奇習・妻の殉死


みなさん、こんにちは。

Newsweek Dec.2に興味深い記事が載っていたので紹介しておきます。

その情景は異様だった。1987年9月4日インドのRajasthan州で24才の大学生が 急病で死んで今積み上げられた薪の上で火葬されようとしていた。それから18 才になったばかりの、高校を卒業した若き彼の未亡人Roop Kanwarが、薪の上 に上って彼の死体の横に座った。数百人の近所の人が見守る中、煙と炎が彼女 の周りを包んだ。彼女の生きたままの焼死は、名誉の犠牲なのだろうか。彼女 は伝統主義者達の中にある尊敬に値するのだろうか。それともRoop Kanwar は、フェミニストやインド検察が言うように、中世の野蛮さの犠牲者なのだろ うか。先月裁判所は自殺幇助で起訴された、彼女の義父も含めた39人に、無罪 を言い渡した。

死んだ夫と一緒に生きたまま妻を焼くというsati(suttee)の習慣は、古代のヒ ンズー教典には載っていない。この慣習は僧侶が妻の夫への献身を理想化した 中世に広まった。戦争で負けた方の戦士の妻は、征服者に名誉を汚されるより も自殺を選んだ。再婚が禁じられているので、自分の命を捧げた未亡人は特に 貞淑な女性としてほめ讃えられた。ある専門家に言わせれば、これは男性によ る女性の性の支配がねらいだということである。

イギリスの植民地当局が、1829年に禁止されるまで、ベンガル州だけで毎年 500件以上の例が報告されている。そうした中には、未亡人が打擲され、無意 識のまま緋の中に投げ込まれた例がある。しばしば亡き夫の財産をねらった親 族がけしかけてそうしたのだ。今日ではその慣習はなくなったが、その神秘性 は残っている。9年経っても、当局はその葬儀に参列した数百人の村人の誰一 人からも証言をとれなかった。女性運動家を怒らせたことに、警察はヒンズー 復古主義者達が、17才で夫の火葬中の炎の中に飛び込んだ400年以上前の伝説 的女性Narayani Deviを公に褒め称えることを認めたのである。

一方Roop Kanwarは伝統主義者達によって、故郷の村で神格化された。村人達 は神殿を建て、15万ドルを捧げ、彼女が膝に夫の頭をのせて炎と化す場面を描 いたポスターが売れている。市民グループが集めた事実は違っている。頭に血 の上った村人が、彼女を薪の上にのせ、逃れようとしたとき、引火性の高い植 物油を火の中に投げ込み、彼女を一瞬のうちに焼き殺したということである。 そのあとその場所を清めるために、誰かが神のシンボル、三つ又を灰の中に埋 めた。検察はこの事件を高裁に控訴し、Roop Kanwarの殉難が本当に悲劇的な 神話だったのかはそこで争われる。

いかがでしたか。

私は最近何かで逆の話を読みました。妻の亡くなった夫は妻と一緒に埋葬され るという話です。多分誰かの小説でしたが、今は思い出せません。

YUKI



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