Weekly「今週の英語雑誌」 No.13


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Weekly 「今週の英語雑誌」  No.13  1997-11-15日 発行     

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みなさん、こんにちは。Weekly 「今週の英語雑誌」No.13です。

今週は、各誌ともUnabomberの記事が、かなり大きく報道されています。私は、 Washington Post日曜版の記事を中心にいくつか読んでみました。Newsweekは日 本語版、ASIA版ともに触れていないようです。ASIA版では来週あたり短く載る かもしれませんが、日本語はどうでしょうか。

Newsweekは、日本語版のサイトが出来てから、あまり熱心な読者でなくなりまし たが、どうも大分違うようですね。日本語版もかなりの記事が載っていますが、 コラムなどがばっさりと切られている。これならば、あまり意識しなくても前と 同じように、ASIA版をじっくり読んでいけるかもしれません。なんといっても Newsweekを丁寧に読めないのは少し寂しいですから。

1997-11-15  YUKI

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目次
1. The Sunday Times 97-11-9
2. US News 97-11-17
3. Washington Post 97-11-9 日曜版
4. TIME 97-11-17

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1. The Sunday Times 97-11-9 

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*人類の男の祖先、アダム発見!!
DNA tests trace Adam to Africa

The Sunday Times 11/9から、人類の祖先についての記事です。

息子が父親からだけ受け継ぐY染色体を調査した結果、現在の人類の男性の祖 先は、15万年前の1人の男性にたどり着くことが分かったそうです。10年ほど 前に同様な調査で、アフリカに住んでいたEveが人類の祖先の女性ということ がいわれています。AdamとEveが、同じ時代に生きていたのかどうかは、この 記事では分かりませんが、おそらく違うのでしょう。しかし多数の同じような 仲間がいた中で、ただ1人の男と女の子孫だけが、突然変異によって、他の種 族を圧倒する何かを身につけたのでしょうか。

現在、ブッシュマンとかホッテントットとして知られるKhoisan族が、人類の 直接の先祖らしい。少なくとも一番その特性を受け継いでいる。世界中の民族 から選ばれた1500人の男性のY染色体を調べた結果だそうです。その調査から 分かることは、Homo erectusの1人の遺伝子、Y染色体に突然変異が起きた。こ れが現在の人類に進化するまで、ずっと生き延びたようです。

非常に古いY染色体の特徴を、Khisan族は、20%も受け継いでいるとか。現在の ヨーロッパ人は0%。他のアフリカの部族は、わずか2%から3%だとか。Khoisan 族は、もともとは東アフリカのRift Valleyに住んでいたのが、現在の南アフ リカに移動した。東アフリカは人類発祥の地といわれているところで、たしか Eveの足跡だかなにかもここから見つかっていました。

しかしもちろん学者はエデンの園で1組のAdamとEveが住んでいたという聖書の 話は信じていません。(^^; しかし集団の中の雄の1人に、突然変異が起き た。時代を隔てたとき、どこかでまた1人の雌にも同様なことが起きた。かれ らの特性を受け継ぐものだけが、生存能力が高く、やがてアフリカから、世界 中に移動していった。どうも、考えにくいのですが、この記事を読むとそんな 感じですね。

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2. US News 97-11-17 

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1. 第2次大戦中の女性パイロット
  The long flight home
Women served--and died--in WWII. Now they are remembered BY ANN DARR

第二次大戦中に、アメリカでは女性パイロットも従軍していたという記事で す。もっともこれは公のものではなく戦後しばらくは、秘密みたいなものだっ たようですし、あまり知る人はいないかもしれません。これは彼女自身がその 1人であった、女性パイロット達をしのぶ記事です。

アイオワの草原に広がるのは、広い空。3才の時に母を亡くした少女は、天国 に行けば母に会えると信じた。少女の時の夢は、アイオワ大学に入学したあ と、かなえられた。大学が、民間パイロットの訓練コースを設けて、それに応 募し、そしてパイロットの資格を手に入れた。

1940年代、世界が戦争に突入していた時代、アメリカは不確実の時代だった。 太平洋からは、敗北のニュースばかりで、戦争に勝つとははっきりとは分から なかった。1943年、筆者はWASP,つまりWomen's Air Force Service Pilotsで 訓練を始めます。アメリカ人でもこのWASPの存在を知っていた人は珍しいよう です。戦争に参加した女性は、全員がRiveter Rosiesだと思っていた人もいる ようです。このRiveter Rosiesは、辞書にも載っていません、看護婦?それと も?

