「英語を読む」 No.37


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「英語を読む」  No.37  1998-7-7日 発行     

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みなさん、こんにちは。 「英語を読む」No.37をお届けします。

今回は、ちょっと変わった内容になりました。

まず投稿の方から見てみると、The Storytellerは初めてBusinessweekからの 記事です。さらにMicroBusinessCourseさんからは、「英語を読む」No.36につ いての感想、及び関連内容の紹介ということになりました。どちらも今までに なかった試みです。

そして私の読書感想として、Isaac AsimovのThe Ugly Little Boyを載せてお きます。今年1月、Asimovを集中的に読んでみようかなと思って、私のHPには そのコーナーを作りました。ところが実行にうつせないまま、今日に至りまし た。先日集中して読んだら、結構楽しめました。他にもいくつか感想を書き留 めたのがあるので、少しずつ載せていきます。

しかし私の場合、読了した日と、感想を書く時が離れているせいか、詳細なこ とは書けないようです。別にノートを取っている訳でもなく、英語を読んだ後 に記憶に残っているものをそのまま書き記しています。Asimovはほとんどの作 品が日本語訳されているかと思いますが、私はFoundationの3と、科学エッセ イシリーズを除いて持っていません。当然読み違い・勘違いを含めて、定訳と タイトル・単語の訳等が違うかもしれません。(もし一致すれば私にとっては 嬉しいことですが)。しかし私の感想、いつも英語の本の場合は、易しくなり がちです。細かいところの感想もなかなか書けない。果たして正確に読んだの かと、不思議に思ったりします。

次号あたりで「Asimovを読んで」特集を発行するかもしれません。しかしこの へんは興味が二分される、というよりも購読者のほとんどの方にとって、全く 関心がないことかもしれません。このmailzineの性格づけがますます曖昧にな ってきますが、あくまでも英語を材料にして、いろいろ感じたことを書き綴っ ていくということで、ご了承ください。これからも内容によっては、全く違う mailzineの様相を呈することがあるかもしれません。

1998-7-7

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目次
1. アーミッシュの困惑(TIME 7/6)
2. 気になるNewsweek 98-7-06   by MicroWorldNews
3. The Storyteller (BusinessWeek 7/13) by T. Muramatsu
4. 気になる「英語を読む」 No.36 by MicroBusinessCourse
5. ネアンデルタールの少年 (by. I. Asimov)

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1. アーミッシュの困惑(TIME 7/6)

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TIME 7/6 US版の記事からです。

* Amiss Among The Amish
A drug indictment reveals that all is not well among the youth of an austere Christian sect
By NADYA LABI

前にこの会議室で議論が盛り上がったアーミッシュの人々についての記事で す。アーミッシュの2人の若者が麻薬売買で起訴された。自分たちの伝統に固 執する彼らにも、やはり外の風は強いらしい。

今回の事件はよくある話ですが、アーミッシュの若者が絡んでいるとなる と、TIMEも取り上げたくなるのでしょうか。2人の名前はAbner Stoltzfus24才 とAbner King Stoltzfus23才。名前が似ていますが、(多分読み違えていない と思います。それぞれfirst nameは1箇所しかでてきません) 姻戚関係はない ようです。それとC.S.という未成年のアーミッシュも関係はあるようですが、 彼は起訴されていない。他に起訴されたのはStoltzfusも、その一員であるモ ーターバイク・ギャングのPagansの8人。その中にはTwistedとFat Headという 2人が含まれているようですが、これは幹部かもしれない。

このPagansというグループは、自らをOne Percentersと名乗っている。エリ ート意識が強いのでしょうか。アーミッシュ同様黒い服を着て、Harley- Davidsonにこだわる。しかし鉄の規律を守るためには少々手荒いこともするよ うです。70年代から80年代は殺人・強奪・麻薬売買で警察ににらまれ、この頃 は少しおとなしい。それでも600人の構成員を抱える東部最大のbiker gangと のことです。先週10人のメンバーが起訴されたのは、10キロのコカイン売買容 疑だったようです。

