杉原をさがして(Japan Times, Nov.16)


みなさん、こんにちは。

TIME Nov.18 MCI's New Extension(p.49)の記事を、少し不明のところもあっ たのでUPする予定でしたが、Japan Times の11月16日に気になる記事を見つけ ましたので、今日はこちらにしときます。MCIの記事は機会がありましたらと いうことで。

Los Angeles Timesからの転載記事です。

Shindler's Listの映画が世界で話題になっていた頃、通過ビザを発行したこ とで数千人のユダヤ人の命を救った杉原千畝氏のことを調べるために、一人の ユダヤ人学者が来日したという新聞記事を読んだことがあります。この記事で 紹介されている、Hillel Levine "In Search of Sugihara"(The Free Press,$ 25)が、はたしてその時の学者の研究成果なのかどうかは知りません。多分そ うだろうと思っております。

この記事では私が知らなかった杉原氏のことが、いくつか紹介されています。 Levineの本は世界各国の文書を詳細に追跡調査した最初の本のようです。ぜひ とも読んでみたいと思っています。

第1にリトアニアで、何故杉原氏が活動していたのかということについては、 Levineは日本軍部・外務省の諜報活動をしていたということのようです。当時 の情勢を考えれば当然でしょう。

杉原氏がビザを発行した時点ではナチのユダヤ人政策はヨーロッパからの追放 だったということを考えれば、杉原氏のような人が100人いたらHolocaustは防 げたであろうとのべています。

第2に日本の外務省にも杉原氏の行動を黙認する下地はあったということで す。これは、以前から何となくいわれていたことですから、そんなに新しい事 実というわけではありませんでしたが、ヨーロッパ駐在の他の日本人外交官も 正式の通行ビザは発行し続けていたということは知りませんでした。しかし正 式の書類を有していたユダヤ人の数は限られていたでしょうし、本国の方針通 りのことを実行していたわけです。杉原氏は、原則を曲げて書類不備の、ある いは偽造書類に対してビザを発行し続けたのであり、自分の命をかけてそうし たのです。この結果少なくとも10000人のユダヤ人の命を助けたということが 評価されているというわけです。人間の評価は、生き方は本当にむずかしい。

第3に杉原氏が戦後帰国したとき、外務省を辞めさせられたのは杉原氏側はビ ザ発行が原因だったと言い続け、確かバルト3国が独立した際に、外務省も幸 子夫人に正式謝罪したはずです。しかし本では外務省側の定員削減のためとい うのに分があると言っていますが、そうだとすれば、外務省は何故謝ったのか わけが分からなくなります。

第4に杉原氏のビザを受け取った人の半分しか生き残れなかったと言う事実。 あとの人はシベリア横断の勇気がなかったりあるいは資金がなかった、そして 殺されたということです。

この本の著者も問いかけているようですが、「何故妻や子供には優しく、宗教 心もあつい普通の人々が大量殺人者となるのか」。それはとりもなおさず、何 故杉原氏は「大量救済者となったのか」という問いかけでもあります。

杉原氏は死の一年前にインタビューに答えていったそうです。「私は何かをし なければならなかった。あの人達は、ナチから逃げることが出来なかったらど んな恐ろしいことが待ち受けているのかを私に話してくれました。そして私は 彼らを信じました。」それはLevineも言っているように、「深遠な哲学的な話 ではなく、人間の善良さを述べたものでした。

戦後50年経って、杉原氏の名前は完全に知られるようになりました。数年前 NHKが海外制作の「日本への脱出」を放映した頃からだったでしょうか。民放 も加藤剛主演のドラマ「命のビザ」を放送しました。既成の価値観が崩壊する 中で、しっかりとよみがえる価値観もあるのですね。

杉原氏のことは、イザヤ・ベンダサン(山本七平)の「ユダヤ人と日本人」を読 んだとき大学の友人が教えてくれました。当時の日本では知っている人は限ら れていたはずです。あのとき彼は何か新聞記事でも読んだのだろうかと今不思 議に思っています。

YUKI


YUKIさん こんにちは。

杉原千畝氏のこと...こういうお話しはいいですね。 日々何事も無気力であきらめがちな中で、あたたかく さわやかな気持ちにさせても らえます。ありがとうございました。

>>戦後50年経って、杉原氏の名前は完全に知られるようになりました。数年前
>>NHKが海外制作の「日本への脱出」を放映した頃からだったでしょうか。民放
>>も加藤剛主演のドラマ「命のビザ」を放送しました。既成の価値観が崩壊する
>>中で、しっかりとよみがえる価値観もあるのですね。
>> >>杉原氏のことは、イザヤ・ベンダサン(山本七平)の「ユダヤ人と日本人」を読
>>んだとき大学の友人が教えてくれました。当時の日本では知っている人は限ら
>>れていたはずです。あのとき彼は何か新聞記事でも読んだのだろうかと今不思
>>議に思っています。

私はテレビは 見ておりません、...何で知ったのか よくは覚えていないんですが。 やはり、新聞か本かで 読みしったのだと思います。そういえば 関口宏の「知ってい るつもり」でもやっていたようでした。 映画「シンドラーのリスト」見た後、本も読んだのですが、原作が82年ぐらいにでき たものであったと知って 不思議な感じがしました。 杉原氏のこと、スイスに眠っているNazi Gold,休眠口座にしましても、以前は やは り公にしても 取り上げられない時代の空気というものが あったんでしょうか。 日本で平和ボケしてる私でも、なにか 違ってきてるんだな〜と考えさせられます。

でも,日本は??戦後50年とはいいますが、旧態依然 ...あまり変わってないよう な気がするんですが。

Greeny


Greenyさん、こんにちは。

>>杉原氏のこと、スイスに眠っているNazi Gold,休眠口座にしましても、以前は やは
>>り公にしても 取り上げられない時代の空気というものが あったんでしょうか。

>>ニュースはそんなものかもしれませんね。ある大きな事件が注目をあびると、それと 関係のあるニュースが続々と出てくる。別にそれをきっかけとしてそんな事態になった のではなく、過去にも同じことは起きていたんでしょうが、ニュース性がないと判断さ れたのでしょう。だから生きている時代にどっぷりと浸っている人には、かえって変化 が分かりませんから、不思議に思うかもしれません。

>>杉原氏のことは、イザヤ・ベンダサン(山本七平)の「ユダヤ人と日本人」を読

「日本人とユダヤ人」の間違いです。ベン・アミー・シロニー著「ユダヤ人と日本 人」も、持っていますが別にこれと間違えたわけではないのですが・・・

YUKI



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