とにかくWASPは未経験の女性を訓練したわけではなく、既に飛行経験のある女 性を対象としていたようです。空軍機を正確にとばすことを目的とする訓練だ ったわけです。イギリスは女性パイロットを既に、軍隊の中に取り入れていた ようです。このWASPの責任者が、Jacqueline Cochran。場所はSweetwater' sAvenger Field。門には、Walt Disneyが書いてくれたFifinellaの絵。この Fifinellaは、ランダムハウスには、「飛行機にとりついてパイロットを惑わ す妖精(gremlin)」とあります。それをDisneyが赤い服を着て、金のヘルメッ トをかぶり、青の羽を持った姿にかいてくれた。これは彼女たちのマスコット だったようです。Avenger飛行場に着いた呼び名がCochran女子修道院。アメリ カで唯一の、史上初の女性パイロット基地。

25000人の応募者の中から、1830人が合格し、さらに1074人が飛行機を与えら れた。しかし当時のアメリカには、飛行時間500時間未満とはいえ、少なくと も数万人の女性のパイロット資格者がいたということでしょうか。これはさす がという他はない。ここで彼女たちは、アメリカ軍のP51からB29までの、あら ゆる訓練を受ける。P51は追撃機らしい。B29は、戦後生まれの私でも、幼い頃 少年漫画でよく出てきたから知っている。BはBoeing社のB。これはロッキード 事件の時に解説されていたような。Superfortressの愛称を持つ、四発長距離 爆撃機。彼女たちは、男性と同様、これらの飛行機も操縦できることを示し た。

厳しい訓練と生活のあと、彼女たちは各地の任務に散っていった。その1つは aerial dishwasher。飛行機の皿洗い、というか整理・準備ですね。WASPの仲 間達が、新しい数千機の飛行機を工場から、基地や港まで飛ばした。その他飛 行機の慣らし飛行みたいなものもやった。窓の壊れた飛行機を修理のために、 工場まで運んだこともある。さらに危険なのは、空中での模擬爆撃みたいなも のもかかれています。筆者達がB-26から、白い布(?sleeve)引きずりながら飛 んでいる近くを、B-17に載った戦闘員達が、その布に向かって色づけをした弾 丸を撃ち込むという訓練です。あとには、色のついた穴が残り、それで誰が目 標物に弾を当てたかを競うというわけです。

38人の女性パイロットが殉職した。直接戦地には行ったとは書いていないので すが、彼女たちの飛行機が古かったということも、あったのかもしれません。 衝突事故などがあったようです。しかしまずは民間の事業として始めていたこ のWASPは、結局正規の軍組織に組み込むという法案は議会を通過できなかっ た。1944年、10月20日に解隊された。彼女たちは、前の職場にも戻れず、賃金 ももらえなかった。そして家にかえる旅費も私費だった。しかし沈黙だけは要 求された。

30年後、彼女たちの苦労はようやく報われる。退役軍人veteranという中に彼 女たちも認められた。金銭的補償は伴わないが、少なくとも名誉は与えられ た。そして10年間の努力の結果、先月Arlingtonに女性兵士達の記念碑が建っ た。これはすべての女性兵士達のものですが、WASPの生き残りの多くがその除 幕式に参加した。今は亡きWASPの変わりには、息子や娘達が参加した。

年老いた彼女たちは肉体的にも、感情的にも疲れはててはいたが、リンカーン メモリアルから、ポトマックをわたって、女性兵士の記念碑まで、元気に堂々 と行進した。第1次大戦の生き残り、102才のFrieda Mae Hardinが、人々に向 かって、Go for it! と叫んだとき、彼女たちはもう1度軍隊に入る準備があ る、という気持ちにほとんどなっていた。(^^;

筆者も80才近くにはなっているはずですが、なかなか元気なようです。アメリ カで過去に入隊したり、現在軍人である女性は、180万人ということです。

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2. アメリカのユダヤ人とネタニヤフ
America's Jews and Israel's leader
Concerns over Netanyahu's competence and distress over religious laws are growing

