Weekly「今週の英語雑誌」 No.22


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Weekly 「今週の英語雑誌」  No.22  1998-2-20日 発行     

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みなさん、こんにちは。

Weekly「今週の英語雑誌」No.22をようやく発行することが出来ます。No.21の 発行が1月17日になっていますから、これでは週刊どころか、月刊になってし まい申し訳なく思っています。

この頃少し忙しく、各雑誌への感想をかくことが出来ませんでした。またMail Magazineを発行し続けていることに、疲れてきたのかもしれません。今回も 前号から少しずつ書いていたものを集めたものになっていて、古いものが多く かつまとまりのないものになっています。

ただ今回書いたものを整理していて、分量的には2月4日に「地底の洞窟の壁は 生きている」を書いた段階で、No.22を発行しようと思えば可能であったとい うことが分かりました。私は昨日久しぶりにNiftyの会議室に感想を2つ書いた ので、もしかしたらこれでWeeklyを発行できるかなと思って確認してみて、こ のことがようやく分かりました。ここ1カ月の間Weeklyのことも忘れがちだっ たもので、どれくらいの量になるかをつい忘れてしまっていたようです。古い 感想のは外して、比較的新しいものだけを入れることも考えたのですが、次号 をなるべく早く発行するために古い感想も省かずにそのままにしておきます。 ご了承下さい。なお最新の感想は私のHPに載せてあります。

4月になると少しは時間的に余裕があるようになると思いますが、3月までは少 し厳しいかなと思います。しかし1カ月間休んで、気分的には吹っ切れたとこ ろもありますので、案外順調に発行できるかもしれません。

1998-2-20

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目次
1. Sunday Times 1/25
2. Unabomber、死刑を免れる(TIME 2/2)
3. Sunday Times 2/1
4. 地底の洞窟の壁は生きている(US News 2/9)

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1. Sunday Times 1/25

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昨日久しぶりに感想を書き上げたら、行揃えの段階でMACがfreezeしてしまい ました。かなり長い文章だったのでがっかりしましたが、気を取り直して今日 から少しずつUPしてみす。それとこの間、私のMACも少し調子が悪い。シス テムの再installなどをやりましたが、今でもひらがなの「ろ」とテープの「 ー」のkeyが打ち出せません。文字変換も速くなった代わりにどこか違ってい ます。そういうわけで変換がめんどくさいときには変なところで、英語が入っ ていますが、これは「ろ」と「ー」が絡んでいるところだと了承して下さい。 他のkeyでなくて(あまり使わないkeyで)助かってはいますが。

The Sunday Times 1/25のWorldからです。今週は、TIMEもUS Newsもそして多分 Newsweekもクリントン一色でしょうが、他の記事の感想を簡単に書いておきます。

1. Clinton: sex with 'hundreds of women'
New claims raise pressure on president to resign

このタイトルだけは、日本ではあまり報道されていないようですが。

2. Sex, lies and gifts from the 'creep' on Lewinsky tapes
Transcript of Lewinsky tapes released on the Internet last night by
Newsweek magazine

Newsweekが最初にInternetで報じたとされる、Monica LewinskyとLinda Tripp のテープの内容です。多分今週号のNWには詳しく載っているのでしょう。

3. Mugabe's unwanted 'palace' taunts Zimbabwe food rioters
House becomes potent symbol of gulf between veteran Marxist and
impoverished people

ジンバブエのムガベ大統領とその妻Graceの贅沢な暮らしぶりに非難が集中し ているようです。ムガベはGraceと1996年に結婚しますが、そのときfirst ladyのために家を贈った。これがGracelandとも言われるもので、経済不振で あえぐ国民の目から見たらとんでもないものらしい。32の部屋を持つ煉瓦づく りの家のようですが、周囲は3軒の使用人達のコテージがリング状に囲み、中の 様子を外からうかがい知ることは出来ない。100万ポンドということですか ら、大したこと無いかなとも思いますが、ジンバブエの現状からしたらとんで もないのでしょう。1979年から政権の座にあるムガベとしても、例えばWhy should one family milk our resources?というような批判の声が出てきてい るようです。

