NEWSWEEK BEST FIVE(97-3-10)


みなさん、こんにちは。 

NEWSWEEK Mar.10の私のBest Fiveです。今週号は、私の好み がはっきりしていたせいか、Best Fiveはすんなりと決まりました。珍しいことです。 (^o^; 

最初にまずBest Fiveから。
1. Little Lamb, Who made Thee? 他のカバーストりー関連(p.42-50)
2. The Fantastic MADE REAL (p.2)
3. Hal et al. (p.10)
4. Who is the 'Butcher' (p.12-14)
5. Interview (p.56)

2も1関連ですが、ページからいってもこれは完全に独立した記事ですので。

3. Hal et al. (p.10)
まず3から。2000年間連の記事ですが、このシリーズなかなか面白いですね。 連続ものは案外面白くないという印象が私にはあるのですが、3週続けてBest Fiveに選んでしまったような。(^o^;映画2001年の暴走するコンピューターHAL が、誕生して30年と言うことです。HALのような人工知能はまだまだのようで すね。通産省が先頭にたって各社のエリートを集めた第5世代の人工知能(?)と かの研究を進めていましたが、あれはどうなったのでしょうか。日本の産業を 根本的にひっくり返すとかで、世界的にも注目を集めていたプロジェクトだっ たようでしたが。HALのように自分でものを考えるAIは、まだ先のようです。 しかしそもそも人間はそれを臨んでいるのだろうか。

2001年の原作者クラークは相変わらず、スリランカに健在のようです。新作 3001を出したとあります。HALはIBMのアルファベットを1文字ずつずらして作 ったというのは有名な話です。

4. Who is the 'Butcher' (p.12-14)
Dengが死んで、やはり権力闘争の動きが表面化して来ました。そしてキーワー ドが天安門事件。あの事件の再評価が、果たして本当に急ピッチで進むのでし ょうか。たしかに天安門事件が反革命分子の起こした騒動でなく、愛国主義的 学生たちの行動であったなら、比較的クリーンな江沢民に有利で、李鵬は失脚 でしょう。李鵬弾劾の学生たちの声は私もはっきり覚えています。しかし天安 門を見直したら、ZhaoZiyang(チョウ・ショウヨウだったかな。漢字は自信が ないので)の復活、すなわち強力なライバルが出てくることを意味するので、 江沢民もあまりしたくないでしょう。軍の動きがよく分かりませんが、軍にも だんだん大物がいなくなっているのかな。個人ではない法の支配、がようやく 実現するのでしょうか。

5. Interview (p.56)
在日朝鮮人(総連)関係者のインタビューです。正確には、元、でしょうね。日 本における北朝鮮の様々な活動を語っていますが、北朝鮮スパイのパスポート 取得のために日本人を誘拐したと話しています。半世紀前、日本人が犯したこ とと比べれば、日本人誘拐など大したことではないと言う論理だったようで す。病気のため、あまり長く生きられないと言うことで、北朝鮮の真実を知っ て(見限って)、インタビューに応じているようですが、この人は刑事罰の対象 にならないのかな。直接の実行犯ではないし、時効とか伝聞とかの問題もあり ますが、少しは気になります。

そして今週号で一番の目玉は、もちろん
1. Little Lamb, Who made Thee? 他のカバーストりー関連(p.42-50)
2. The Fantastic MADE REAL (p.2)   です。

専門的なことはPicardさんと、TATA-Boxさんが解説してくださるでしょうか ら、私は感想だけ簡単に書いておきます。

欧米のメディア・政界・宗教界は大騒ぎのようですが、日本は静かですね。直 接的関心は人間のクローンは出来るか。残り少なくなってきた今世紀の事では ないにせよ、今の情勢からみたらどんな強い規制をしたにしろ来世紀にはクロ ーン人間が誕生してくるでしょう。それが人間の幸せなのか、それとも歴史の 必然なのか。

The real question, of course, was, wherever the lamb went, was Mary sure to follow? (p.45) 8p.44)  問題は、羊が行くところにはどこにでも Maryがつき従うかという事だ。もちろんlambはキリスト、Maryは聖母マリア。 人間が神の創造でないなら、キリスト神学は崩れるでしょうし、p.50のコラム も触れているように、イスラム、仏教にとっても根本教義に関わってくること は確実です。上の文のすぐ後には「成人の組織からクローン人間を作ること は、あと1年から10年以内に可能だ」 ついにSFの長年のテーマでもあった、 この人間についてのtabooが破られようとしているのです。人間の歴史から見 たら、(まだクローン人間が出来てはいませんが)、これは大きな転換点になる かもしれない。

クリントンがクローン技術を人間に応用することを規制するために、90日以内 に調査報告を出すように命じたり、各国政府もクローン研究予算の削減・カッ トを打ち出してきているようですが、はたしてこれは止められるのでしょう か。病気治療などの利点もあるようですし、この方面の研究は進んで行くでし ょうから、紙一重の技術である表は奨励し、裏は禁ずることは難しいでしょう ね。もともと今度の研究の舞台となったRoslin研究所は、PPL Therapeutics P.L.C.から支援を受けて人間の蛋白質を含むミルクを出す雌牛の研究をしてい るようですし。

すべての記事がヒトラーやモーツアルトやアインシュタインが何百人も生まれ るように書いています。NEWSWEEKはポル・ポトとマザー・テレサをあげていま すが、果たしてそんなに簡単なのか。第一60才の成人から取った細胞と20歳か ら取った細胞の遺伝子は違いはないのか。そのクローン人間の年齢は0歳から 始まるのか。魂はコピーできるのか。これは議論したらきりがなさそうです。