今回アーミッシュの若者3人が麻薬売買を取引したのが、ペンシルバニア州、 Lancasrter群。20000人のアーミッシュの人々が暮らす地域です。終末になる と16才から20代半ばまでのアーミッシュがrumschpringes、通称Time Outとい う集会に集まってくる。町の中心部ではなく、outlying farmsで開かれるとあ ります。結婚前の憂さ晴らしというか、結婚相手を見つけたり、バイク(車)に 乗ったり、中には酒を飲んだりタバコを吸ったりするらしい。後の3つはいず れも成人の大人というか、baptized churchgoersには禁止されているもの。洗 礼はここでは、一人前の大人への儀式として執り行われているようです。だか らアーミッシュの教会に通うようになれば、もうこうしたreal world、現世の 楽しみは出来ない。いわばそういう意味で、Time Outなのでしょう。だから陽 気に歌ったり踊ったりするお祭りのようなものだと思いますが、そうした中で でコカインが使われた。2人のStoltzfusとC.S.は、そうした若者の中の3つの gangs、つまりAntiquesとthe Cricketsとthe Pilgrimsにコカインを売買した 容疑のようです。なおここでいうgangは、犯罪には関係無いと思います。

アーミツシュほど、現代文明に警戒心を持っている人たちもいないが、それ でも麻薬は進入してくるのですね。既に40%の人々は農業以外の職業に従事し ている。自分たちの外側の"English" worldは、たとえテレビを見なくても、 観光客などを通じて入ってくるのでしょう。多くのアーミッシュの若者たち は、Time Outを楽しんで、やがて洗礼を受け、教会の教えを守るようになる。 スリルに満ちた生活が満足すべきものとは思わないし、アーミッシュの共同体 の中で安定した生活を送ることに価値を見いだすようになる。

しかし麻薬がすべてを変えてしまうかもしれない。TIMEの最後はこう結んで います。How long can stability last if Time Out lets sin in?

20000人の人々がアメリカ文明と隔絶して生きている。私は彼らが使用してい る言葉は、英語かどうか知りませんが、少なくともEnglish worldの虚しさ・ 空虚さを感じている。やはり驚きです。

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2. 気になるNewsweek 98-7-06   by MicroWorldNews

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*The Amazon's Slums

さて今週号も一応訪中の記事がトップなのですが、テキストは1ページ程度と 控えめなので、また来週にもwrap-upが出そうな気がします。そこで今週は地 球の裏側アマゾンについて探求してみましょう。近年は熱帯雨林の保護ばかり が強調されていますが、それだけではすまされない現状が描かれます。

豪華なオペラハウスや高層ビルの傍らには犯罪と伝染病のスラム街、途上国の ステレオタイプともいえるこの光景がアマゾン熱帯雨林地帯の中心に位置する 120万都市マナウスの実状です。アマゾン流域の人口は20年前の600万 から1700万となり、その60%がこのような都市に集中しています。現在 も土壌の消耗で生活できなくなった農家や牧場主その他の失業者などが新天地 を求めてこのマナウスの他Belem、Macapa、Palmasへと流入が続き、当然上下 水道や廃棄物回集の整備が遅れ、マナウスにはバイク・TV・家庭用品を年 1300万ドル生産する輝かしい産業パークもあるものの、最近はコスト削減 で労働者を40%以上削減しました。西部国境に近い上流域の都市RioBranco も26年で人口が4万から25万に膨張しました。この地方は雨林保護の先駆 的活動家であったChico Mendesの故郷ですが:

”彼の雨林保護活動によってブラジル政府は、伐採せずにゴム・オイル・ナッ ツなどを収穫するために数百万エーカーを確保させられた。しかしMendesの後 継者らは雨林保護は雨林に寄食するよりも容易なことだと気づいたのだ。そし て数千人が市内に流入し、失業し、現実に直面する。”

”薬物中毒や肝炎の蔓延、そして伐採樹木の株から生じる蚊に媒介されるリシ ュマニア症。これは自然の逆襲である。”

”アマゾン学者は、なおも言続ける:「こういう都市移住者1人1人は雨林に 住むよりずっと環境への害が少ないものだ。」しかしその効果は明白ではな い。多くの都市の住民を養うために周辺地域は多量の食料・水・エネルギーを 供給しなければならない。スラム住民が自前で焼却する大量のゴミが雨林火災 にとって変わる。”

環境保護にせよ資本投下にせよ、大国の身勝手な、あるいは善意と無知から生 ずる、あるいは思慮を欠く活動が、途上国に予期せぬ結果をもたらしてしまう のは、この非決定的な系においては本質的に不可避なことなのでしょうか。私 たち1人1人のごくささやかな誠意と予見すらも、無数の増幅の連鎖を経て、 瞬時に巨大な振幅の波動へと変換させる可能性を、この時代は秘めているので す。しかしまさにこの可能性こそが、さらに不吉な破局の予兆をもをすでに未 然に摘みとっていたのかもしれません。

by MicroWorldNews

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3. The Storyteller (BusinessWeek 7/13) by T. Muramatsu