4. Botha 'ordered London bombing'
South African major admits taking part in attack

南アのボサ前大統領は、はたして真実和解委員会(TRC)の追求の手を逃れるこ とが出来るのか。あくまでもTRCに対して自分はなんら責任はないと言い張っ ているボサに新しい事実が次々に出てきている。今回は1982年Londonで起きた ANC本部にたいする爆弾事件の責任が問われている。その実行犯たる南アの情 報部員が真相を話し始めた。他にもボツワナ、ザンビア、ジンバブエでの爆弾 事件も同様に当時の南ア指導部が関与している疑いが濃い。82才のボサは相変 わらず強気のようですが、どうなるのでしょうか。

5. Wounded animals at bay in Kabul's zoo of horror
Prospects for survival grow bleaker by the day

アフガニスタンのKabulの動物園の悲惨な状況の記事です。タリバンの首都制 圧以来、動物園職員達の懸命の努力もむなしく、益々悪化している。かつては 92種の動物を有し、学術研究上も動物園は今では荒れ放題のようです。前線か ら休暇で首都に帰ったタリバン兵士にとって動物園はお気に入りの場所だそう です。雪つぶてや石を動物に投げては憂さをはらせるからです。 (^^; 多 分このままでは今でも19種しかいなくなった動物園から動物達がいなくなるの はそんなに遠いことではないかもしれません。

6. Castro's men panic amid Pope-mania
Decision to invite leader of Roman Catholic Church puts militant revolutionaries on edge

John Paul II法王はCuba各地で熱烈な歓迎を受けているようですが、はたして 今後のCubaにどんな影響を与えるのか。Castroは生き残れるのか。Cubaは社会 主義から無事に軟着陸できるのか。確かなことは、今回の法王の訪問をきっか けにCuba社会が「訪問前」と「訪問後」に分けられ、はっきりとした変革が起 きるということ。

7. Trail of lost boy leads to Bogota sex rings
Sex industry said to employ more than 20,000 boys and girls

スペインの山中で学校の旅行中に行方不明になった12才の少年は、本当に大西 洋を超えたColombiaまで連れ去られたのか。今やColombiaは児童売春の中心地 になった。全国で2万人、首都のボゴタだけで7000人の少年少女達が性産業に 従事している。ペドファイル達は、観光客としてフランス・Belgium・チェコ などからからやってくる。実際に少年がColombiaに連れ去られたかどうかはま だ不明なようですが、どうも似たような運命の少年少女も多いようです。

また書いた文章が消えてしまったらかないませんから、さしあたりはここまで にしておきます。

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2. Unabomber、死刑を免れる(TIME 1/23)

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*Crazy Is As Crazy Does
Why the Unabomber agreed to trade a guilty plea for a life sentence

Unabomber事件は思い掛けない方向で解決を見たようです。

Theodore Kaczynskiは、一連の犯罪を認める代わりに死刑判決ではなく、終身 刑の道を選んだ。検察側も、被害者側も、裁判が長引いたり軽い刑が宣告され るよりも、終身刑に同意した。Kaczynskiの母親Wandaと弟のDavidは、結果 を「適切で公平な民主的なもの」と受け入れた。あっけない結果のような気も しますが、自分の罪を認める代わりに刑の減軽をはかる司法取引という制度は 案外いいのかもしれません。

ポイントは最後までKaczynskiの性格にあった。人は誰でも生きる上での自尊 心というものがあるが、彼の場合それは自分の頭脳の明晰さということにあっ た。最初から最後まで、この点に疑いを挟む人物に我慢は出来なかった。だか ら弁護側が死刑判決を避けるべく彼の精神異常を問題にしたことは許せなかっ た。弁護士を解任して、自己弁護(represent himself)しようとしたが、裁判 所は認めなかった。そうすると法廷で彼の精神的欠陥が論議されることは避け られなかった。ここで彼も遂に自己の有罪を認めた。

しかし最後まで彼の心は伝わってこない。法廷ですぐ近くに座っている母も弟 も認めず、自己の犯罪を後悔もせず、そして後ろを振り向くこともなく、終身 刑務所で過ごすために法廷を立ち去った。彼の心では、死刑判決を受けること と自己を精神異常者だと断定されることのどちらが耐え難かったのだ ろうか。