いまのところざっと読んだだけですので、これから丁寧に読んでいきます。し かし今まで読んだSF作品にも、この問題と重なるものがありました。1つ印象 に残っている作品があるのですが、作者もタイトルも忘れてしまった。SFマガ ジンをひっくり返して読み直してみようかな。

YUKI


YUKI さん、こんにちは。

>最初にまずBest Fiveから。
>1. Little Lamb, Who made Thee? 他のカバーストりー関連(p.42-50)
>2. The Fantastic MADE REAL (p.2)
>3. Hal et al. (p.10)
>4. Who is the 'Butcher' (p.12-14)
>5. Interview (p.56)

今回 私が選んだ5つで、YUKIさんと同じだったのは、3つでした。 1、4、5です。

私の感想を少し。

>1. Little Lamb, Who made Thee? 他のカバーストりー関連(p.42-50)
TIMEで一応見ていたので、 私が特に興味引いたのは、
Today the Sheep...(p.50)

印象に残った点は2点。

* 倫理学者の中でも反対ではあるが、例外を認めている個所。 (左段の最後から 2行目〜)あるラビの発言。ホロコーストの生存者の子供たちが家系存続のため、 男の後継者を求める場合、精子の提供を受けるより、クローンを薦めるとのこ と。(←どうも、理解しかねますが。。。???)

* 各宗教界の反応です。
>、p.50のコラム
>も触れているように、イスラム、仏教にとっても根本教義に関わってくること
>は確実です。
私は特に 仏教学者の Donald Lopez の個所がおもしろかった。仏教における karma(カルマ、業)はどうなるのか。クローン人間は オリジナル人間(この言い方ヘン デス ネ ^^;) のカルマも引き継ぐのか?? そして、彼は悩む、 "what did the sheep do in a previous life that resulting in its being cloned in this one?" the sheepって、Dollyのことですよね。 「その羊はいまやクローン羊となって、前世では何をしたんだろう??」 いつか将来 クローン人間が出てきたら、ほんとに仏教徒たちは、何と説明する のでしょうか?前世の業のため、こういうことになったと??(^^;)(^^;)

>4. Who is the 'Butcher' (p.12-14)
Deng氏に天安門事件の責任を擦り付ける時がくるのが これほど早いとは。 歴史は繰り返す を感じました。Deng氏の子供たちの運命は 今後はやはり暗いも のとなるのかもしれませんね。ひどい報復みたいのが なければ いいけど。この 記事では江沢民は天安門で比較的クリーンに書かれていたけど、民主運動家たち を裁判にかけ、投獄しのは 彼の責任では? それは、問われないのだろうか。。。 などと思ったりしました。

>5. Interview (p.56)
>在日朝鮮人(総連)関係者のインタビューです。正確には、元、でしょうね。日 >本における北朝鮮の様々な活動を語っていますが、北朝鮮スパイのパスポート >取得のために日本人を誘拐したと話しています。半世紀前、日本人が犯したこ >とと比べれば、日本人誘拐など大したことではないと言う論理だったようで >す。病気のため、あまり長く生きられないと言うことで、北朝鮮の真実を知っ >て(見限って)、インタビューに応じているようですが、この人は刑事罰の対象 >にならないのかな。直接の実行犯ではないし、時効とか伝聞とかの問題もあり >ますが、少しは気になります。

この56才のCHANG RYONG UNさん、神戸で活動していようですね。 う〜ん、どうかで会ったことあるような?? そんなことないかな。。。でも、、、(^^;) 彼が亡命した黄書記のこと、沈んでいく船を見捨てるキャプテンみたいなものだと言 う個所も印象に残りました。確かに、彼は逃げ出せても、国に残された人たちは 飢 えていってるのですからね。 ところで、NEWSWEEKのKobe office ってあったんだろうか。知らなかった。

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あと残り2つの記事について 少し書いておきます。

* MEDICINE/ Traditional Healer, M.D. (p.23)
Does your medical plan cover bone throwing ?

南アフリカ共和国。 アパルトヘイトの時代には認められなかった 伝統的ヒーラ ーによる治療が通常の医療行為の代わりに増えてきているようです。副題に bone throwingと書いてあるように、これで診断するようです。この記事に出てく る Mokwenaという名の女性ヒーラー、 エイズと診断された患者も多く直したこと があるとか。病気も祖先を敬わなかったことからきているとかで、その治療法は incantations(呪文)、そして、ハーブ、動物の内臓、樹皮を混ぜ合わせて作った飲み 物のようです。今、南アには20万人以上のヒーラー、 それに比べ医師はたったの 4000人。国営企業、民間会社など、このヒーラーにかかった治療費を医療費として カバーする所も増えてきており、保険会社もコスト削減のため 従業員には医療サービス として 医師による治療、ヒーラーによる治療のどちらかをを選べる方向を模索し ているようですが、問題も 当然 あるようで。いわゆる民間治療ですよね。効果 はどんなものなのでしょうか。

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* ITALY/ Formula One on Trial (p.39)
Was a champion's death an accident or a crime ?
あのF1 レーサー、 セナの裁判が イタリアで始まったとの内容です。 あれは単なる悲劇的事故だったのか、それとも 誰かに責任があったのか? この裁判の結果如何によっては、今後のF1レースそのものにも、影響が出てく る模様です。

どういう不安があるかって?
あるトップ・チームのマナージャーのことば。 "Why bring a racing team to a country where you can be put in prison for an accident ?"

Greeny



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