アメリカのユダヤ人とネタニヤフの亀裂が深まっているという記事です。以前 にも、似た内容の記事を読みました。

11月16日にアメリカのユダヤ人にとっては、もっとも重要な会議ユダヤ連合評 議会Council of Jewish Federationsの総会が開かれる。彼の今回の訪米は、 この総会出席が目的のようですが、クリントンとの会談は未定。

クリントンは、もっともイスラエル色の強い大統領と見られていましたが、ネ タニヤフの最近の政策に強い不満を持っている。このクリントンのネタニヤフ への強い不満は、アメリカのユダヤ人達からも支持されている。平和交渉を進 めたがらないネタニヤフへの不信は高まっているようです。

更に不満が強いのが、正統派のラビだけが、宗教的行事を執り行うことが出来 るようになるという法律をネタニヤフが支持しているです。かつてないほど緊 張感が高まっている。以前読んだ記事では、これは慣習として行われているこ とを法案化するということでした。結婚とか、ユダヤ人への帰化あたりが問題 になっていたようですし、こうした分野をイスラエルでは正統派のラビが行っ ている。改革派や保守派のラビの数が、どのくらいいるのかはよくわかりませ ん。しかしイスラエルでは少数派、アメリカでは多数派ということははっきり している。

両国のユダヤ人には、宗教観も含めた信条の面ではかなりの開きがあるようで す。そして今回の法律の制定には、アメリカ人のユダヤ人も大きな関心を持た ざるを得ない。これはユダヤ人とは何かという根幹に関わる問題であり、自分 たちのラビや子供たち、子孫達のアイデンティティに関わっていますから。

普通はイスラエルの寄金がピークに達するHighHolidaysの、Rosh Hashanaと Yom Kippurの説教で、アメリカのラビ達がイスラエルの批判を説教するおそれ がある。イスラエル側も危惧しているみたいですが、どうやらいままでのとこ ろはうまく行っていない。

過去にもイスラエルとアメリカのユダヤ人の意見が対立したことはある。1982 年のレバノン侵攻には、アメリカのユダヤ人の多くが反対。1993年のPLOとの 平和協定の時も一部は反対。しかし今回は消極的反対というより、積極的に対決 姿勢を見せているようです。

ある正統派のラビは、改革派のラビのことを、ユダヤ人として、兄弟としてシ オニストとしてなら会うが、彼らをラビとは認めないと言っています。Tora h、つまり創世記に始まる聖書の中の5つの基本聖典を無視しているからと言う ことのようです。その例としてあげられているのが、他人種との結婚を執り行 ったり、ユダヤ人の条件として父方がユダヤ人であることを認めていることに あるようです。どうもユダヤ人の条件としては、母親がユダヤ人であることが 絶対的条件であるらしい。??? しかしこれでは、Ruthはどうなるのか。彼女 は、モアブ人であり、Davidの祖先となるはずですが、このときはユダヤ教に 改宗しているからいいのでしょうか。多分読み違えてはいないと思いますが、 このへんは少し疑問が残る。

とにかくアメリカのユダヤ人の間でイスラエルへの献金が減ってきている。ア メリカのユダヤ人間の分裂、と言うことにでもなれば、さらに中東の和平の行 方は分からなくなりそうです。

一応、以前に読んだ記事をもう1度、この記事で復習してみました。 (^^;

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3. Washington Post 日曜版 97-11-9

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*Unabomber裁判

今週は、News雑誌は各誌ともUnabomberの裁判を取り上げているようです。ざ っと見た限りでは、Ted Kaczynskiの言行で、各誌の取り扱いが変わっている とは思えません。US Newsは、弟のDavidの文章を載せていますし、関連記事を いくつか読めるようになっています。TIMEも、特別枠を設けていました。 Newsweek日本語版は、関連記事はのっていませんでしたが、Asia版は、果たし てどうでしょうか。今回は、The Washington Postの11/9の日曜版から、この 事件についての感想を書いてみます。

歴史上もっとも広く知られた連続殺人犯、UnabomberことTheodore JohnKaczynskiが、モンタナの山中でFBIによって逮捕されたのは、去年の4月。 その小屋の中からは、Unabomber式の爆弾ばかりでなく、35000語に及ぶ技術文 明を批判する声明文、彼の思想行動を詳細に記した日記などが見つかった。こ れが検察側(連邦政府側)の証拠の中心となる。そして水曜日に、陪審の選出が 始まるようですから、いよいよ裁判が始まる。4カ月後には判決が出るようです が、このへんは日本と比べると早いですね。