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3. Sunday Times 2/1

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1. A.Cクラークのペドファイル疑惑

私のMacはどうやら元に戻りました。といってもこれは別にMACが壊れていたわ けではなかった。原因はシステムの再インストールにあったようです。Macは キーボードを4つ選べるようになっているのですが、これがどうも初期化され ていたらしい。しかし私はこれを購入してからも、変更した覚えはなかったの で、全く気づかなかった。私のとんでもない無知をさらけ出してしまったわけ です。

しかし少し不思議に思ったこともありました。私はこれを1年くらい前に買っ たとき、軽くするためにHDに入っていたソフトで不必要と思われるものは、最 初からほとんど削除してしまった。システム関係のものも私のとは違うプリン ターやら、フォントやら小さなものまでも結構削除しましたた。それでもその あと別にあまり悪影響もなく、動いていたのでつい慣れてしまっていじること もなくなっていたわけです。

WindowsではInternet Explorerのアイコンを消去したらどうも悪影響が出るら しい、文書ファイルなども簡単に消去したりrenameや属性をかえるのが面倒だ とかというような記事がよく見かけますが、私にはよく理解できない。この辺 のことは全くWINDOWSを知らないので、誤解もあるかと思うのですが、どうや らこの辺はMACは心配ないらしい。まあしかしキーボード1つとっても慣れとい うものは恐ろしい。前にも経験したことですが、たしかに1つのソフトに習熟 すればするほど、他のソフトに乗り換えることは出来ないですね。私は今回は たった2つの文字のために、大いに不便さを感じました。

まあおしゃべりはこれくらいにして、今週のThe Sunday Timesから最初の感想 を書いておきます。 WORLDの欄からですが、ここにはクリントンのスキャン ダル記事が1つも見当たらない。これはちょっと意外でした。 (^^; 

*Arthur C Clarke sex scandal hits Charles's Sri Lanka visit
Trip already marred by terrorist attack on temple

2001年の著者、アーサー・C・クラークが自らをペドファイルであると告白し た。本当かどうか知りませんが、私にはクリントンのスキャンダルよりもこち らの方が関心があります。どうもバランス感覚がとれていませんが。 (^^;

大衆紙Sunday Mirrorがやはり2/1づけで報道するようです。このスリランカに 住む、そして生存中のSF作家では多分もっとも有名な作家のことは、最近TVで 元気な姿を見たばかりでした。

今週スリランカ独立50周年の式典が行われるのを機に、チャールズ皇太子がス リランカを訪問する。そのときにクラークはナイト爵を皇太子自ら授けること になっているようです。これは80才になるクラークが車椅子の生活をしていて 訪英出来ないからですね。それにナイトの称号を授けること自体が、ブレア政 権にとって最初のことですし、クラーク自身にとっても名誉なことはもちろん ですが、ブレア自身もかなり力を入れているみたいですね。多分ナイト爵を授 けることを決めたのはブレアだと思うのですが、クラークは1989年に既に英帝 国勲爵士(CBE,Commander of the British Empire)を授けられています。

イギリス側は予定通り、授与式を行うと言っていますが、スリランカの反応は そうではない。スリランカがクラークが住んでいることに誇りを持っているの は確かで、減税などの措置を講じている。彼が住んでいるということが世界に 与える影響力は強いのでしょう。彼がgayであるということは知られていた が、もちろんペドファイルであるという噂はなかった。スリランカ政府は真相 を知ろうとしていますが、もし報道が事実であれば、homosexualityの疑惑だ けで、スリランカでは最高10年の犯罪になるようですから、クラークにとって スリランカは今までのように天国でなくなりますね。

さらにイギリスにとって頭が痛いのは、独立記念式典が行われる予定の寺院が 先週爆破され、17人の死者が出たこと。これも例によって自殺覚悟のテロリス トの仕業です。そうでなくともスリランカで多数派の仏教徒からは、イギリス が分離派「タミルの虎」Tamir Tigersに甘いという不満が出ている。 TamirTigersがロンドンで活動資金を調達している批判している。だから仏教 徒の指導者は式典のボイコットを呼びかけ、爆破事件後はイギリスに謝罪も要 求している。

