アルミ缶のプルタブ

2001年1月23日

 昔々(とは言ってもつい最近のことだけど)、ある人が自動販売機で缶ジュースを買いました。その人は何か金属片をポイっと投げ捨てると、おいしそうにゴクゴクとジュースを飲み干しました。空き缶はきちんとゴミ箱に捨てたのですが、金属片は道端に捨てられてしまいました。当時の缶ジュースは、今のものとは違って、プルタブを引っ張るとすぐにちぎれて取れるようになっていたんですよね。(そういえば「プルタブ」じゃなくて「リングプル」って呼んでいた人も多かったように記憶しています。)

 さて、その数日後、名もなきノラ猫くんが散歩をしておりましたところ、突然足の裏に激痛を感じました。「イテ!なんだ?」見ると足の裏に切り傷ができていて、血が流れております。そうです。道端に落ちていたプルタブを踏んでしまったんです。「誰だ!こんな危険なものをポイ捨てするヤツは!!(T^T)」

 当時、海岸などでプルタブを踏んで怪我をする人や、間違って食べてしまう水鳥などが問題となったため、「ステイオンタブ」と呼ばれるタイプのものに切り替えられました。タブを引き起こしたときに缶の中に金属片が押し込まれるようになり、ちぎって取れる部分がないようにしたわけです。ちぎって欲しくないんです。

しかし、わざわざプルタブをちぎる小中学生が実に多い。

 なぜか?と思い小学生の息子にたずねてみたところ、学校でプルタブだけを集めているというではないですか。ちぎれないように作ってあるものをちぎって集めるというのは問題だと私は思います。子供達がちぎったプルタブがきちんと回収されればまだ救われますが、学校に持ってくるまでの間にどこかに落としたりしたら元も子もありません。

 プルタブを集めてある団体に届けると、車椅子と交換され福祉団体や病院に寄贈されるという、そういう団体もあったらしいです(今現在、その団体は活動をしていません)。しかしこの団体が活動を始めた当時はまだちぎれて取れるタイプのプルタブだったので、このページの上に書いたような事故(環境問題)に対処するために始めたわけで、志としてはとても立派なことだったはずですが、すでに缶のプルタブが改良された現在では、無理にプルタブをちぎり取って集めるよりも、空き缶そのものをきちんと回収するべきだと思います。

 先日、我が家のゴミ箱にプルタブがちぎって取れている空き缶が捨てられていました。私も妻もこんなことをすることはありませんし、下の娘はまだタブをちぎるようなことはしませんので、小学生の息子に「おまえがちぎったのか?」と聞いたのですが「ちぎっていない」という返事。おそらく無意識のうちにちぎって覚えていないのでしょう。すでにプルタブをちぎるクセがついてしまったようです。普段からちぎるようにしていると、いざ「ちぎるな」と言われても無意識のうちにやってしまうということはよくあることです。今は善意のつもりでプルタブをちぎっていますが、三つ子の魂百まで…、彼らが大人になったあとでもついクセでちぎってしまうということは十分考えられます。そして、クセでちぎってしまったプルタブをつい道端にポイ捨てしてしまう人もいるでしょう。小学校での活動は、プルタブをちぎるクセを持った人を増やすという結果になるのではないでしょうか。

参考ホームページ 「アルミ缶リサイクルのHOME PAGE
(こちらでも「タブだけを回収しないで!」という意見が掲載されています。

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