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スティーブン・スピルバーグが1997年に設立した新会社 DreamWorks は,期待 されたほどの滑り出しではありません.しかし最近作 Deep Impact の好調に 続き,今年の後半には近く公開されるスピルバーグ自身のSaving Private Ryan を始め3本の注目策をリリースする予定で,いよいよ本格始動という感じ です.また,スピルバーグは映画にとどまらずゲーム製作,テレビアニメ,レ ストランと多方面に事業を展開する実業家でもあります.こうした活動につな がるアイデアのルーツはどこにあるのでしょうか.

「スピルバーグの原点は,自分の作るストーリーをできる限り多くの人に伝え たいということにある.彼は子供の頃の体験を,豊かな想像とともに心に刻み つけ,後にそれをもとに数々の大ヒットを生み出した.『ET』は1966年に離 婚してしまう両親の間での不安な体験を映画にしたものであり,『未知との遭 遇』は4歳の頃父親といっしょに流星を観測した時の印象がモチーフになっ た.彼は恐がりな子供だった.木の枝が家に当たってこすれる音を聞いただけ で,母親のベッドに飛び込んだ.そんな時の恐怖感が『ポルターガイスト』の ような映画に描かれている.」

「彼の『恐怖体験』は,高校時代にカリフォルニアからアリゾナに移った後も 続いた.ユダヤ人の彼に対するクラスメートの仕打ちが,後に『シンドラーの リスト』への思い入れとなった.両親の離婚が次第に確実になるにつれ,学校 の成績は落ちていった.やっと卒業したものの,映画を勉強するために志望し ていたUCLAにも南カリフォルニア大学にも入れなかった.そしてハリウッ ドに近いと言う理由でカリフォルニア州立大学ロングビーチ校に入学したが, テレビ番組制作のコースでC評価を受け,結局中退した.」

しかし彼はすでにずっと以前から映画を作っていました.州のアマチュア映画 コンテストで優勝したこともあります.18歳の時には,地元の映画館で映画が 公開されるまでになっていました.(この映画を77年にリメイクしたのが『未 知との遭遇』です.)映画は,彼にとって湧き上がるアイデアを表現する絶好 の方法だったのです.

「11歳の時に,父親からもらった8ミリカメラで初めて3分間の映画を作ったス ピルバーグは,自分は映画監督になると決心していた.映画を作っている間 は,自分の周りのさまざまな恐怖から逃れることができた.彼は恐い話を作る のが得意で,それが友人関係にも役立った.ボーイスカウトのキャンプに行く と,昼間は何を考えているのかわからないような彼が,夜は主役になった.彼 が幽霊の話を始めると,皆静まりかえってそれに聞き入るのだった.」

「51歳の今も,スピルバーグは子供のように熱っぽくストーリーを話して聞か せる.普通の人よりも潜在意識が強いのだと評する人もいるが,最近はそれよ りも7人の子供との生活がアイデアの源となっているようだ.彼は父親になっ てから大きく変わった.DreamWorks との契約では,彼は毎晩夕食に間に合う ように帰宅することになっている.家族がテーブルにつくと,スピルバーグは ストーリーの大筋を書いた紙を子供に渡し,順番に思い付くまま肉付けさせて いく.まだこの作業から映画が生まれたわけではない.しかし『シンドラーの リスト』の権利を買ってから10年近く経って,ついに映画化を決断した重要な 動機は,家族との交流だった.家庭を持ったことがきっかけで,自分がユダヤ 人であることを再認識した彼は,それを子供たちに伝えようと思ったのだ.」

ここからは彼の経営者としての姿が描かれています.ストーリーの創造者とし ての役割を最大限に果たすために,非常に合理的な仕事のスタイルを自ら作っ ているようです.

「スピルバーグは DreamWorks の運営を,永年の友人で映画製作者でもある W. Parks, L. MacDonald 夫妻に任せている.毎週木曜日,2人はスピルバーグ と会い,新しいアイデアや進行中のプロジェクトの状況について打ち合わせを する.スピルバーグは最初はおとなしく聞いているが,突然矢継ぎ早に質問を 始め,やがてストーリーに関する自分の考えを展開していく.」

「彼がひとたび製作にゴーサインを出すと,そのあとは驚くべき速さで仕事が 進んでいく.効果,監督といったあらゆる分野に,彼が声をかければすぐに動 き出せる人材を確保しているのだ.製作者としてのスピルバーグは,これと見 込んだ監督には全てを任せ,自分は裏方に徹する.しかしそこまでの力量では ないと判断すれば,自らキャスティングの変更や脚本の書き直しを行なう.勿 論監督の意見を聞くこともあるが,最後の決定は彼が行なうことになる.」

しかし,金銭面を他人任せにするという,芸術家にありがちな姿はここにはあ りません.

