ヒラマサについて

英名 Flat amberijack
スズキ目アジ科ブリ属の種類の判断はたいへんむずかしいです。よく言われる外観は
1.上顎の後端が丸い
2.胸鰭(ムナビレ)が短い
3.体が側扁している
4.尾鰭が大きい
5.尻鰭まえの棘
(この棘に関してはハッキリしてはいないがブリに無いことが多いとされている)
また、数値的な相違として背鰭の棘や軟条数がブリよりも多いという研究結果もある。
そして、次のことが区別を難しくしている最大原因です、
体側中央の黄色縦帯はヒラマサの特徴なのですが、
ブリの種群のなかでも体力的に弱い個体はヒラマサと同色になる傾向があります。
たいていの場合これで間違います、腹鰭より胸鰭が小さいのですよ。
でっ上記より判断しずらい場合は切ってみるしかないのですが、
ブリと違い血合いが少なく白いです背側の身にも脂がよくのりこくのある味と言われています。
ブリとカンパチの中間的存在と思っていいかもしれませんがブリより非常に少なくめったに
地域によっては釣れないと思っていてもよい魚なのです。(漁獲量もブリの10分の1もない)
全長150cmにも達し、時速40kmのスピードで泳ぐ。
地方名
マサギ(南九州)
真直ぐ伸びた体形の魚の意。マサは真直ぐ、ギは魚名語尾。
ヒラサ(広島)ヒラス・ヒラソ(関西・四国・九州)
ヒラマサの縮語で呼ぶのか、「平たい魚」の意で呼ぶのか。
テンコツ(鹿児島で幼魚を呼ぶ)
乱暴者のことをいう方言
セントク(新潟)
菜種をセントクという。中国地方では菜種油のこと。
この語源は「宣徳」であろう。黄色味をおびた銅器を宣徳といい、
黄色い花咲く菜種もセントクという。
アガユ(越後)
ブリに似て、体表が薄赤味をおびていることから。
「赤魚」の意。ユは「イヨ・イオ」の転訛で魚名語尾。
マヤ(富山)
岩礁周辺で漁獲されることから「マヤ」と呼ぶ。
漁業用語では岩礁の周辺を「マ」という。「ヤ」は魚名語尾。
産卵
春から夏で五島列島では4〜5月が産卵盛期、産卵適水温は20度前後。
卵数は200万粒(全長85cmもの)、卵は球形で直径1.3〜1.5ミリの分離浮性卵。
水温19度で90時間、23℃で60時間前後で孵化する。
成長
仔魚は4ミリ全長11ミリで成魚と同じヒレとなる。
ブリ・カンパチと違って体長3〜4cmの稚魚は流れ藻の下に付いていることが多いが、
ヒラマサの稚魚はあまり見かけない。しかし、全長20〜50cmの若魚や未成魚は、
春から初夏にかけて流れ、藻や流木などに付いて行動することが観測されている。
1年で40cm、2年で60cm、3年で80cm、4年で90cmに成長する。
肉食で成魚はカタクチイワシやアジ類・サバ類などの表層性魚類やスルメイカなどを捕食する。
食事は日の出及び日没前後が活発となる。
漁法
定置網・釣りが主体。若魚はシイラと同様に流れ藻や流木によく付くため、巻網で漁獲される。
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