クラークの告白と勝するものも本当かどうかは分かりませんが、チャールズに とってやっかいな旅になりそうですね。

2. Australia's anti-royalists break ranks
Republicans hope to elect president within three years

オーストラリアではイギリスからの完全独立派、というか女王を象徴的とはい え国家の指導者とはみなさない共和制主義者の勢力が強くなっています。最近 の調査では、67%が共和国に移動することを望んでいるようで、現状通り君主 制のままを希望するものはわずか27%。どうやら共和制主義者は3年以内に大統 領を選出することを目標に今日(2/2)から大会を開くようです。

しかし女王から大統領を国家指導者とすることでは一致するものの、共和主義 者間の将来へのブィジョンは様々なようです。首相のjohn Howard自身は君主 制主義者ですが、共和制主義者達に早急に国民投票にかけるような案を提出せ よと言っている。期限が2001年までということになっていますが、これは2000 年のシドニーオリンピック、2001年の英連邦加入100周年のチャンスを逃した ら、この議論が立ち消えになることを見越してです。ハワード首相自身はIt is the symbolism of the present system rather than the system itself which should be discarded.と言っています。Itは女王に代表される君主制だ と思います。そうだとすると君主制は現体制の象徴なのであって、廃止される べきシステムそのものではないということでしょうか。whichはその前の system itselfにかかる関係代名詞ととりました。まさかIt is .... whic h....という強調構文と言うことはないですよね。

とにかくこの機会に原住民代表は組織そのものの見直しを要求するし、大統領 の権限に関しても議論百出。女性代表は大統領を男女交互に選出することを制 度として要求。さらに国旗からユニオンジャックを取り除いた旗が出回った り、アボリジニの人々に過去の虐待を謝罪する本を全国的に配布したり、はた して共和制側は大同団結できるのでしょうか。

こうした中で君主制主義者は分が悪い。オーストラリア出身のハリウッドスタ ーMel Gibsonは君主制支持を打ち出したためにさんざんのようです。

しかし果たしてオーストラリアが大統領制に移るかどうかはまだかなり厳し い。手続き上の問題として、オーストラリアの6つの州のうち過半数が憲法改 正に同意しなければならない。君主制支持派は人口の少ない2州(South Australia, Tasmania)を押さえている。さらにQueenlandもどうやら共和制移 行を認めない感じですね。201年が最終期限だとすれば両陣営ともあまり時間 は残されていない。どうなるのでしょうか。

3. Moscow's ice police turn heat on roof killers
11 killed and 120 injured last year by dagger-shaped icicles

どうやらロシアの冬で恐ろしいものに、屋根から落ちてくる短剣状のつららが あるらしい。去年モスクワだけで、つららによって11人が死亡、120人が負傷 した。

そうしたことを防ぐためにモスクワ市長のユリ・ルツコフは、非常事態とでも 言うべき対策を採っているようです。「つらら対策警察」とでも言うべきもの を設置した。彼らは市内の4インチ以上のつららを破壊すべく任務を負ってい るようで、その中にはロッククライマーも含まれている。被害者がモスクワ市 に損害賠償を請求するのが、負担になってきていることもあるようですが、本 当のねらいは市長のルツコフが大統領選挙を視野に入れているからのようで す。モスクワで効率ある政府の成果を作る実績づくりをねらっているわけで す。

かなりの資金と労力を投入しているのでしょうが、果たして効き目はあるの か。先週はプーシキン広場付近でつらら撲滅作戦を実行したようですが、この へんは革命前の建物が多く、屋根がスロープしている。icicle policeの中に 負傷者がでなければいいですが・・・

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4. 地底の洞窟の壁は生きている(US News 2/9)

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* The walls are alive
Deep in a cave, scientists glimpse a strange new biology

地球上にもまだまだ知られていない生物がいるという話しです。

南メキシコのタバスコという小さな町の近くにCueva de Villa Luz、英語名で はCave of the Lighted Houseという硫黄が充満している洞窟があって、地元 の人は長い間そこには強力な悪魔(powerful spirits)が住むと信じてきた。こ こに住むのはマヤ族が多数を占めているようですが、今でも、豊穣の儀式を執 り行っている。そのときには洞窟の中を流れていて、その入り口で消えている 乳白色の川でとれる小魚を捧げることになっている。

この酸性の蒸気が満ちている洞窟を調べた結果、驚くべきことが分かった。22 人からなるアメリカの調査隊が、ガスマスクをつけて1マイルの深さまで調査 したようですが、その環境からいって常識では生物がいるとは思われない。し かし石灰岩の壁には生物が存在し、所によっては0.5インチにもなる微生物の 粘液で覆われていた。さらに洞窟内には地表の生物に似ている多くの生き物も たくさん見受けられた。これも地表では見られない多くの微生物が存在するか らと思われる。

