています。日本人妻達は普通の北朝鮮人よりも、いい生活をしている とかいう北朝鮮側の説明もありますが、いろいろ総合すればこのNWの記事が真 実に近いと思います。日本人ということで差別され、Japanese beggarとさげ すまれ、ぼろをきたままの生活。囲みの小記事では、国民が飢えている中、 66000本のフランスワインや1900箱の肉の缶詰、20カートンのチョコレートが 先週日本から北朝鮮に向かったという話。もちろん援助物資ではなく、北朝鮮 側が購入したものでしょう。10月10日のKim Jong Il党総書記就任に向けての 準備のようです。

YUKI



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