カジンスキーは無罪を主張。彼の弁護士は、検察側の証拠については、争わな いようです。ということは、裁判の焦点は、彼が犯行を犯したかどうかではな く、彼に刑事責任能力があるかどうか、つまり弁護側が主張するように、彼が 誇大妄想的精神分裂病にかかっているかどうかの判定にかかっている。しかし カジンスキー本人が、精神科医の診療を拒否。

弁護側としてはかなり苦しい。しかし死刑判決を免れようと思えば、これが有 力な選択肢であることは、多数の専門家が一致しています。彼らの法廷戦術が どうなるかは不明ですが、カジンスキーの有罪を認めるとしても、彼の現実感 覚は極めて異常であり、妄想的であるから、責任能力はない、ということのよ うです。それを確認するために、弁護人としては、モンタナから裁判の行われ る地、サクラメントに移送されてきた彼の小屋に入ってもらいたいようです。 電気も水道もない小さな暗い小屋。そこに25年間も社会から孤絶して1人 だけで住んでいたら、どうなるのか。まあ、たしかに晴れた日は気が紛れるで しょうが、雨の日とか、夜には何を考えていたのだろう。かつての天才数学者 といえども、数学のことばかりを考えていたとは思われない。しかしこれは世 捨て人にとっては、そんなにつらい生活でないかもしれない。このへんのこと をどう評価するかが問題ですね。

カジンスキーはevilか、sickか、これが争点になりそうです。限定責任能力 が、認められるかどうか。弁護側は、彼の精神異常を示すあらゆる証拠を提出 してくる、と予想される。彼の後半生は、エピソードが多いとも思えないけれ ども、青年期までにかけてのあらゆる出来事が集められているのでしょうか。 彼の2人の弁護士は、いずれもやり手のようで、3件の死刑判決を覆した QuinDenvirと、Susan Smithに終身刑を勝ち取ったJudy Clarkです。これは前 にも話題になった息子2人を池に沈めた母親の事件だと思います。

しかしカジンスキー本人が、検察側の精神科医の検査を拒んだ。これは、精神 科医ばかりでなく、すべての医者の診察を拒んだとTIMEでは書いてありまし た。これは弁護側には不利ですが、家族の証言で代用できるかもしれません。 弟のDavidか、母親が証言台にたつかどうかは、まだわかりません。カジンス キーは、逮捕以来家族との面会は拒んでいるようです。

検察側の方針は、はっきりしている。彼が冷血で、計画通りの殺人を行ったの は、日記からも明らかと言うことです。その中で、彼は憎むべき人を殺した り、社会への復讐をにおわせている。爆弾を作るに当たっても、かなり細かい 細工をしていたり、被害者になったのが、彼の反テクノロジーの感情を満足さ せるのにふさわしい人ばかり、ということも検察側の主張を裏付ける。彼は単 なる殺人ではなく、殺意及び人を負傷させる目的で爆弾装置を輸送したり、郵 便で出したことで起訴される。このへんの説明ははっきりしませんが、心証と しては単純殺人よりも悪いのだろうと思います。

検察側の重要証拠として挙げられているカジンスキーの日記には、犯行前後の 詳しい様子が書かれています。弁護側は、小屋で発見された書類・日記がカジ ンスキーによって書かれたことについては争わないようです。ただ表現の自由 とのかねあいで、争う可能性はある。日記のような私的な文書を本人の利益に 反する形で利用することが許されるのかどうか、違法捜査の可能性とも絡んで くるようです。

ただし、裁判官は、弁護側の主張は退けたようです。日記の記述について、死 刑宣告することが許されるのか、ということについての論争が起きるかもしれ ません。

彼が起訴されるのは、全部の事件についてではなく、1985年から1995年にかけ ての4件の爆弾事件と2件の殺人事件及び2件の重大な傷害事件についてだけで す。これだけで、事件の凶悪さは十分証明できるという事でしょうか。地下鉄 サリン事件も、こうした訴訟形態を取るようですね。

彼は今、ぼさぼさの髭も剃り、刑務所の図書館から借りた本を読んで1日を過 ごしているらしい。刑務所でも、他の被告からは遠ざけられ、24時間監視体制 の下にあります。はたして彼は自分の生の声で、声明文に書かれたのと同じ思 想を語るのでしょうか。

