Newsweek Best 6 + 2


みなさん、こんにちは。

Newsweek Jan.6(Double Issue)からの、Best Sixです。

1. Hong Kong's American Tune(p.26-30)
香港の中国への返還を半年後に控えてのレポートです。政治関係ではなく、文 化・スポーツ・社会風俗・経済などの面で、アメリカの影響がじわじわと、浸 透している感じです。中国人waitorを今だにboyと呼んでいる、イギリス式の Hong Kong Clubの外では、FILTH(Failed in London, try Hong Kong)と呼ばれ るヨーロッパ・アメリカ系の若者が増えているということです。香港の活力と 未来をかなり楽観的に述べているようですが、どうなりますか。

2. I Need Affection (p.22)
小さな記事です。フランスの首相Alain Juppeが、今年の秋どこかで、美しい 若い女性にDeath to the idiot!とののしられたと言うんですね。Juppeにとっ て今年はあまりいい年ではなかったようです。支持率は20%そこそこ、失業率 は高いし爆弾は仕掛けられるし、テレビの風刺番組の最大の人気者とか。傲慢 なエリート官僚というイメージがあってあまり人気がないようです。

その彼が、このうら若き女性から投げられた暴言に非常なショックを受けて本 を書いたそうです。Between Usは、彼の人間的側面を書いているそうです。自 分も愛、情熱、悲しみの感情を持った人間だと言うことをJuppeは人々に訴え たいと思って、1ヶ月もかけてこの本を書いたそうです。「可愛い通行人よ、 私も自分を認めてもらいたいのだ。私のことを考えてもらいたいし、愛情を求 めている人間なのだ」そして、この本が初版だけで50000売り切ったと言うん ですから、まあベストセラーでしょう。

最初この記事を読んだときは、「ちょっといい話し」かなと思ったのですが、 UPしている今は少しだらしないかなとも思っております。若い男から同じ言葉 を投げつけられたら、本を書いたのではなく、手を出したかもしれませんね。  (^^; どう感じるかは別として面白いです。

あと3つは1996年の終わりということもあって、いずれも読みごたえのある記 事を選びました。最近Newsweekの評論記事が充実していると感じています。  一般の記事はかなりsensationalなのがめだちますけど。

3. In the Shadow of Their Past (p.18)
第2次大戦後50年、改めてヨーロッパは過去と向き合っているみたいです。ド イツではユダヤ系(だったと思いますが)アメリカ人Daniel Jonah Goldhagenの 書いた本Hitler's Willing Executionersが、大論争を巻き起こしました。 Naziだけではなく、一般ドイツ人の責任をと問うたこの本の衝撃はかなりのも のだったようです。他のヨーロッパ諸国もそれぞれに、暗い過去の亡霊に悩ん でいるみたいです。オーストリア、フランス、スイスの例が挙げられていま す。ドイツが戦後初めてタブーを破って、クロアチアに軍隊派遣したときはク ロアチア人の一部がファシスト式の敬礼で歓迎したらしいですね。過去を完全 に払拭できない以上、過去と不意に向き合うよりも、過去を常に見つめている ことが大切だということです。

4. Breathing Is Also addictive (p.60)
一種のInternet賛歌でしょうか。Internetでのいろいろな問題が、大げさに報 道される中、作者は冷静にこの記事を書いています。マスコミではInternet中 毒が、大学生などに蔓延しているとか報道されますが、TITLEはそれを受けて のことでしょう。冷静に、未来をみつめたいい記事です。

5.  Thinking Family Values (p.52-55)
クリントン政権の政治的意義を語っています。アメリカの政治風土というか、 有権者の意識に大きな変革がおきているということのようです。アメリカの都 市郊外に住む中間層の女性達が、Clintonを支持し始めているということで す。クリントンの人柄は嫌いだが、政治手腕は評価すると言うことですか。本 来は共和党だったはずの人々が、今までのリベラル的民主党の政策とはひと味 違う、クリントンの政策を支持しているということです。アメリカは一体とな って伝統的価値観に回帰しつつあるのでしょうか。

6.Macanudos on the Rocks (p.66)
これは風刺のきいた面白い記事です。ここに書かれたことが本当かどうか知り ません。ステーキも食べず、タバコや強い酒も健康のためには悪いから控えよ うと言うような風潮を批判しているのかな、とも思います。しかしいきすぎた 健康論に揺り返しが来るのは当然でしょう。楽しい人生を送らなくて、どうし て生きる価値があるんだということでしょうか。賛否両論別れるとは思います が、なかなか楽しめます。

最後に関心を持った記事が2つ。

A. Letters (6-D)
読者の投書欄です。Dec.2の The Microsoft Century のカバーストリーに対 して、非難・否定的反応の投書が殺到したようです。Newsweekの解説は批判さ れたのは、Bill Gatesのせいだと言いたいようですが、これはお門違いでしょ う。とにかくここに載せられた読者からの反応を見ると、やはりあの記事はか なりいい加減だったと思います。一部の読者はNewsweekに対する信頼をなくし たかもしれませんね。私は初めて、informercialという言葉を知りました。多 分information + commercialの造語でしょう。中立の立場を装いながら、ある 特定の集団を利する目的で書かれた記事くらいの意味でしょう。情報化社会と 言われる今後、ますますこの手の記事は多くなるでしょう。情報量だけは多い が、本当の価値ある情報は少ない、そんな中で私たちはどうすればいいのか? 考えさせられる問題です。

B. Perspectives 1996 (p.35-51)
Cartoonでつづる1996年。みなさんは、いくつ理解できますか。なかなか楽し めます。

いよいよ1996年もお別れです。1997年が、ノストラダムスの預言とかの馬鹿騒 ぎの年にならず、世界で大きな紛争も起きず、平安な年であればいいのです が。難しいかもしれませんね。

みなさんが、良いお年を迎えられますように。

YUKI



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