Newsweek 97-10-6


みなさん、こんにちは。

Newsweekから、私が読んだ記事の感想を書きます。既にいくつかの記事につい てUPしていますが、あと読んだ記事の感想を、時間が許す限り書きます。今週 は特にBest Fiveは選ばないことにします。

1 Growing Up to be Illegal (p.33)

アメリカの新しい移民法は、かなり厳しいようですね。今までならば、市民権 取得の道が開かれていた、人たちに市民権が与えられていない。この記事では いくつかの例が紹介されていますが、その中でも物心ついてからアメリカで生 活をしてきた少年少女達の、例がいくつか紹介されています。3才の時にグア テマラからやってきて、高校3年生で大学の奨学金を受けようとして自分が不 法移民の身分であることを知った少女の例も紹介されています。

不法移民の子はいつまで経っても、不法移民の立場にかわりはないのですね。 アメリカは国籍取得については出生主義ですから、アメリカで生まれた子ども であれば、市民権を獲得できるのだと思いますが、これも変更があったのだろ うか。

旧規定では長期滞在者が、故国に送還されたら、ひどい目に会うことを裁判官 に言い聞かせれば、市民権獲得が認められたようですが、それも難しくなっ た。

さらに先週の土曜現在、過去180日間続けて不法滞在しているものには、3年間 は市民権が認められない。来年4月1日には、それが10年に延長される。これで は長期の不法滞在者と認定されたものは、まず市民権獲得は無理でしょう。そ れでなくとも、現在でもアメリカ外で、市民権申請をしても可能性はあまりな いようですから、不法滞在者はいよいよ追いつめられる。

高校までの教育は、どうやら受けられるようです。しかし自動車免許、大学の 奨学金申請、さらには就職で、どうやら法の取りこぼしがなくなってきた。こ れでは今まで、定職についていたものも、地下に潜らざるを得なくなる。ある いは書類上の結婚をしてくれる人を捜すか、不法書類を作り上げるか。さらに は、働くのに書類のいらない世界、かなわち犯罪に走るか、選択の幅は少なく なっている。若者だけでも数万人いるというこれらの人々はいったいどうなる のでしょうか。

2 The Power and the Glory (p.24-25)

ロシア正教の 総主教.Aleksy IIについてです。ロシア正教の力が、ロシア社 会で徐々に大きくなりつつある。この記事ではあまり詳しくは触れられていま せんが、エリツィンはアメリカなどの反対にも関わらず、新しい宗教法にサイ ンをした。これはロシアでの新しい宗教を文字どおり閉め出す内容になってい ます。多分オウムの影響があるのでしょうが、それどころか西側の宗教でロシ アでの宗教活動の実績がないものは、ほとんどは入れない。カトリック、モル モン教、プロテスタントのいくつかの宗派がここではあげられています。西側 はソ連崩壊後最大の人権侵害だと騒ぎ立てているようですが、とにかくロシア 正教の地位がこれで固まったことは確か。

しかもこの宗教法だけでなく、権力と宗教の癒着が進みつつある、という感じ ですね。タバコなどの関税なしのタバコ輸入などの特典で、国庫に40億円の損 害を与えているし、軍部も財産処分で教会の口座を隠れ蓑にしている。巨大な 財力を背景に、次から次に教会建設も進めている。

西側の宗教だけが、迫害されているわけではない。正教のセクトの中で、小さ なものも同様にその可能性をおそれている。ロシア正教の地位は、宗教が大き な地位を占めつつあるロシアでほとんど独占的になりそうです。

3. Solidality Grows Up (p.27)

今回のポーランド選挙で旧連帯系が勝利した。93年の議会、95年の大統領選と 続けて、旧共産党系に破れた連帯勢力が、今度は過去の教訓をしっかりとふま えて、勝ったわけですね。しかし30以上の政党からなる連立政権とありますか ら、たしかにこれでは前の選挙で敗れたのも無理はない。前回共産党系は約3 分の1の得票で圧勝したようですから、いかに連帯系の戦略が杜撰だったかか わかります。まあ、しかしこれはいい教訓になった。2大政党制がしっかり と、根付き中間政党もcasting voteを握るようになった。教会も、ポーランド の民主化が軌道に乗ったと判断したようで、今後は政治には、あまり深入りし ないようです。混乱の時期の様々な経験を通じて、連帯系も旧共産党系もより 現実的になってきたようです。NATOにも加盟したことですし、西側の中で安定 的な民主国家に道を着実に歩んでいるようです。

今回はまず3つ。時間があれば、まだ少しは書けるかもしれません。

YUKI



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