記事の最後にUnabomberの18年間にわたる犯行リストが載ってあります。16件 の爆弾事件で、3人の死者,29人の負傷者を出しています。

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4. TIME 97-11-17

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1. エルニーニョは人類への警告か? (p.51)
HELL, HIGH WATER AND HYPE
EL NINO AND US: IS BAD WEATHER REALLY CAUSED BY SIN?
  BY CHARLES KRAUTHAMMER

TIME 11/17のViewpointの記事です。

皮肉屋 KRAUTHAMMER の文章ですから、面白かった。

世界的に、異常気象が続いているようです。昔の人だったら、こんな時には神 の怒りを鎮めるために、処女を神に捧げるのでしょうか。イスラエルの学者 は、聖書に述べられた飢饉も、エルニーニョが、原因だとか言っているようで すし、とにかく何もかもエルニーニョのせいにするのが流行っているらしい。 しかし大体は、あまり信用できない。

エルニーニョそのものには、別に不思議なことではない。2年から7年おきに暖 かくなるのは、普通のサイクルである。これがジェット気流と雲の形成に影響 を与え、世界的気候の変化をもたらす。El Ninoと反対の現象がLa Ninaで、水 が冷たくなり、反対の影響を与える。しかしどちらも正常のサイクルで、長年 続いてきたことで、かなりの程度まで、予測できる。

しかし今回のEl Ninoが特に強いと言うことが、世界各地での警戒を呼び起こ している。どうも数週間前まではカリフォルニアでは、平年の500%の降水量増 加が予測されていたらしい。これは6倍と言うことでしょうか。だから記事に は書かれていないのではっきりとはしませんが、ノアの洪水の再来を言った人 がいるのでしょう。最近の予測では、150%とと言うことのようですから、まあ これでも大したものですが、パニックに陥っていた人も、少しは落ちついてき たのかな。科学者の話では、過去8回の大きいEl Nini現象の時は、降水量の増 加は、平均してわずか3分の1。そのうち1965年と1991年の場合は、干ばつだっ たようです。KRAUTHAMMERは、こう書いているのですが、これから推測すると El Ninoの年に、かなり降水量が高かった年があることは確かですね。

El Ninoが実際どれくらいになるかは前もっては分からない。冷静に対処しな ければいけないのに、環境論者のAl Goreは、地球温暖化とEl Ninoに関係があ るかのような発言をしている。しかし筆者に言わせれば、El Ninoと地球温暖 化の共通点と言えば暖かくなる、ということだけだそうです。その調子でいく と、El Ninoとパンのトーストとも関係があることになる。(^^;

El Ninoは、ペルーからインドネシアにかけて太平洋を東西に吹く貿易風が弱 くなったことで発生する。温暖化とEl Ninoが関係があるというのならば、ま ず温暖化がこの貿易風を弱めたということを証明しなくてはいけない。実際は 逆で温暖化によって、暴風雨とか嵐が引き起こされている。実際に去年の冬( last winter)の嵐が温暖化に関係があったことは環境論者も認めているとこ ろ。

さらに、温暖化は全地球的現象であり、太平洋の一地域の水温上昇とは、関係 がない。ゴアは政治的発言をしただけだ。さらに人間の罪、つまり炭素を燃や したり、地球を人間の欲望や名誉のために略奪したりした結果、ひょうや洪水 や火事や硫黄などの災害がもたらされたというような考えも、その昔アズテク やヒッタイトが持っていた神話そのものではないか。(^o^)

科学者達の予測では、現在のEl Ninoも徐々に小さくなり、来年の5月頃までに は完全に収まるそうです。聖書に書かれた黙示録の世界は当分待たなくてはい けない、というのが筆者の予言です。

後半部分は、大分過激な意見になっています。まあ、世の中には、すべての現 象を結びつけるのが得意な人もいますから、そうした人が作者は嫌いなのかも しれません。 (^^;

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2. カジノの生き残り大作戦 (p.46-47)

