The Economist 5/31


篠原さん、みなさん こんにちは。

Us Newsを読み終わったあと、Ecnomistを読みました。少し勘違いもあったよ うです。篠原さんから教えていただいたサイトで、ダウンできる記事はenews というところのEconomistからダウンできるのとは大分違うようです。これは ラッキーでした。合わせれば大分読めますから。私はお互いの目次だけを比較 してほとんど同じと判断したのです。enewsには目次はありますが、ダウンし た記事のタイトルは目次のとほとんど違っているので、私は調べるのがめんど くさくなりました。一応全部に目を通したあと、ようやく違いが分かったとい うわけです。

それにしてもEconomistの記事は難しいですね。この前の発言と大分違います が、あのときは主としてarchiveから私の興味を持っている記事を、読んだの でそう感じたのだと思います。5/31号は私の日頃から関心を持っている記事が 少なかったので、難しかったのです。 (^^;

一応目を通しましたので、感想を書いてみます。今回はenews版ということに しておきます。タイトルは、目次のではなく本文のにしております。目次と大 分違うので、はたして同一記事かどうか分からないのもありますが(enews版は 目次に記事を張り付けていなかったと思います)。全部で9つ、そのうちの1つ が目次ですので実質8の記事があります。

1.   Upheaval on the high street

イギリスの家電業界が、大騒ぎをしているようです。 The Monopolies and Mergers Commission(日本の公正取引委員会みたいなものでしょうか)が、業界 慣行のメーカが決めた標準小売り価格(recommended retail prices (RRPs)の 廃止を求めてきたからです。 ほとんどの販売店が各社製品を5%以内くらい の価格差で売っており、競争力が阻害されているということでしょう。

日本でも化粧品の再販制とか、大手スーパーと家電会社の紛争がありました が、これらと同じようにこれらを守らない小売店にはメーカーからの締め付け がかなりあったようですね。製品を出さないとか、割引マージンがすくないと かほぼ日本と同じ商慣行です。もっともこの記事の最初で出てきているメーカ ーは、SonyでありPanasonicでありAiwaですから、ほとんど日本企業です。こ れは人種差別だとかいう表現も記事の最後の方にはあったようです。

しかし確かに競争力意識が少なくなっているのも事実なようですし、弊害も出 てきているのでしょう。

2.  Those mutinous French
フランス総選挙の記事です。読みかけましたが、結果が分かっている内容の予 測を読んでも仕方ありませんから、これはパス。

3.  The disappearing taxpayer
国際化と情報化時代にあって、税金制度が変わってきているという記事です。 高い税金を嫌って高額所得者が、北欧諸国からにげているということは以前に ときどき読みましたが、これが一部の国の問題ではなくなってきているようで す。会社・財産・人が国際的に移動していることと、電子取引等の発達ととも に、所得把握が難しくなってきているのも原因です。「代表権なければ課税な し」の原則も崩れかけてきているようです。

たしかに極端に高い税金制度のもとでは、人のやる気もなくなるし、人材も集 まらないし、海外移住も考えたくなるでしょう。そして企業家、科学者、テニ ス選手や映画俳優のような高額所得者は簡単に海外移動してしまうからこれら の人の税金は安くし、あまり移動性の高くない人たちの税金を高くする傾向に あるようです。同様に資本にかける税金は安くなり、賃金の税率が高くなる。 免税特権とか、抜け道もありますから、ますます不平等は進むということでし ょうか。

最後の方で消費税というか、間接税の有利さも少しふれられています。政府が 把握している所得の割合が低いということではイタリアが有名ですが、もしか したらイタリアはこの国際化と情報技術の時代の、先駆者かもしれない。 (^o^;

4. Survey of the European Union
この記事目次に見あたらなかったようなのですが、長い記事です。EUの歩みと あまり楽観できない見通しを述べているようですが、何しろ長い。A4にプリン トアウトしたら25ページ以上ありました。途中で疲れてきたので、とうとう最 後まで読めませんでした。Economistの特集記事なんかはいつもこんなに長い のでしょうか。本家のHPには1年以上のArchiveが合ったようですから、探し出 して読んだら単行本を何冊も読んだことと同じになるかもしれませんね。 こ れはさしあたりパス。  (^^;

5.  Bohemia's fading rhapsody
BUDAPEST, PRAGUE AND WARSAW
The Czechs' status as post-communist Europe's economic front-runners is under threat.  They have only themselves to blame

だいたいタイトルと副題で内容は分かります。今まで旧ソ連圏のなかで、順調 に進んできたチェコ経済が少しふらついてきているようです。このチェコとハ ンガリーとポーランドを対比させて書いています。特にハンガリーは冷戦崩壊 後、30000以上の会社が破産し、銀行をはじめ各種の企業を売却した(その中に は海外企業から買収されたものも多い)という、苦しみを味わってきたのに対 しチェコは大企業の倒産は0。それに銀行がつぶれたこともなく、比較的順調 にやってこれたのが、ここにきて行き詰まってきた。準固定相場制から変動制 に切り替えて、通過のkorunaは大分下落しているようですが、まだ不十分なよ うです。

