初めてのオフ


3月12日、五島MLの最初のオフがあった。私は今までオフというものに参加したことが無いから、これが初めての経験であった。

このオフは、もともとが五島のことを研究しているSさんという若い民族学専攻の方が来島されるということで急遽開かれたものだった。参加者数も分からず、どんなことをしたらよいのか、前もって全然計画していなかったし、いわばいきあったりばったりで開いたオフであった。メンバーは全員で4人しか集まらなかったが、楽しいものだった。

私は島内で、面白そうなところは大体訪れているが、それでも今はほとんど訪れないから、一緒に何カ所かの場所を訪れた。鐙瀬では、例のNew York Timesの記事が話題になった。ちょうどそこへ数名の観光ツアーの一行がやってきて、NYTの記事も詳しく説明していた。たまたま近くで聞いていたのだが、私は感心してしまった。ガイドさんの案内がなかなか分かりやすかったからだ.自分の持っている知識を簡潔に表現するのが大切だと分かったが、私にはこうしたことが少し苦手なようだ。

鐙瀬の、資料館には初めて入った。結構いろんなものが展示されていた。しかし一番面白かったのは、五島弁をまとめた小冊子だった。誰がまとめたのかも知らないし、ワープロで書かれたようなものを20枚くらい綴じたものだったが、単語ではなく、文章で書かれたものだったから生き生きとしていた。私の感じでは、五島弁にもかなり差があると思うのだが、これはそこまでは書かれていなかった。しかし私には大体理解できたから、子供の時に感じたほど五島各地の大きな違いは無かったのかもしれない。

それとSさんは、五島について書かれた本や論文みたいなものをいろいろ教えてくれた。専門的な論文などや、上五島の文献などは私はほとんどが知らなかった。ただその中で、陰陽道の呪術の話が面白かった。どうも悪霊退散を念ずるなかで、悪霊が蝦夷か五島の地に飛んでいくような呪文がでてくるらしい。まあ、蜻蛉日記や風土記の時代から、遠い日本の果ての島と思われていたことは知っているが、なかなか興味深い。

オフは、初めてだったが、最近は私は高校の同窓生のMLでもときどき発言している。今まで私はサイバー空間と現実空間を切り放す向きが強かった。これは情報収集とか、そういうことではなく、e-mailとか、チャットなどの相手とは必ずしも会えるとは思っていなかったというだ。もちろん会おうと思えば会えるが、それは可能性としてであった。ただどうやらこうした面では私の方が少し他の人と違っていたのかなと思っている。

e-palに会うために、大西洋や太平洋を渡ったe-palたちのことはさておいて、それらはあくまでも例外だと感じていたのだが、どうもそうでは無いらしい。オフが初めてというのも、考えて見れば、世間的には珍しいのだと思う。時代は急速に、サイバー空間と現実の空間の差を無くしているのかもしれない。若い人を見ていると、携帯を使ったe-mailは常識になりつつあるし、e-palと気軽にあっているらしい。

私は今年高校を卒業して島を離れる若者の、何人かに同級生のMLを作るように言ってみた。しかし彼らは、MLとは限らないが、とっくにそうしたことは考えているらしい。高校卒業後、友人たちの消息が徐々に途絶えて行く、そうしたことは無くなって行くのかもしれない。地域の差が無くなるのだから.そういえば、私の高校の同窓生のMLの管理人は、現在カリフォルニアに住んでいるようである。私は結構後になるまで、そのことを知らなかった。

インターネットが日常生活に溶け込んでいくということは、結局そういうことなのだろう。

2000-3-14



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