「予算については非常に厳しい.コッポラなど最近の映画製作者が巨額を投じ て作った映画のために苦しむことになったのとは対照的だ.Saving Private Ryan の製作中,セットのレーダー施設が誤った方向を向いて作られていたこ とがわかった.普通ならまた莫大な金をかけて作り直しになるところだが,彼 はそのまま使えるように即座に脚本を書き直した.」

「コストを抑えるだけではない.自分の収入についても非常に合理的な条件を 引き出している.『未知との遭遇』を作った頃は,一作あたりの前払金で契約 していたが,『レイダース』を監督した時,製作者のジョージ・ルーカスが歩 合契約をしているのを知り,その後は配給収入からコストを差し引いたあとの 金額に対し,監督作品では20%,制作作品では50%の契約になっている.」

「最近ではスピルバーグの関心は映画にとどまらない.その事業をあげれば, テレビアニメなどを製作する Amblin Entertainment,セガおよびユニバーサ ル・スタジオとの協力によるアミューズメントセンター Sega Game Works,イ ンターネットコンテンツの idealab!,マイクロソフトと組んだゲームソフト 会社 DreamWorks Interactive,そして DreamWorks 共同出資者のカッツェン バーグと折半出資のレストラン Dive にまで及ぶ.また,『シンドラーのリス ト』の後に8500万ドルを投じて開始した,ユダヤ人の文化及び教育に関する慈 善活動は,すでに5年になる.」

「しかし,いつかアイデアが尽きてしまうという不安はないのだろうか.この 質問に対する彼の答は明快だ.『僕の話を全部伝えるには,一生かかっても足 りないんだ.』」

by T. Muramatsu

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4. 気になる「英語を読む」 No.36 by MicroBusinessCourse

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*Pieces of Advice for Japan

今週NewsweekのPERSPECTIVEに、Japanと書いた高級車の車内から手を出して物 乞いするExecutiveを描いたマンガがありましたが、米国からみた今の日本の 姿はまさにこんなものなのでしょうね。

まったくかの国のビジネス書は今でも日本の礼賛で埋まっているというのに、 昨年東京では中央線の「人身事故」で連日のようにダイヤが乱れていたんです が、これだけ敗者を出してしまったのに、まだ競争を管理していると信じられ ているとは。私には米国のスポーツ界も日本に学んで管理が進んだように見え るんですが、それはともかく、いくら何でもYankeesだなんて、どうせなら南 米や東欧のサッカーチームの方がずっと安上がりでしかも人気も高いはず。こ れぞグローバル化のご利益というものじゃないでしょうか。

そしてこの記者は一般の日本人がInternetのおかげで何千人もNYTを読んで国 際化してしまい、最小限の英語しか話せないタクシーの運転手に道を教えなけ ればならないNYで生活しない幸せを密かに噛みしめていることも知らない。

それから、すでに超一流大学の学生が外資系企業に殺到していること、ハイテ ク展示会にいけば各大学の出展がひしめいていること、長年届いていた各種米 系カード会社のDMが最近こなくなったこと、私が本を買いたくてもこれ以上 家に入らないのであきらめていることなども勿論知らないのでしょうね。せめ て衛星通信の電子ブックとかのような、もっと売れそうな提案をしてほしいで すよね。

そして最後が一番問題です。大蔵省を解体してしまったら、一体誰がグローバ ル化改革を代替できるのでしょう?金融界には学識・経験あるエコノミストが 決定的に不足しています。仮に大蔵省を解体し人材を金融業界に配置したとし てもこれでは恒例の天下りとまったくかわるところはありません。今からサマ ーズ副長官を講師に招いたとしても、エコノミストが育ち景気回復するのはい つになることやら。

という事情さえ承知いただければ、私たちはアメリカのご指導・ご支援を心か らお待ち申し上げているんですけどね。

*Middle Management 101

この記事は慣れぬ職場で戸惑う筆者のまじめさが面白いですね。今の世の中ミ ドルマネジャはライターよりはるかに多数派であるはずで、世界のTime読者に は、他のいろいろな職業と同様あまりありがたくもない、かといって耐えがた いわけでもないこの職業も、少しはほほえましいものにみえてくるかもしれま せん。

