Charles Krauthammerについて


TIMEのESSAYの常連、Charles Krauthammerのことを調べてみました。といって も1つの記事を読んだだけですが、大体のことは解りました。少し古い記事です。

THE JERUSALEM POST DAILY INTERNETの1997年2月17日の記事からです。

*PEOPLE: The Right Man By HILLEL KUTTLER

これによると、当時46才ですから、現在47才か48才ということになります。思 っていたより若かった。1986年ピュリツァー賞受賞。

興味深かったことを簡単に書いておきます。

Charles Krauthammer, the unpredictable, confrontational, neo-conservative journalist

最初の書き出し部分ですが、どうやら新保守主義の論客で、世間の考え方とは 対立するらしい。ただ保守主義者だが、その意見は予測できない。これは保守 主義者と必ずしも意見が一致するとは限らないということです。Syndicated columnistという言葉も使われていますから、TIME以外にも、連載コラムをど こかで持っているはずです。記事にも少し出てきますが、Washington Postか もしれない。

ESSAYでも解るように、彼の論調は厳しい。例えば、クリントンがシリアのア サド大統領にあてた架空の手紙、という中で、Dear Hafez: You sonofabitch と書き出した。アラブの重要人物に対して、こうした言葉遣いをするとは失礼 だという意見に対しては、 "Sonofabitch is actually a mild term to describe a world-class thug and butcher" さらには"I think it's absolutely disgraceful how we sugar-coat the real nature of some of the thugs on the planet." 地上のごろつきどもには甘い言葉は必要でない、 というわけです。 (^^;

コラムニストが普通は得意な分野を持っているのに対し、彼はどんな分野にで も口を出す。しかもその驚くべき論理力で他の人の意見を粉砕する。しかしそ の結論は意外性も持っている。映画Independence Dayを賞賛し、IBMのDeep BlueがチェスのチャンピオンGarry Kasparovを破ったことに畏怖の念を抱く。 さらには性犯罪者を刑期終了後精神病院に収容することには反対する。本と新 聞が大好きだが、Internetがそれらにとって代わることを信じている。だから 普通の保守主義者のイメージと少しずれるところもあるようです。

彼の経歴はOxfordで政治経済学を学び、Harvardで精神科医になる勉強をし た。しかし再び、政治の世界に戻った。どうもOxfordからHarvardに行くと き、さらには専門医学実習期間終了間際というときに、まったく違う分野に 進むという一大転換をしている。

そして1972年に交通事故で脊髄損傷を負い、それから車椅子に頼る生活をして いる。"It's very expensive to be able to have just an ordinary life. My wheelchair is almost the price of a car, my car is practically the price of a modest house, my house - you can imagine the geometric progression here."普通の生活を送るのには、高くつくというわけです。しか し技術進歩のおかげで、仕事に差し支えはないはずですが、そしてあらゆるこ とを話題にする彼ですが、この事故とそれに伴う生活のことはまだ書けないで いる。障害者の権利云々もまだ書けない。25年間の年月を経ても、彼の中でま だ事件の記憶が生々しいのかもしれません。 "It's just very bad luck I had. I don't see anything more metaphysical than that involved. Everyone has their bad luck. Mine took this form."

イスラエルには1968年と1970年に訪れている。しかし少なくとも、この記事の 段階では、それ以後イスラエルに行きたいと思っても訪問できなかった。去年 の夏家族と一緒に訪問する計画だったようですが、果たして実現できたのかど うか。準備などが大変なようですから。

しかしここでもユダヤ人の国際性を思い知りました。例えば彼の家族を見る と、兄はブラジル生まれ、母はベルギー人。亡き父はGaliciaガリシア(スペイ ン北西部の大西洋に面した地域)出身で、フランスに帰化。第2次大戦ではフラ ンス人として闘い、それからキューバに移り、アメリカ軍相手にダイヤモンド 関係の商売をした。後にNew Yorkに移り(Charlesはここで生まれた)、不動産 業に手を出し、それからカナダに移り住んだ。まさに世界をまたにかけるユダ ヤ人、というイメージに重なります。

今は文筆業として安定しているが、これからの可能性としては以前の生活(精 神科医としての仕事でしょうか)に戻るかもしれない。なぜならば、"That's the agony of growing older. You have to close the doors as you go along. ... You finally have to realize you can't do everything." そ う、時間は待ってはくれない。彼が残された時間が余りないと覚悟したとき、 彼は本当にしたいことだけをするのかもしれない。そうしたら、もう彼の文章 も読めなくなるのでしょう。



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