箕岳・火の嶽


箕岳・火の嶽は福江市の南のほうに位置する2つの山である。名前は福江市の人ならほとんど知っているはずだが、鬼岳と違って訪れた人は案外少ないかもしれない。箕岳は崎山地区の人には案外利用されているのではないかと思うけど、火の嶽になると、鬼岳よりも高いにもかかわらず、登ったことのある人は案外少ないかもしれない。

私もウォーキングを始めるまでは、このどちらにも行ったことは無かった。箕岳の桜は時々テレビのニュースになることもあるから、1度は行ってみたいと思っていた。

箕岳には簡単にいける。駐車場から円形の広場までは100メートルくらいだから。そこからさらに300mくらい歩くと、頂上に出る。ここからは、南に浮かぶ赤島・黄島・黒島などの島々、西の富江湾、北の鬼岳、東の崎山とパノラマ的風景を楽しめてすばらしい。展望台に備え付けてある望遠鏡が高品質で、遠くのの黄島などの家々までも良く見える。もちろん崎山地区の建物も良く見える。

ここも平日には誰一人いない。2回目に行った時、2人のおばあさんたちが頂上の展望台付近を掃除していた。シルバーセンターから派遣された人たちで週に1回来ているらしい。70を越していたようだが、あの急な階段を上って来るのだから、感心した。五島の冬は暖かいとはいえ、風は強い日が多く、そんなときには冷たさが身にしみることもあるはずだ。五島でも老人は元気な人が多い。

箕岳の方はきちんと整備がなされているのに対し、火の嶽は見捨てられている感じだ。行くのにも少し不便かもしれない。案内図も他の地と比べると、不親切。もともとが登山口がわかりにくいところにあるとはいえ、中途半端な位置にあることが原因だろう。

ここには数年前車で途中まで行ったことがある。そのときは果たしてここが本当に火の嶽の登山道なのか自信をもてなかった。案内板は火の嶽大明神のものだけだから。そのうえ道の舗装は途中でなくなり、なんだか行き止まりのような感じがして、苦労してUターンして帰ってきた。

ウォーキングで行った時は、椿庭園の駐車場に車をとめてスタートした。この前来た時より舗装道路が延びているみたいだったけど、やはり途中からは未舗装のまま。それでも自然の山道だからこちらの雰囲気もそんなに悪くはない。

神社そのものは小さいが正面から上るとなるとかなりの急斜面。しかも階段がプラスチックのパイプを埋め込んだだけの簡単なもの。とてもまっすぐな姿勢で歩けない。しかしどうにかしてたどり着いた。小さな小屋みたいな神社、福江島のあちらこちらの無名の神社でよく見られるものと同じ。横を見ると、ちゃんとまっすぐの道がそこまで来ていた。 その道を通って火の嶽の頂上まで上る。頂上は案外広い。ここから見渡す鬼岳の姿が、今まで見た鬼岳と違うのが面白い。火の嶽のすぐ隣は福江島唯一のゴルフ場が広がる。

ここはウォーキングとしては寂しいところだということを除けばそれなりにいいのだが、車で行く人は注意したほうがいい。ウォーキングで大体様子がわかったので後日他の人を案内して車で行った。しかしこのときは往生してしまった。舗装されていないところの道のでこぼこはトラックなどのわだちで出来たため、高低差が激しい。私の車のように車高が低くしかも重心が高い車を、車が傾いたままの不安定な状態でかなりの距離運転するのは疲れるかもしれない。



2002-2-23



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