HOW CASINOS HOOK YOU
THE GAMBLING INDUSTRY IS CREATING HIGH-TECH DATABASES TO REEL
INCOMPULSIVE PLAYERS

ギャンブル業界も、いまや成熟産業。競争は激しく、生き残りをかけてお客を 奪うべく、あのてこの手を駆使しています。

Sharon Willmanは、カジノの経営者にとっては上得意。足繁く通ってくるし、 1回に使う金額も大きい。今まで数千ドルも負けたことが何回もある。(^^;   だから、彼女が川に浮かぶカジノに足を運ばなくなったとき、カジノ店は当 然関心を持った。彼女に来てもらうために、様々な招待状を送ったようです。 big winnerになれば、TVのコマーシャルに出るかもしれないカクテルパーティ の招待状も送った。ここでriverboatというのが、カジノの代名詞みたいにな っています。大分前にも読んだことがありますが、こうしたところは多いんで すね。

しかし、Willmanは実は53才のcompulsive gamblerで、今までに大金を使い果 たしたらしい。compulsive gamblerというのは、常習的ギャンブラーではな く、ギャンブル中毒者くらいかもしれません。心理的に自分の意志でギャンブ ルを止められない人、こんな感じです。だから、自分で法的にカジノへの出入 りを禁じる措置と、ギャンブルの案内メールを送ってくれないように頼んだ。 この法的措置というのがよく分かりません。財政的に破産した人に、カジノへ の出入りを禁じるような法律があるのでしょうか。これを破ることは、 criminal actということですから、これは自分に課したというより、具体的な 措置ですよね。しかしカジノ会社は、メールを送り続けてきています。原因不 明の理由で、コンピュータのデータベースが削除を受け付けないのだそうで す。こんな上得意は、そんなにたくさんはいないということで、コンピュータ ーが正しい判断をしたのでしょうか。(^o^)

どうもギャンブル業界も今や成熟して、利益を拡大するためには厳しい生存競 争を勝ち抜かなければならないと言う事情があるようです。だからカジノの各 社は巨大なデータベースを作り上げ、その中から目星をつけた客にダイレクト メールを出したりするわけです。新しい客を開発する一方で、Williamのよう なギャンブル中毒者にもさかんにメールを出し続ける。こうした商慣習は、当 然問題も引き起こします。

カジノ業界の新しい商売形態をよく表しているのがテネシーのMemphisの Harrah' s Entertainment Inc.なようです。全国に16店のカジノを持っている ようですが、今までに発行したカードで1000万人以上の人が、databaseに登録 されているということです。重複もあるでしょうから、お互いをリンクした 600万枚のスロットカードをこの秋に発行したようです。The Total Gold Card と呼ばれるこのカードは、全国初のギャンブル界のブランドカード。さらに Harrah'sは、独自のVISAカードを発行し、これとリンクさせる。

VISAで買い物をすれば、Total Gold Cardのポイントが上がり、様々な特典を 受けられる。しかしもちろん、どうした商品を買ったかが筒抜けですから、さ らに巧みにカジノへの勧誘が行える。個人情報が、こうして徐々に私たちの知 らないうちに蓄えられていくくのですね。

ギャンブル業界は、今まで以上に、客の大多数をしめる普通の客、つまり1回 でそんなにお金を使わない客に目を向け始めている。データベースはそうした 変貌するカジノ業界の強力な武器なのでしょう。自分のところのばかりではな く、各種のリストを利用して、新規顧客の開拓に乗り出している。同じ業界で のパイの取り合いとなると、このへんをうまく利用するか否かが各社の生き残 りを分けるかもしれない。

こうした中で、problem gamblersの問題がおきてくる。これは社会的経済的に 破綻したか、それに近いgamblerのことだろうと思いますが、定義付けは casino批判者と業界では当然違ってくる。全人口の5〜6%という数字は、一致 しているようです。そしてこうした人々が業界全体の30%から40%のお金を使っ ているということのようです。また20%の客が、全売り上げの80%を占めるとい う資料もあるようですし、業界全体がいわばこうした少数の中毒的gamblerに 依存して、彼らの生活をだいなしにしていると批判者は言っている。業界は、 全人口の95%の人々に関してはcasinoはなんら問題を起こしていないと反論し ていますが、これははたして反論になっているのでしょうか。 (^^;

死んだ夫の名前を顧客リストから削除してくれるように要求したら、死亡証明 書を持って来るように言われたと女性もいます。死んでも、slot clubの会員 を止めることはなかなか難しいようです。Williamの要求が通らないはずで す。

最初にWEB版で読んだのですが、あとから届いたASIA版で見ると、日本のパチ ンコ屋の雰囲気ですね。娯楽産業は、さすがになかなか技術を先取りするのが 早いですね。

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