Economist July 5


みなさん、こんにちは。

enewsサイトで読めるThe Economistの記事です。

1 Southern Africa's unmentionable curse
2 When neighbors embrace
3 Next steps in Hong Kong
4 Investment brown-out
5 The new merchant prince
6 France still trapped
7 Hands off the Internet
8 Judges, suicide, and the resurgence of the states

いくつかの記事を読んでみましたので、その感想を書いておきます。

1 Southern Africa's unmentionable curse
南アフリカでHIV感染者が急増しています。アパルトヘイトの時代には他の アフリカ諸国と比べて少なかったものが、ここに来て増えているようです。ア メリカの3倍の感染者がいるということですから、すごい。しかもAIDSを防い だり、治療できるという民間治療師が、大部分の国民の最初の相談相手のよう ですし、政府も風俗習慣のゆえにあまり熱心な取り組みはしていない。240万 人の感染者がいる。妊婦の感染者は14%とか。5年から10年以内に国民の4人に1 人の感染者となり、平均寿命率は現在の63才から40才になるというのもすさま じい。他のアフリカ諸国では沈静化に向かっているようですが。これに対して は真相を隠していたり、一夫多妻の風習が残っていることも関係があるようで す。AIDSは他の病気との併発がウこわいでしょうから、死因は例えば肺炎とい うことで片づけてしまうようですね。しかしとにかく信じられないような数字 です。

2 When neighbors embrace
NAFTAの記事ですが、まだ読んでいません。

3 Next steps in Hong Kong
今後の香港の抱える問題点は何か。教育と住宅問題は大きそうです。本土の 子供が大量に転流しているから、学校建設が追いつかない。住宅も土地の高騰 と合わせて、絶対的に不足している。Mr. Tungは1年に85000戸の住宅供給を約 束しているようです。対外的には自由とか民主活動とかが注目されているよう ですが、しかしこうした社会問題が香港指導部のこれからの課題のようです。 Mr.Tungヲ補佐するkitchen cabinetは保守派のビジネスばかりで、どうやらこ うした問題にはあまり関心が無いらしい。

4 Investment brown-out
イギリス国内の金融財政の記事みたいですが、読んでいません。

5 The new merchant prince
3とも関連するのですが、Tung Chee-hwaと彼を支えるビジネスマン(商人 merchantという言葉がこの記事では使われています)についての記事です。香 港の商人は、昔も今も、自らをcolony's soulと誇りに思っているようです。 そしてJames Mathesoniよれば、彼らはprinces of the earthと呼んだとか。 彼らが新しいリーダーなわけですが、周りをこんなに一色に塗り固めて、大丈 夫なのだろうか。政権内部を身内で固めたようなものです。現在の指導部を1 8・19世紀のカルカッタを支配した東インド会社に例えていますが、すべてを 利益追求の尺度で測り、周りのことを考えなかったら、そうなるかもしれませ ん。しかし半数以上の人々は汚職と政府の非効率化を心配しているようです。 お互いに競合関係にある、指導層がうまく強調していけるのか。住宅建設の問 題でも、各閣僚の母体である企業の利害はお互いに一致するとは限らない。予 算の使い道・基盤整備・年金などいずれもどの事業をどの企業に任せるか、問 題が出てくるかもしれない。経済ビジョンがまとまらないのも、laisser- faireのおかげだと、記事は皮肉っているようですが、はたしてどうなります か。

7 Hands off the Internet
Internet関係の記事です。無法の西部開拓地にも似た現在のINTERNET。これ は一応読んだのですが、もう少し詳しく読んでみます。

8 Judges, suicide, and the resurgence of the states
アメリカの連邦最高裁の判決についての記事です。重要判決が続けて出たと 思ったら、9人の最高裁判事はこれから3カ月の休暇にはいるということです。 休みの前の一仕事、ということで、もしかしたらアメリカでは毎年あることかも しれません。最高裁をaristocracy貴族政治に例えていますが、最近でた 判決を見ると確かに、そんな感じもしてきます。改めて見ると先月は重要な判 決を次から次へと下しています。

Religious Freedom Restoration Actは、下院で全会一致、上院では3名だけ の反対、そして大統領の承認と議会では圧倒的な賛成を得ていたにも関わら ず、無効にしてしまった。しかもこれは以前の最高裁判決を不服とした議会側 が、改めて通過させた法案だったようです。立法権の自由に関わるいろんな法 理論があるにも関わらずです。

一連の流れを見ると、最高裁は連邦政府の権限を縮小し、州政府に多くの力 を持たせる考えのようです。かつて人種問題で問題があった州政府の政策は、 今やそんなに介入する必要が無くなったということのようです。だからかつ てのlegally sanctioned racismが無くなった以上、例えば各種のracial preferencesを各州が独自に廃止してもそれは許される。この半affirmative actionの動きは南部・西部を中心におきているようです。とにかくこれからも 最高裁は自由を尊重する傾向になるのでしょうか。

YUKI


みなさん、こんにちは。Economistの残りの記事の感想です。

2 When neighbors embrace
NAFTAの記事です。特にメキシコとアメリカの関係を中心に、批准後の変 化・影響、今後の見通しを書いています。今でも賛否両論はさかんなようです が、アメリカ・メキシコの結びつきは確実に深くなった。その影響はいろいろ 書かれていますが、域内にとどまらず、東アジアの繊維・車産業への影響と か、カリブ・中南米諸国への影響などが書かれていますが、両国の国境が消え つつある。アジアに対抗しうる繊維産業も生まれてくるかもしれない。