どうやらいままで知られていなかったのはもちろんのこと、生物学の常識を超 えた生物が存在しているらしい。地底数マイルの堅い岩の近くには、単細胞の 生物が多く存在する。そして今までどの生物も存在するとは考えられなかった その環境と、そこで生きている奇怪な生き物はもしかしたら、他の惑星に生物 が存在するかどうかを解明する鍵となるかもしれない。

今までも洞窟内で微生物が発見されたことはあるが、こんなにも豊富ではなか った。多くの地質学の教科書は、石灰岩の洞窟には生物はいないと考えてい る。それによれば空気中や鉱物の中に含まれる二酸化炭素と水が反応して出来 た弱い炭酸が少しずつ土地を浸食して自然の洞窟が出来たということになって いる。しかし最近地球科学者の中には別の仮説を唱えるものが出てきた。生き ている彫刻家、つまり微生物が酸を少しずつ放出することで巨大な空間を作り だしたのではないかというわけだ。

この仮説はまだ確立されていない。なによりもそうした仕事をなしたとされる バクテリアがほとんどの洞窟では死に絶えているからだ。例外としてはアメリ カでもっとも深い洞窟、Lechuguillaがある。ここでは微生物の痕跡が見られ る。しかし今度調査された洞窟では微生物は今も活動を続けている。しかも洞 窟内の硫酸を磁石みたいに引き寄せているらしい。つまり硫酸を糧として生き ているということでしょうか。あたかも地球の歴史を何百万年も遡ったような 光景なわけです。

洞窟内の微生物は粘着性が強く、調査隊はそれらをsnot-titesと名付けたよう です。snotは鼻水をたらしたという意味があるようですが、titesはどういっ た意味かよく分かりません。しかし天井や壁やあらゆる所から垂れているとい う感じはよく出ていますね。他にこの環境に順応したクモやら無脊椎動物も見 られるようです。そして入り口近くで空気が比較的きれいなところでは、 vampireを含む4種類のコウモリもいるとか。しかも中に入って行くにつれて、 川の深さはだんだん深くなり腰にまで届くようになる。そこには1フィートの 黒いイオウの泥が堆積し、その上をかろうじて生きているslimeがはい回って いる。最初に書いた小魚は至る所で見られ、しかもその数の多さといったらま ず他の洞窟では見られない。ある微生物学者は次のように言っています。「私 はずっと宇宙探検に憧れていたが、ここでの経験が今までの人生で一番それに 近い」どうやらかなり不気味な世界のようです。

洞窟内の食物連鎖の最初に位置する微生物は今まで未知のもの。当然日光は届 かないから、光合成は出来ない。バクテリアの活動源は硫化水素や無機性物質 のようです。どうやらここでは酸素や有機物には縁のない世界が、広がってい るようです。

ここで発見されたことは大きな意味を持っている。1992年にコーネル大学の天 文学者Thomas Goldは"The Deep Hot Biosphere"という本を書いたのですが、 その中で地底3マイルまでのの生物は厚さ5フィートの層になるかもしれないと 推定した。しかも重さから言ったら地表の生物の重さよりも重くなる、という ことですから信じられないです。こうした地底生物の研究はほとんど未開拓の 分野でしょうが、他惑星の生物研究の参考になるかもしれない。極端な環境で 生きているこれらの微生物の構造(microorganism)は様々で今までの常識が通 じないようです。外見は顕微鏡で見てもそんなに変わらないが、分子レベルで は動物と植物・キノコほども違うようです。

こうした極限下の生物研究も徐々に進んでいるようですから、そのうち意外な ことが分かるかもしれません。しかし今の所は洞窟学の調査をした人が、外界 に出てきたらその表情が晴れやかになっていたということが分かっているだけ です。どうも中の空気が美容院のacid peelと同じような効果を持っているよ うです。

地底の世界に別の世界があるという話しは、むかし私は好きでした。ジュー ル・ヴェルヌとかいくつかの作品を思い出しますが、閉所恐怖症の人には恐い でしょうね。 (^^; 

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