The Economist 6/28 enews版


みなさん、こんにちは。

ようやくenewsサイトに6/28のEconomistがUPされました。やはり水曜日UPとい うことなんでしょう。先週のサービスがよすぎたということです。

1. How Hong Kong can change China
2. All eyes on China
3. Japanese Financial News
4. Democracy, Mexican-style
5. Will anyone dare touch Medicare?
6. Thawing out the Indian subcontinent
7. Mr. Brown's surprise package
8. The disunited state of Bosnia
9. Letter from Okemah, Oklahoma
10. CONTENTS

10を除いて9つの記事が読めます。重複もあるようですが落ちついたら、こち らを読んでみます。

YUKI


みなさん、こんにちは。

Economistの記事をいくつか読んだので、感想を書いておきます。まず読んだ のは次の4つです。

1. How Hong Kong can change China
6. Thawing out the Indian subcontinent
8. The disunited state of Bosnia
9. Letter from Okemah, Oklahoma

1. How Hong Kong can change China  香港の進むべき第3の道

返還後、香港はどうなるのか。もし中国が暴力的に押さえ込めば、悲劇にな る。1国2制度のもと、ゆるやかな統治を行えば、現在の香港が生き延びる。

しかしこの記事は第三の道が可能ではないかと言っています。中国が香港を引 き継いだのではなく、香港が中国を引き受けるとしたら。一見非現実的とも思 えるこの考えは、実はそんなに奇抜ではない。1977年以来の中国経済の躍進 は、もちろん指導部の政策の影響が大きいのですが、香港の金(全体の60%)、 経験・知識に追うところが大きい。経済的には香港が現在中国の発展の原動力 であった。

同様なことが、政治・法律の上で起こらないとは言えない。中国指導部も自国 の中央政権システムが野蛮で非能率的で不安定要因を含んでいることには気づ いているはずだ。だから香港でのこれからのなりゆきを注目することで、中国 自身がより明詩湯的な社会になれる。

ただしそのためには条件が3つある。
(1)民主化の動きを抑圧しないこと。
(2)過去の歴史認識の清算。リーダーシップが弱い政権は、香港割譲と日本の 侵略というように、国に災難をもたらしたというのが、西洋の一部を含めての 公式歴史観である。しかし最近の最大の悲劇は大躍進時代(58-61)の飢饉、文 化大革命(66-76)である。逆に中央の統制をゆるめたここ20年間で経済的成長 がもたらされた。さらにシンガポール・台湾・香港の繁栄は北京の支配が及ば なかったから、もたらされた。要するに中央が統制せず、地方の活力にゆだね よということですね。
(3)資本主義だけが香港繁栄の原動力ではない。法の支配、言論の自由、そし てリスクをおそれない人々の存在だ。現段階では、中国は低賃金にたよってい るから、製造業ではうまくやっているが、サービス・情報経済のもとではなに よりも教育のある順応性の高い人々が必要になってくる。

この記事は、西洋人にとっては、屈辱と悲劇であるということで始まり、中国 にとっては誇りの回復だと結ばれています。イギリスではあまり大騒ぎしなか ったようですが、指導層にとってはやはりかなりの屈辱なのでしょう。

6. Thawing out the Indian subcontinent
インド亜大陸の不安定要因 3度の粉争を経験しているインドとパキスタンの関係は、冷戦終結後も冷え切 っていましたが、両国にホットラインが引かれ、過去の両国間の対立点を新た な視点から見直そうと言う動きが出てきているようです。常に紛争の火種とな ったカシミール問題を話し合おうということだけでも大したことなのでしょ う。

しかし両国とも気になる動きがある。ミサイル問題です。インドが短距離 Prithviミサイルを国境近くのパンジャブに移動させた。長距離用ミサイル Agniは対中国用ですが、このPrithviはパキスタン用に開発生産されているも の。パキスタンが所有するとされる中国製M-11に対抗して、100のミサイルを 装備する意向のようです。両国とも核弾頭ミサイルにしたいようですから、物 騒な話です。核をめぐる両国の疑惑は常につきまとっているし、 Comprehensive Test-Ban Treatyを批准することを拒んでいる。こんな状況で はa hair trigger instabilityでもいつ危険な状態になるか分からない。パキ スタンのミサイル配備の記事も先週読んだばかりです。

8. The disunited state of Bosnia 先が見えないボスニア
Dayton peace agreement締結後20カ月たって、一見平和なボスニア・ヘルツェ ゴビナですが、解決のきっかけはまだない。NATO軍撤退まであと1年。アメリ カはじめ、各国が撤退でもしたら、また悲劇は繰り返す。しかも軍事的に劣勢 であったイスラム勢力はアメリカのEquip and Train計画とイスラム各国から の救援でかなり軍事的に増強されていて、武力で一気に解決したがっているふ しがある。もちろん残りのクロアチア、セルビア人たちにも不満は残ってい る。アメリカが撤退でもすれば、英仏はまず残らないでしょうから、そうなれ ば3勢力は互いに争い、再び内乱に陥る。とにかく各民族ごとの国家樹立を認 めでもしたら、すぐにバルカン全土に飛び火する。

9. Letter from Okemah, Oklahoma   故郷に受け入れられないウッデイ ー・ガスリー
アメリカのフォーク歌手・作曲家Woody Guthrie(1912-67)の記事です。私は知 らなかったが、書き出しが面白かったので読んでしまった。この偉大なフォー ク歌手はアメリカ全土で尊敬されているようで、7月14日は出身地オクラホマ 州全土ではWoody Guthrie Dayとして祝福されるようです。彼の故郷の町、 okematを除いて。

Bob Dylanから慕われ、Steinbeckをも感嘆させ、マクガバンの大統領選挙のテ ーマ曲にも選ばれた彼。1200曲を作り、アメリカ共産党員であり、左翼の国民 歌This Land is Your Landの作者。彼の歌は失われたアメリカへの哀歌であ り、普通人の心を歌い上げた彼。共産党員ではあったが、政治には関心が無 く、Left wing, chicken wing, it don't make no difference to me. と歌い 上げた彼。

WOODYは故郷ではかなりつらい経験をしているようです。母親のHuntington病 をはじめ、数度の火事による悲劇、そして14才になってからの生活は一種のホ ームレスみたいなもののような気がしますから、故郷の人にはその思い出がま だ強い。英雄は故郷には受け入れられず、の典型でしょうか。

しかし故郷で今まで受け入れられなかったWOODYも、ようやく受け入れられる 兆しは出てきたようです。彼のことを直接知っている人がいなくなったら、彼 は故郷最大のヒーローになるのかもしれない。

YUKI



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