ハンガリーは前大蔵大臣Lajos Bokrosの決断もあって大改革をしたようです し、その成果がようやく現れてきた。一時経済成長率も1994年には0.5%といい う中欧諸国の中では亀にたとえられるほど落ち込んだようですが、すくなくと も寓話の中では亀が勝つそうです。 (^^;  まあ、ハンガリーは見通しは 明るいということのようです。しかしこの改革を断行したLajos Bokrosは結局 責任をとらされたのですね。

チェコは企業は民営化されたものの、国の管理下におかれ、あまりり見通しは 明るくない。海外投資も入ってこなくなり、aside from the bargain-hunters nowpicking over the rubble of Prague's stockmarket, the serious moneywill continue to go to countries where investors are better protected and the economy steadier. と皮肉たっぷりに書かれています。も しも中欧のタイガーになりたいのなら、もう少しKlaus首相は爪をたてなけれ ばいけないそうです。

6.  Resisting resistance
これは恐ろしい記事でした。私の苦手な医学分野の記事ですが、こんなのも載 るのですね。Natureにでも載りそうな内容です。 (^^;

SFの世界で見られるような、あらゆる抗生物質が効き目をなさない病原菌があ るようです。ずいぶん古くから知られているようですし、辞書にもちゃんと載 っていますからもちろん医学関係者には当たり前のことなんでしょうが。そう した中で有名なのが、 methicillin-resistant Staphylococcus aureus、略し てMRSAです。リーダーズプラスにはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌とありま す。解説として、ほとんどの抗生物質が効かず、術後・老後などで免疫力が弱 まっている場合には危険で、院内感染問題を起こしている、とMRSAにはありま す。こうしたことは本文にも述べられています。しかしこのMRSAに対しては、 今までバンコマイシンvancomycinという薬が、有効でしたが、これに対して耐 性をつけたMRSAが発見されたようです。順天堂大学の平松Keiichi氏によって 発見された、この新しい菌はどの抗生物質でも対抗できないことになります。 VRSAと名付けられたこの菌は、薬に対抗できる病原菌の時代が到来したという 記述がありますが、少し不気味です。

平松博士たちはこのVRSAをMu50と名付けているようですが、これは全国で見つ かっているようです。特に高度治療を要求するため、多量の抗生物質を投与す る大学病院では10のうち6で見つかっているということです。菌自体が、大量 の抗生物質投与の課程で進化しているのですね。

さらにアメリカではMu50よりも200倍も抗生物質耐性の強いEnterococcusとい うのも見つかっているようです。こうした菌はもうある地域にとどめておくこ とは出来ない。保菌者とともに、飛行機で世界を駆けめぐり、あっという間に 世界に広まってしまう。そして入院から通院へという風潮も、さらにそれに拍 車をかける。

製薬会社はあまり金にならないから、こうした抗生物質の研究には力を入れな い。新薬はここ20年開発されておらず、そのように銘打っているものは改良薬 だということです。少なくとも大多数の菌に対して効力がある以上、あえて金 を失うようなことはしたくないのでしょう。しかし世界各地で発生している奇 病といい、こうした治療できない危険な菌が増えていることといい、なにかが 狂いはじめているような気もします。今まで気づかなかったのではなく、人間 の文明に合わせて病原菌の危険度も増しているという感じですね。これは不気 味な記事でした。

7. Colombia contemplates extraditing its drugsters

コロンビア情勢です。コロンビア政府は、アメリカの圧力に屈して麻薬密輸人 をアメリカに引き渡すというように法律改正をするようです。なかなか面白い ですが、国民感情も不思議なものがあるようです。確かに麻薬組織と上層部が 結託しているような現状には我慢が出来ないでしょうが、かつて自国民のM r. Lehderがアメリカに搬送されたときの屈辱も忘れてはいない。なによりもこれ が実施されたら、麻薬組織の予告通りまたかつてのような生と死がとなりあわ せの日々に戻るかもしれない。外国の首都から正義について語るのは、実際に 投票したり、実行したりするのより易しい。もし実現したらその代償は自分自 身か子どもの命なのだから、という結びはこわいですね。

8. The Paula Jones ratchet

クリントンはPaula Jonesとのスキャンダルはついに振り切れなかったようで す。在任中の裁判免責は受けられない。この記事はこの事件を直接論じている というより、アメリカ社会で政敵をけ落とすためにとる手段がますます露骨に なってきたということを論じています。特にイギリス人にとってはここまで自 国の大統領を貶めることには耐えられないのでしょう。しかし筆者は最後の方 で、「平等の原則を曲げることは大統領といえども許されない。アメリカは結 局ヨーロッパの権威に反抗して、平等の上に自国を築いたのだから」と書いて います。確かにこの辺がアメリカの強みでしょう。

かなり疲れたので、あとの2つの記事が面白かったのですが端折りました。

YUKI



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