ビデオゲームレビュー(5)
風のクロノア 〜ムーンライトミュージアム〜 (1999 ナムコ)
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初めてのコンシューマーゲーム機のレビューを書く。
いや実際には昔セガサターン用ソフトのレビューをしたことがあったんだけど。
今回のは携帯ゲーム機のゲームのレビューなんで、なかなか難しいのだ。
なんといってもボクはゲームボーイを持っていなくて、
携帯ゲーム機用のゲームを殆ど遊んだコトがない。こんな状況では
客観的な評価を下すことが難しいからだ。
だからヘンなところがあってもちょっと我慢してほしい。
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今回の「ムーンライトミュージアム」はバンダイの携帯ゲーム機「WonderSwan」用の
ゲームである。
もともと風のクロノアってのは PlayStation で出てたゲームなんだけど
それはやったことがないのでよくわからない。
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ゲーム内容は、サイドビューのアクションパズルゲームである。
主人公であるクロノアは左右移動とジャンプと、
あと敵をつかまえたり投げたりできる「風玉」という武器を使うことができる。
それで
迷路を移動したり、
梯子を登ったり、
スイッチを押したり、
風船(グミという名前らしい)にぶら下がったり、箱を動かしたりしながら、
「星のかけら」を3つ集めてゴールまでいけば面クリアなんである。
通常のジャンプでは届かないところにあるような場所に
(箱をつかったり敵をつかったりして)どうやっていくのかを考えるのが
通常のゲームをやっているときの主な要素となる。
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ゲームの出来はどうかというと、よくできている。
音楽もグラフィックも綺麗に作ってあるし、
パズル部分もそれなりに考えないといけない場所が多い。
全体的に丁寧に作ってあるという印象だ。
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基本的にパズル及び迷路を解くことが最大の要素となっていて、
アクションの要素とかリアルタイム性の殆どない面が多いのである。
そして、マップ全体を見渡せないということが
このゲームを難しくしている最大の要因となっているというところが問題だ。
要するにマッピングすれば簡単に解けてしまうのだ。
しかしながら基本的にパズルなので
マッピングをしてもその後あまり使うことはないので達成感がない。
そしてゲームシステムが目新しいかというとそうでもないし、
敵との戦いがないから毎回違う展開が待っていわけでもないし、
ビジュアル的に見てるだけで楽しいとか、
走ってたりジャンプしたりするだけで楽しいとかそういうコトもない。
エンディングまでの6x5=30面は、だいたいそんな感じである。
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ところが、エンディングの後にエキストラステージがあって、
こっちは純粋にアクションゲームになっている。
とりあえず分岐はないし、
殆どのフィールドが横か縦にしかスクロールしないので全体の構造が良くわかるし、
破壊不可能な敵に追いかけられながらすすんでく部屋や、
動く床に乗って敵の攻撃を避ける部屋や、
空中に浮かんでる敵を利用して長い長いトゲの通路を抜ける面などがあるし、
クリアにかかった時間がスコアとなって記録されるので、タイムアタックもできる。
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そんなワケでエンディングまでの6x5=30面は、
単なるマップの中にあるアイテムを延々と集める作業をやってるかのように
進んでいく。
ストーリーと経験値とアイテムのないRPGのような感じかもしれない。
その30面だけだと、
「よくできているけどつまらないゲーム」
「パズルとアクションのどっちも中途半端なゲーム」
という評価にしかならない。
しかしエキストラステージはアクションゲームとして楽しめる。
要するに、
エンディングまでの長い苦行に耐えられる人間なら、このゲームは買うべきだろうし、
そうでなければどっちでもいいよというコトである。
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しかしなぜアクション性を付加できるゲームであるにもかかわらず、
エンディングまでの面はああもアクション性のないデザインになってるのかは疑問だ。
アクション主体の面とパズル主体の面の2つを織り交ぜたような
面構成にはできなかったのだろうか。
STN 液晶だから動きの少ないパズル主体ということかもしれないけど、
アクション主体の面を見ることなく
このゲームをヤメてしまうヒトがたくさんいるんだろうな
と考えるとちょっと勿体無いような気がする。
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ちなみに音楽スタッフのうちの一人は小沢純子なんで、
小沢ファンのヒトは買って損はしないんじゃないかと思う。
nkf@pluto.dti.ne.jp