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「おいしさ」の重要な要素は「味」です。 甘い、すっぱい、苦い、塩辛い、などでこれらはお互い交換できません。 さらに近年「旨み」も「味」の要素の仲間入りをしました。 この5要素の「味」は化学物質で舌で感じます。 その他に硬い、軟らかい、プリプリ、ツルツルなどの「食感」と 熱い、冷たいなどの「温度」も「おいしさ」に関係します。
「味」「食感」「温度」の複雑なからみあいで「おいしさ」がある程度決まってきます。
話しは魚に限定しますが、魚は鮮度が大事です。 よく人寄せパンダ的に活魚を見ますが、活魚がおいしいかはさておき 鮮度は保証されてますね、とわいえ魚は新しいほどおいしいのだろうか?
魚が死んだ直後は肉はやわらかくアルカリ性です。 しかし直ぐに硬直してコチコチと硬くなり肉は透明感がなくなっていきます。 死後硬直になると肉に乳酸生成され弱酸性になっていきます。 同時に旨み成分のイノシン酸とグルタミン酸が増加し始めます。 死んですぐの魚は化学的な旨み成分が少ないので食感を楽しみましょう。 魚の肉の組織は壊れやすいので、旨み成分が増えすぎると腐敗します。 美味い刺身を食べたいとなると、鮮度の限界と旨み成分の限界を知ることです。
例 「サバの生き腐れ」というようにサバ・イワシは鮮度落ちが早いです。
「腐ってもタイ」(本当は別意です)というようにマダイ・チダイ・クロダイは鮮度落ちが遅い。
また、タラの仲間のスケトウダラは鮮度落ちが早く下級魚扱いされマダラは鮮度持ちが 良いため高級魚扱いされます。
マダラは内蔵を取り除き氷詰される8時間後で硬直が最大になります、
ハマチは4時間後、
マダイは28時間後、
ヒラメ・ソイは48時間後です。
しかし、硬直時間と旨み成分の生成量は
魚の大きさ、死に方、保存温度、生きていたときの栄養状態で
かなり左右されますので一言では語り尽くせません。
旨み成分はイノシン酸ですが、
今釣行で人気のイカ・タコはイノシン酸が蓄積しません。
それなのにあんなに美味しいのは何故かというと、イカ・タコなどは死後アデニル酸が生成されます。
アデニル酸とは別名アデノシン-1リン酸といいます。
これはグルタミン酸と共存する と非常に強い旨み成分となることが知られています。
グルタミン酸は魚肉の中に100グラム中0.2パ−セントですが、イカは0.5パ−セントです。
何やらむずかしい話しになってしまいましたが、最後にもうひとつ。 死に方で魚の味はかなり大きく左右します。
釣り人で美味しい魚を食べたいと思っている貴方、下記をよく読んでください。

「釣った魚をバタバタさせない」 魚肉のなかにエネルギ−の源のアデノシンVリン酸という物質があり、死後これが分 解してイノシン酸に変わっていきます。魚が死ぬまでにバタバタするとこのアデノシ
ンVリン酸が消費されイノシン酸が少量しか生成されません。
つまり魚を安静にして殺すと大量のイノシン酸が生成されるのです。
また死後硬直もゆっくり起こり鮮度低下もゆっくりとなります。
魚を安静に即死させるには「活け〆」を行います。これは血抜きとは違います。
魚の目のソバを刺し延髄を壊し殺す方法です。
魚種により延髄の大きさと場所が若干異なります。
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