主に召されるとき(Newsweek, Nov/25)


Newsweek Nov.25 p.53のA Time to Reach outの記事についてです。

シカゴの大司教Joseph Bernardinの死に際してのmemoirです。3年前ある男が 少年時代に彼からsexual abuseを受けたと告発し、相次ぐカトリック界のスキ ャンダルの中でも大きく報道されたように覚えています。そのことについての 疑いが晴れた6ヶ月後、彼は不治の(多分そうでしょう。ガンの内容については 膵臓ガンと触れられているだけで、その程度までは書いていません)ガンを宣 告されます。その後の日々の心境を綴ったのがここで紹介されているThe Gift of Peaceです。

Newsweekが独占契約したのでしょうか、an exclusive excerptとなっていま す。

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無気力感が医者の診察室で私をおそった。私は偽りの告発の後、ようやく生活 のリズムを取り戻したばかりの時だった。私はここで自分の命、自分の体につ いて他人に尋ねているのだった。今その時のことを思い出すと、私は神のこ と、神の私に対する計画のことを考える。私はまた自分の運命を心配げに待っ ている他の人々のことも考える。私が医者に結果を尋ねたとき、すべてのもの を手放したのだということが今ではわかる。もう1度言おう。神はそのとき私 たちの思い通りになるものがいかに少ないか、主を信頼することがいかに大切 かを教えてくれたのだ。私はその時、以前と同じように神を必要とした。

病気になって分かったことは、病気になると人は自己の内面に向き合うという ことだ。痛みとか苦しみに向き合う。自分が哀れになり、やけを起こすかもし れない。しかしその時自分を空しくすることで神の慈悲と愛に満たされ、他人 のこと、彼らが必要としているもののことを考え始める。彼らの試練と共に歩 こうという気になる。

病気の経過は最初からずっと私にも知らされていた。私の家族はシカゴの人々 であり、そしてまたこの国の、それを通して世界の人々でもある。私の家族も 私かどんなであるかを知る権利がある。

私が自分のガンのことを自由に率直に話すので、人々私のことを勇気あるとい う。病気になったとき、自分に閉じこもったり、他の人々から遠ざかる必要は ない。病気の時こそ、私たちは人々を最も必要とするときだ。

私は生涯を主に捧げ、正直に生きてきた。あの私に対する告発以来のここ3年 間は私の信仰と神に対する信頼をますます強めた。しかし大切なのは信仰を行 動に移すこと、私の生涯を導いた信仰を生き抜くことだ。特に私は人々に、私 は彼らと一緒に兄弟として、友人として歩むと言うことを知ってもらいたい。

特に私が4才か5才の頃に起きた出来事を話したい。夏のことで、私たちの家族 が友人の家を訪ねていたときのことだ。父は左肩にガン関連の手術を受けたば かりで、短いシャツの下には包帯を巻いていた。私はポーチのてすりの上に座 っていた。突然私は後ろ向きに地面に倒れ泣き出した。父はすぐに手すりを乗 り越えて私を抱き上げた。父のシャツからは血がにじんできた。彼は自分の痛 みは気にもせず、ただ私のことを心配していた。そのときの父の行動を思い出 すと、私も同じことを他の人々にしてあげたいと思う。この幼い日の父の教え には今でも感謝している。今日でも彼のことを考えると、彼が思っていた以上 に私の心の中で生きていることがわかる。

私は昔祈りを捧げるのに最適の方法は朝早く起きるということがわかった。朝 早くはじゃまが入らない。それで毎日最初の1時間を祈りにあてることを私は 主と自分自身に誓った。だからといって私が完璧に祈りの仕方を知ったという ことではない。逆だ。祈りに集中できず、雑念も入ってくるが、私はこの時間 を他の何物にも譲りたくない。

(今日は)11月1日で、秋は終わり冬が来る。もうすぐ木々はその生き生きとし た葉を落とし、地上を雪がおおうだろう。大地は閉ざされ、人々は十分着込ん でせわしく行き交うだろう。シカゴの冬は厳しい。死が身近になるときだ。し かし私たちは春が新しい命と不思議さをつれてやがては訪れることを知ってい る。私がその時生きていないことは、はっきりしている。しかし私は違った方 法で新しい命を経験するだろう。私は死後の世界がどうなるかは知らないが、 神が私に対して生涯を私の能力の限り主への奉仕に捧げさせたこと、主が今私 をそのもとへよんでいるということは知っている。

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かなり意訳し、省略も行っています。

YUKI



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