さて、リーダはpredictableでなければならないと米国ではよくいわれている ようです。しかし同時にオリジナルな部分をもっていると信じられています。 つまり、他人を驚かせる/驚かせない、を自己コントロールできればOKとい うことです。相手が多い場合ほどついうっかり驚かせないよう配慮が必要で す。Gates氏などは有名人になってからは当たり前の発言ばかりです。 performance art の要素を含むのは管理職に限らず政治家とか目立つ地位にあ る人すべてがそうなので、だからこそ元俳優がしばしば大統領に当選したりも するわけです。誰だって自分がどんな上司の下で働きたいかを考えると、やっ ぱりbroodyよりchipperの方がいいでしょうね。だから、Kinsley氏にはお気の 毒ですが、そういうマネジャの方が利益が出てしまったりするんですね、結 局。

ところで最近読了したHow to Think Like a CEOは、数百人のCEOにインタビュ ーして共通部分を抽出したというもので、即ちperformance artの領域です が、CEOに限らず人々と協力して仕事をするあらゆるリーダに通用するような 22ヶ条をまとめているのがおもしろい。この第7条に"Original"があって、 他の21ヶ条を超える独自性が必要だとしています。この22ヶ条に関心のあ る方はぜひ本誌編集人宛ご請求下さい。状況によっては近々掲載されるかもし れません。

ところで、昨夏オーストラリアでホームステイした人の話では、そこの家族は 室内も庭も裸足で過ごすということでした。最近外国へ行かないのでよくわか りませんが、relaxしたlifestyleとして定着してるんですかね。

by MicroBusinessCourse

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5. ネアンデルタールの少年 (by. I. Asimov)

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*The Ugly Little Boy (1958)

作者自身が3番目に好きな作品と言っている作品である。確か、どこかで読ん だ記憶はあるのだが、どこでかははっきりしない。大型のペーパーバックで33 ページの作品だから、短編としてはかなり長い。Asimovには珍しく感傷的な作 品かもしれない。

ベテラン看護婦のEdith fellowesが、Stasis, Inc.という会社に就職するとこ ろから始まる。採用条件は、子ども好きということ、しかも醜い子どもでも好 きか、という変わった条件であった。そして確かにEdithが世話することにな る子ども(あるいはそのように見えるもの)は、額は平たく、足はがに股で汚れ まみれで、この上なく醜かった。どうやらこの子は4万年以上前のネアンデル タール人らしいのである。

Stasis Section Oneと名付けられた区画は、過去の植物・鉱物そしてついには ネアンデルタール人までも現代につれてきた場所であった。他の植物等は2週 間交代で新しいものに取り替えられるが、Timmieと名付けられた少年は既に3 年間収容されている。ただし、Stasis Section Oneにあるものはどんな小さな ものでも、外界に持ち出すことは出来ない。一瞬たりとも、どんな理由があろ うとも。このへんは私にはよく分からないのだが、もしそうしたことでもする ものならば時のエネルギーはすさまじく、Stasis, Inc.全体をも吹き飛ばして しまうものらしい。

とにかくTimmieは自分が住んでいた場所から、突然時空を越えて自分の意志に 反して連れてこられた少年だった。Snatched callously out of time, it was now the only creature of its kind in the world. The last. The only. そうしたTimmieに対してEdithの中にも母性本能らしきものが芽生えているら しい。しかしStasisにとって、Timmieもそろそろ負担になりかけてきていた。 世間からは忘れられかけているし、企業として存続していくためにも、別な大 がかりな実験を行うことになった。それは歴史時代から、具体的には中世から 現代人にも理解できる言葉を話す人をこの時代に連れてくることだった。その 実験が成功すれば、Timmieの存在価値はほとんどないから、彼は再びもとの場 所に返されてしまう。

周囲の人々からape boyと蔑まれ、自分以外には頼るものとてないTimmie。 Edithはそんな彼に、文字を教えたり、picture tapeなどを使っていろいろと 人間的教育をしてきた。しかし別れの日は迫っている。中世の農夫が無事に、 この世に連れてこられたとき、彼女はついに前から決めていたことを決行し た。And Stasis was punctured and the room was empty.

キースの「アルジャーノンに花束を」に通じるペーソスに満ちた作品です。

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