しかし政治に劣らず、両国の政治・社会構造にも影響を及ぼしはじめた。両 国間の歴史的敵意が、消えつつある。不法移民・麻薬密輸等に関しても、アメ リカはメキシコが豊かになれば、解決するという考えに変わってきている。ア メリカの大統領は、議会の反対にも関わらず、同盟関係を強めていく考えのよ うです。1994年12月のペソ危機の時に、アメリカがあれほど積極的に救済策を 打ち出したのは、NAFTAがあったからだ。

もちろん依然として反対論も強い。メキシコの低賃金等に見られる劣悪な労 働条件、環境破壊などがある以上、自由貿易は低賃金・非安全で不健康的環境 を認めることになり、アメリカの労働者に勝ち目はない。アメリカを犠牲にす るし、メキシコの労働者の労働条件の向上にもならないのではないのか。民主 党のGephartに代表される反対意見は、2000年の大統領選挙をもにらんで民主 党内でも分裂をもたらし、さらにはクリントンと共和党の合従連衡という奇妙 な図式にさえなっている。

とにかくメキシコが繁栄することは、子供たちに安全な未来をもたらすとい う共通認識は出来つつあるようです。ASEANと東アジアはどうなる。

4 Investment brown-out
イギリスの投資を促す政策がかえって逆効果をもたらすことになるかもしれな い。現在の控除額を少なくすることで、法人税の増税を考えているのでしょう か。例えば配当の25%をACT(advance corporation tax)として徴収することに なるようですが、こうしたことで年金基金の配当増額の声を押さえ込める、さ らに経済成長ひいては国民所得の上昇につながるということのようです。しか し資金が長期的設備投資に向かうとは限らない。賃金上昇・さらにいっそうの 配当金増額請求など、結果的に投資額が減少することになるかもしれない。さ らには株価を低落させ、投資の減少をもたらすかもしれない。

しかしうまく行って、イギリス経済が強くなったら、ポンドの上昇をもたら し、海外からの投資は減るかもしれない。いろいろあるようですが、Gordon Brownの経済政策には反対だということのようです。

6 France still trapped
フランスのJospin政権が早くも、選挙公約とユーロ加入の板挟みにあって いるらしい。ころころ左右の政権が入れ替わるのは、フランスでは珍しくもな いようですが、ミッテランの2年後、シラクの6カ月後とくらべても、選挙後1 カ月でぐらつくのは珍しい。選挙前の公約としては、若者を中心に70万人の雇 用創出、労働時間の39時間から35時間への短縮、国営企業の民営化の阻止、 VAT(賦課価値税)の削減、賃金・年金の引き上げ、課税引き上げをしないで、 文化・研究分野の予算を拡大する、まあいろいろあったみたいです。しかし既 に現在の段階で、これらほとんどを実行するつもりはないらしいとなれば、支 持者の労働組合・若者・左翼陣営が怒るのも無理はありません。

どうやら国家予算の赤 字額をGDPの3%以内に抑えるという、ユーロ加入条件 の重みで動きがとれなくなってきた。付加価値税の削減も見送られたし、保 守・中道政権が実行するはずだった所得減税もなし。それどころか法人税(tax on business profit)は増税し、France Telecomの売却は反対していたにも関 わらず、予定通り行うようですし、民営化の動きは前政権とほとんど変わらな い。賃金はどうやら4%あげるらしいですが、これは組合の要求額の半分、しか も2年前の前政権の4.5%より少ない。どうも多くの政策で、こうしたことが起 きている。連立相手の共産党の反対はともかく、支持者の大多数、さらには同 じ社会主義政権の各国の失望もかっているらしい。ベルギーの首相からも、ル ノーベルギー工場の閉鎖をめぐっては、"raised false hope"といわれたよう です。

しかし3%をゆるめようとすると、ドイツの反対がある。後退と裏切りの声 の中、大分前途多難なようです。

7 Hands off the Internet
これと8、それにもう1本の記事でカバーストリートのようです。将来のイ ンターネットはどうあるべかきか、という記事です。アメリカの最高裁が Internetにindecency laws を適用しないとしたことは、他の国ではあまり歓 迎されない。各国の文化・法律と抵触するポルノ・詐欺・誹謗文書・ギャンブ ル・扇動文書が、INTERNETを通じて、簡単に手にはいるからです。アメリカ人 は政府の介入について本能的不信を持っているが、ほとんどの国はそうではな い。現状のようなWild West的INTERNETの状況では、自国のためにならないと 考えても不思議ではない。他の手段であったら、違法で罰されるものが INTERNETを通じて堂々と入ってくる。

問題が2つあります。各国の価値基準が違うことが第1。ある国 で 違法で も、他の国で合法であれば簡単に入ってくる。第2にINTERNETの世界では、公 私の区別、本音と建て前が無くなっていることでしょうか。規制がないだけ に、個人の本心がもろに情報として流れる。

しかしEconomistは、現在の混乱を、人間の思春期に例えて、将来的には 楽観しているようです。思春期には、急速な変化が付き物で、それまでの考え を捨て、新しい考え方が必要だということですね。その例を いくつかあげて います。例えば、economist.comなどの、domain nameも悪用される可能性があ るから、将来はすべて電話番号のようになるだろう言っています。INTERNETの 技術の:R度化とともに、様々な問題は解決 て行くだろう。そして21世紀は19 世紀のように、政府の干渉が個人にあまり及ばないような、社会になるだろう と言っています。少し楽観的かなと言う気はしますが、Economistによれば、 そうした自由を獲得したとき我々みんなが大人になるのだ 言っています。

経済関係のは、事実を把握するのがまだ難しい。専門用語も少しずつ増やさな くてはいけない。しかしとにかく今週は一応enewsサイトの記事は全部読みま した。

YUKI



感想はこちらに・・・YHJ00031@niftyserve.or.jp
Internetの場合は・・・ohto@pluto.dti.ne.jp



ホームページに戻る 

The Economistのホームページに戻る